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Systemwalker Network Manager V13.5.0 使用手引書
FUJITSU Software

5.4.2 トラップ監視設定

Systemwalker Network Managerトラップ監視機能の設定方法について説明します。

5.4.2.1 トラップ監視設定の流れ

トラップ監視設定の流れについて説明します。

監視対象の設定
5.4.2.2 監視対象の設定

フィルタリングの設定
5.4.2.3 フィルタリング定義

メッセージ変換の設定
5.4.2.4 メッセージ変換定義

設定内容の反映
5.4.2.5 設定内容の反映

5.4.2.2 監視対象の設定

トラップ監視を行うためには、トポロジマップへのノード登録と性能監視機能の監視対象への追加が必要になります。

1.  トポロジマップに、トラップ監視を行いたいノードを登録します。登録方法については、「5.2 監視設定操作」を参照して下さい。

2.  トラップ監視を行いたいノードを性能監視対象へ追加します。追加方法については、「5.3.1 監視対象の定義」を参照して下さい。

注意

  • 既に性能監視の設定を行っている場合は、新たに定義をする必要はありません。

  • トラップ監視機能を使用する場合、構成情報定義に定義するノードとインタフェースIPアドレスは、監視するトラップの送信元IPアドレスと同一である必要があります。

5.4.2.3 フィルタリング定義

以下の2つの観点でトラップをフィルタリングすることができます。

5.4.2.3.1 ノードフィルタリング定義

ノードフィルタリング定義は、許可ファイルと拒否ファイルの組み合わせで設定を行います。

以下に格納されているcsv形式のファイルを編集して行って下さい。

・ノード許可フィルタ

$DIR1/FJSVipm/etc/trap.allow.ip

・ノード拒否フィルタ

$DIR1/FJSVipm/etc/trap.deny.ip

($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)

定義ファイルは、改行区切りでIPアドレス、もしくはネットワークアドレスを定義します。各ファイルには、最大で1000個まで定義することができます。

以下の定義方法に従って定義を行って下さい。

表5.64 ファイル形式(IPv4アドレスの場合)

定義方法

形式

単一指定

xxx.xxx.xxx.xxx

192.168.1.1

ネットワークアドレス指定

xxx.xxx.xxx.xxx/yy

192.168.1.0/24

範囲指定

xxx.xxx.xxx.yyy-zzz

192.168.1.100-200

IPv4アドレスのみ全指定

ALLV4

ALLV4

IPv6アドレス含めて全指定

ALL

ALL

コメント行

# コメント

# 本社

表5.65 ファイル形式(IPv6アドレスの場合)

定義方法

形式

単一指定

xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx

2001:DB8:1:1::1

プレフィックス指定

xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx/yy

2001:DB8:1:1::/64

IPv6アドレスのみ全指定

ALLV6

ALLV6

IPv4アドレス含めて全指定

ALL

ALL

コメント行

# コメント

# 本社

参考

  • デフォルトの動作では、全てのIPアドレスからのトラップをフィルタリングします。

  • ノード許可フィルタとノード拒否フィルタでは、ノード拒否フィルタの内容を優先します。同じ定義を両ファイルに記載した場合は、トラップはフィルタリングされます。

  • ノード許可フィルタとノード拒否フィルタのいずれにも記載されていないIPアドレスはフィルタリングされます。

  • 監視対象がIPv6アドレスの場合、範囲指定を行うことはできません。

定義例

5.4.2.3.2 OIDフィルタリング定義

メッセージ変換定義は、許可ファイルと拒否ファイルの組み合わせで設定を行います。

以下に格納されているcsv形式のファイルを編集して行って下さい。

・OID許可フィルタ

$DIR1/FJSVipm/etc/trap.allow

・OID拒否フィルタ

$DIR1/FJSVipm/etc/trap.deny

($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)

各ファイルには、最大で100個まで定義することができます。

以下の形式で定義を行って下さい。

表5.66 csvファイルの形式

項目

必須

説明

oid

文字列

  

フィルタリング対象とするトラップのOIDを記述して下さい。

generic-type

数値

  

フィルタリング対象とするトラップのGeneric Trap Typeを記述して下さい。

省略時は全てのGeneric Trap Typeが対象となります。

specific-type

数値

  

フィルタリング対象とするトラップのSpecific Trap Typeを記述して下さい。

省略時は全てのSpecific Trap Typeが対象となります。

参考

  • デフォルトの動作では、OIDでのフィルタリングは行いません。

  • OID許可フィルタとOID拒否フィルタでは、OID拒否フィルタの内容を優先します。同じ定義を両ファイルに記載した場合は、トラップはフィルタリングされます。

  • OID許可フィルタとOID拒否フィルタのいずれにも記載されていないOIDはフィルタリングされます。

  • enterprise項目に定義できる文字列の最大長は50バイトまでになります。

定義例

5.4.2.4 メッセージ変換定義

メッセージ変換定義は、以下に格納されているXMLファイルを編集して行って下さい。

$DIR1/FJSVipm/etc/trap.conv

($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)

XMLファイルのタグの形式は以下になります。

表5.67 XMLファイルの形式

タグ

必須

説明

convert

全体をくくるタグです。一つだけ定義可能です。

default-level

文字列

  

levelタグが省略された場合のデフォルトの障害レベルを定義します。重度障害(アプリケーション通信)にしたい場合はerror、警告(アプリケーション通信)にしたい場合はwarningと記述して下さい。

省略時はerrorになります。

enterprise

  

メッセージ変換定義の数だけ定義を行います。

最大で1000個まで定義可能です。

oid

文字列

enterpriseタグの配下に記述するタグです。メッセージ変換対象とするトラップのOIDを記述して下さい。
定義方法については、後述の「oidタグの定義方法」をご参照ください。

generic-type

数値

  

enterpriseタグの配下に記述するタグです。メッセージ変換対象とするトラップのGeneric Trap Typeを記述して下さい。

省略時は全てのGeneric Trap Typeが対象となります。

specific-trap

数値

  

enterpriseタグの配下に記述するタグです。メッセージ変換対象とするトラップのSpecific Trap Typeを記述して下さい。

省略時は全てのSpecific Trap Typeが対象となります。

level

文字列

  

enterpriseタグの配下に記述するタグです。トラップの障害レベルを定義します。重度障害(アプリケーション通信)にしたい場合はerror、警告(アプリケーション通信)にしたい場合はwarningと記述して下さい。

省略時はdefault-levelタグの設定が適用されます。

message

文字列

  

enterpriseタグの配下に記述するタグです。表示したいメッセージを記述して下さい。

省略時はメッセージ変換を行いません。

注意

  • トラップをそのまま表示したい場合は、本設定を行う必要はありません。

  • enterpriseタグを複数定義する場合、より上で定義した変換定義が優先されます。

  • oidタグとmessageタグに定義できる文字列の最大長は255バイトまでです。

  • messageタグに日本語を設定する場合、文字コードはSJISにして下さい。

  • messageタグに日本語を設定する場合、機種依存文字は使用しないでください。

  • メッセージに「"&<>」を表示させたい場合は、以下のように記述してください。

    文字

    記述

    "

    &quot;

    &

    &amp;

    <

    &lt;

    >

    &gt;

oidタグの定義方法

oidタグの要素には、RFC1213 に定義された文字列と、整数を使用し、ドット(.)区切りで指定してください。

例1のように、先頭はASCII文字列で、以降(1つめのドットの後ろ)は整数で表記します。

例1)

  enterprises.211.4.1.3.53.100

ただし、RFC1213 に定義された以下のOIDに限り、文字列部分を数値で表現することができます。

文字列

数値表現

enterprises

1.3.6.1.4.1

iso

1

org

1.3

dod

1.3.6

internet

1.3.6.1

directory

1.3.6.1.1

mgmt

1.3.6.1.2

mib-2

1.3.6.1.2.1

experimental

1.3.6.1.3

private

1.3.6.1.4

これにより、例1は例2のように定義することもできます。

例2)

  1.3.6.1.4.1.211.4.1.3.53.100

定義例

<convert>
    <default-level>error</default-level>
    <enterprise>
        <oid>1.3.6.1.4.1.211.4.1.3.53.100</oid>
        <generic-type>6</generic-type>
        <specific-trap>0</specific-trap>
        <level>warning</level>
        <message>トラップメッセージ</message>
    </enterprise>
    <enterprise>
        <oid>1.3.6.1.4.1.211.4.1.3.53.10</oid>
    </enterprise>
</convert>

5.4.2.5 設定内容の反映

フィルタリング定義とメッセージ変換定義の内容は、Systemwalker Network Managerの起動時、もしくはipmDefTrapコマンド実行時に反映されます。

コマンドの詳細については、8.2.17 ipmDefTrap(トラップ監視機能の定義ファイル情報の反映)を参照して下さい。

注意

  • 定義ファイルが誤っていた場合、syslogにエラーが出力されます。コマンド実行後は、必ずsyslogを参照して下さい。