以下に、多言語帳票の設計・出力、および英語環境(英語ロケール)での運用に関する留意事項について説明します。
ポイント
日本語環境のデザイナで設計した帳票定義情報を英語環境で運用する場合、ここで説明する留意事項に従って、日本語環境のデザイナで帳票定義情報を修正してください。
●帳票資源のファイル名に関する留意事項
帳票定義情報の帳票名は、半角英数・記号(ASCII範囲)で指定してください。
入力データ、メディアデータおよび情報ファイルなどの帳票資源のファイル名、および格納先ディレクトリ名は、半角英数・記号(ASCII範囲)で指定してください。
PDFファイルやExcelファイルなどの出力ファイル名、および出力先ディレクトリ名は、半角英数・記号(ASCII範囲)で指定してください。
●帳票定義情報設計時の留意事項
注意
帳票定義情報設計時の留意事項に従わない帳票定義情報は、英語環境のデザイナで読み込むことができません。
項目名には、半角英数字(A~Z、a~z、0~9)、半角ハイフン(-)、および半角アンダーバー(_)のみ使用できます。
入力データ形式が「XML形式」のときのデータルート名、タグ名には、半角英数(A~Z、a~z、0~9)、半角ハイフン(-)、半角ピリオド(.)、および半角アンダーバー(_)のみ使用できます。
以下の項目の属性に指定できる文字列は、帳票のプロパティ画面の[帳票定義体]タブの「Unicodeの文字を使用する」の指定により、以下のようになります。
「Unicodeの文字を使用する」をチェックしない場合
半角英数・記号(ASCII範囲)が指定できます。
「Unicodeの文字を使用する」をチェックする場合
Unicodeの文字が指定できます。
対象 | 属性 | ||
---|---|---|---|
項目の | 数字項目 | [編集形式]タブ(数値の場合) | 前符号文字 |
[編集形式]タブ(通貨の場合) | 通貨記号文字 | ||
[編集形式]タブ(日付の場合) | 文字列 | ||
[集団印刷]タブ | 印刷文字(*1) | ||
| [集団印刷]タブ | 印刷文字 | |
| [プロパティ]タブ | 文字列 | |
| [プロパティ]タブ | ラベル |
*1:
集計表形式およびフリーフレーム形式の場合、Unicode固有の文字およびサロゲートペアの文字を指定すると、「アンダーバー(_)」で出力されます。
以下の項目の属性に指定できる文字列は、[Unicodeの文字を使用する場合の詳細設定]画面の「オーバレイ文字」の指定により、以下のようになります。
「オーバレイ文字」をチェックしない場合
半角英数・記号(ASCII 範囲)が指定できます。
「オーバレイ文字」をチェックする場合
Unicodeの文字が指定できます。
対象 | 属性 | ||
---|---|---|---|
項目の |
| [プロパティ]タブ | 文字列 |
以下の項目の属性は、半角英数・記号(ASCII範囲)で定義してください。
対象 | 属性 | ||
---|---|---|---|
帳票のプロパティ画面 | [帳票定義体]タブ | 用紙名 | |
項目の |
| [条件指定]タブ | 条件式 |
ラジオボタン項目 | [ラジオボタン]タブ | 選択時情報、 | |
チェックボックス項目 | [チェックボックス]タブ | 選択時情報、 | |
データ定義画面 |
| 段落、文字列 | |
帳票業務情報のプロパティ画面 | すべてのタブ | すべての属性(*1) |
*1:
PDFファイル保存時に[ファイル]タブで指定する以下の文字列の初期値は日本語となっているため、運用環境に応じて変更してください。
・URIによる閲覧制限時に表示されるメッセージ
・閲覧制限時の動作「マスク時の表示」の文字列
帳票のプロパティ画面の[禁則処理]タブの“禁則文字を指定する”は選択しないでください。
矩形テキスト項目の禁則処理で行頭/行末禁則を指定したい場合は、帳票のプロパティ画面で「Unicodeの文字を使用する」を選択して、[禁則処理]タブの“禁則文字を指定する”を指定してください。
項目、オーバレイ文字のフォント名には、フォント名に日本語が含まれないフォント(「MS UI Gothic」など)を指定してください。
ポイント
日本語環境のデザイナでは、日本語フォントに「MS Mincho」などの英語名のフォントが選択できません。
英語環境で「MS Mincho」などのフォントを使用したい場合は、項目に仮のフォント(「MS UI Gothic」など)を指定し、仮のフォントに対し、実際に使用したいフォント(「MS Mincho」など)を置換フォントに指定してください。
例)項目のフォントを「MS 明朝」(英語名は、「MS Mincho」)で出力したい場合
項目の日本語フォントに「MS UI Gothic」を指定します。
「MS UI Gothic」の置換フォントとして「MS Mincho」を指定します。
なお、置換フォントは、帳票業務情報のプロパティ画面の[印刷]タブで指定するか、または帳票出力時に「置換フォント情報ファイル」で指定します。
●組合せフォーム名に関する留意事項
組合せフォーム名は、半角英数・記号(ASCII 範囲)で指定してください。
●入力データに関する留意事項
入力データの文字コード系には、Unicodeを指定してください。
●情報ファイルに関する留意事項
各種情報ファイルは、半角英数・記号(ASCII範囲)で記述してください。
●帳票出力時の留意事項
帳票出力インタフェースのオプションやプロパティで指定する文字列データは、半角英数・記号(ASCII範囲)で指定してください。
結合文字に対応したフォントを使用してください(例:Tahomaなど)。
結合文字は、入力データ、および帳票定義情報のUnicode文字が指定できる項目の属性に使用できます。
帳票定義情報のUnicode文字を指定できる属性とその範囲については、デザイナヘルプを参照してください。
結合文字を使用する項目には、以下を指定しないでください。指定した場合、デザイナで結合文字が正しく描画されません。また、帳票の出力時に結合文字が正しく出力されません。
項目のプロパティの[フォント]タブの「ピッチ」
項目のプロパティの[フォント]タブの「互換」画面の「1.5 ピッチ」
項目のプロパティの[フォント]タブの「互換」画面の「文字を反時計回りに90° 回転」
項目のプロパティの[文字配置]タブの「文字配置」に「両端揃え」、「均等配置」、または「圧縮」
項目のプロパティの[文字配置]タブの「出力時に項目の領域内にデータが収まらない場合の対処」に「文字などを詰めて全データを出力する」
オーバレイ文字に結合文字を使用する場合は、以下を指定しないでください。指定した場合、デザイナで結合文字が正しく描画されません。また、帳票の出力時に結合文字が正しく出力されません。
項目のプロパティの[フォント]タブの「文字間隔」
項目のプロパティの[文字配置]タブの「配置方法」に「両端揃え」、または「文字幅自動調整」
項目のプロパティの[矩形]タブに「文字幅を固定で出力」(矩形オーバレイ文字の場合のみ)
矩形テキスト項目の[矩形]タブの「禁則処理」で「追い出し後の両端揃え」を指定し、結合文字を出力した場合、矩形テキスト項目の横幅を超えて出力される場合があります。
拡大/縮小印刷、および段組み印刷時に結合文字を出力する場合、帳票出力情報ファイルの「MULTIPLECHAR」キーワードを指定する必要があります。詳細については、以下を参照してください。
出力方法が印刷でオーバレイ文字に結合文字を出力する場合、帳票出力情報ファイルの「OVLMULTIPLECHAR」キーワードを指定する必要があります。詳細については、以下を参照してください。