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NetCOBOL V11.1 NetCOBOL Studio ユーザーズガイド
FUJITSU Software

2.2 リモート開発によるCOBOLプログラムの作成

ここではローカル開発用のCOBOLプロジェクトをリモート開発用のCOBOLプロジェクトとして利用し、サーバ側のCOBOLプログラムをリモート開発する手順を説明します。

1. サーバシステムの環境設定

2. サーバ情報の設定

3. プロジェクトで使用するサーバ情報の設定

4. メイクファイルの生成

5. サーバでのプロジェクトのビルド

6. COBOLプログラムのデバッグ

1. サーバシステムの環境設定

リモート開発を行うにはサーバ側の環境設定が必要です。サーバの環境はサーバマシンの管理者に確認してください。

サーバ側の環境設定は“9.2.1.1 NetCOBOLリモート開発サービス”および“9.2.2 サーバの環境設定”を参照してください。

2. サーバ情報の設定

サーバと連携するための情報を、以下の手順で設定します。

  1. メニューバーから[ウィンドウ(W)] > [設定(P)]を選択します。

    →  [設定]ダイアログボックスが表示されます。

  2. 左のペインで[COBOL] > [リモート開発]を選択します。
    →  [リモート開発]ページが表示されます。

  3. [リモート開発]ページの[新規(N)]ボタンをクリックします。

    →  [サーバ情報の新規作成]ダイアログボックスが表示されます。

  4. ここでは以下の情報を設定します。

    表2.2 [サーバ情報の新規作成]ダイアログボックス

    設定項目

    設定内容

    サーバ名

    サーバ情報を管理するための任意の名前を設定します。

    サーバのOS

    リモート開発するサーバのOSを選択します。

    サーバのアドレス

    ネットワーク上のサーバを識別するための名前(FQDN: Fully Qualified Domain Name)またはIPアドレスを設定します。

    常に以下のユーザ名とパスワードを使用する

    チェックします。

    このダイアログボックスで設定したユーザ名とパスワードを使用します。

      

    ユーザ名

    サーバで使用するアカウントのユーザ名を設定します。

    パスワード

    ユーザ名に付与されたパスワードを設定します。

    コード変換

    テキストファイルのコード変換の情報です。

      

    サーバ側COBOLソースのコード系

    リモート開発のサーバ側に転送されたCOBOLソースのコード系を選択します。

    サーバでコード変換する

    [サーバでコード変換する]を選択します。

    サーバ側でコード変換処理を実行します。

    [サーバのOS]で[Windows(x64)]を選択している場合は無効となります。

    ローカルでコード変換する

    UNIX系サーバの情報

    [サーバのOS]で[Solaris]、[Solaris(64)]または[Linux(Itanium)]を選択したときに指定する情報です。

      

    リモート開発にFTPを使用する

    リモート開発のサーバ側のサービスとしてftpd/rexecサービスを使用する場合に選択してください。

    ファイル転送(FTP)にPASVモードを使用する

    PASVモードでファイル転送する場合に選択してください。

    サーバ側のftpd/rexecサービスを使用するリモート開発の場合に有効となります。

    サーバのNetCOBOLリモート開発サービス

    サーバ側のNetCOBOLリモート開発サービスの情報です。

      

    ポート番号

    NetCOBOLリモート開発サービスのTCP/IPのポート番号を指定します。

    サーバ側のNetCOBOLリモート開発サービスを使用するリモート開発の場合に有効となります。

    SSHポートフォワーディングを使用する

    SSHポートフォワーディング機能を用いてNetCOBOLリモート開発サービスとの通信を暗号化します。

    [サーバのOS]で[Linux(x64)]を選択した場合に有効となります。

    SSHのポート番号

    サーバのSSHのポート番号を指定します。初期値は22です。

    [SSHポートフォワーディングを使用する]がチェックされている場合にのみ有効となります。

    SSHサーバ公開鍵の拇印

    SSHサーバが使用している公開鍵の拇印を表す16進数字の列を指定します。

    この値はサーバの管理者から入手してください。

    [SSHポートフォワーディングを使用する]がチェックされている場合にのみ有効となります。

    拇印アルゴリズム

    [SSHサーバ公開鍵の拇印]を算出したアルゴリズム(sha1またはmd5のどちらか)を指定します。この値はサーバの管理者から入手してください。初期値はmd5です。

    [SSHポートフォワーディングを使用する]がチェックされている場合にのみ有効となります。

  5. 必要な情報を設定したら[接続確認]ボタンをクリックします。

    →  設定した情報が正しければ、[確認]シートが表示され、サーバの環境変数の情報が表示されます。

  6. [OK]ボタンをクリックします。

    →  [サーバ情報の新規作成]ダイアログボックスに戻ります。

  7. [サーバ情報の新規作成]ダイアログボックスで[OK]ボタンをクリックします。

    →  [設定]ダイアログボックスに戻り、[リモート開発]ページの[サーバ名]に[サーバ情報の新規作成]ダイアログボックスで設定したサーバ名が表示されます。

  8. [OK]ボタンをクリックします。

ポイント

ここで設定したサーバ情報はワークスペース間で共有されるため、他のワークスペースからでも利用することができます。

3. プロジェクトで使用するサーバ情報の設定

ローカル開発用のCOBOLプロジェクトをリモート開発用のプロジェクトとして利用するには、プロジェクトごとにサーバ情報を設定します。

  1. [依存]または[構造]ビューでプロジェクトを選択し、コンテキストメニューから[プロパティ]を選択します。

    →  [プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。

  2. [プロパティ]ダイアログボックスの左のペインで[リモート開発]を選択すると[リモート開発]ページが表示されます。

  3. 以下のサーバ情報を設定し、[OK]ボタンをクリックします。

    表2.3 [リモート開発]ページ

    設定項目

    設定内容

    プロジェクト固有の設定を有効にする

    選択します。

    リモート開発機能を有効にする

    選択します。

    サーバ名

    3. プロジェクトで使用するサーバ情報の設定”で設定したサーバ名を選択します。

    サーバディレクトリ

    リモート開発で使用する開発資産の保存先ディレクトリをフルパス名で指定します。

    [参照(B)]ボタンをクリックするとサーバのディレクトリを参照することができます。

    メイクファイル生成機能およびリモートビルド機能は、このディレクトリをカレントディレクトリとして処理を実行します。

4. メイクファイルの生成

サーバでCOBOLプログラムをビルドするためのメイクファイルを生成します。

  1. メニューバーから[プロジェクト(P)] > [リモート開発(D)] > [メイクファイル生成(M)]を選択します。

    →  [メイクファイル生成]ダイアログボックスが表示されます。

  2. ここでは何も設定せずに[OK]ボタンをクリックします。

    →  メイクファイルを生成するために必要となる資産がサーバへ転送され、メイクファイルが生成されます。

生成されたメイクファイルは、[依存]ビューまたは[構造]ビューの[その他のファイル]フォルダにファイル名“Makefile”として登録されます。メイクファイルの内容を確認したい場合は、メイクファイルを選択してコンテキストメニューから[開く]を選択してください。

注意

次のような確認メッセージが表示される場合、[はい]ボタンをクリックして[自動的にビルド]を解除してください。

ポイント

メイクファイル生成時のサーバでの実行結果は、[コンソール]ビューのツールバーのアイコン([コンソールを開く])から[COBOLリモート]を選択することにより確認できます。

5. サーバでのプロジェクトのビルド

メニューバーから[プロジェクト] > [リモート開発] > [ビルド]を選択します。

→  サーバでCOBOLプログラムがビルドされます。

ポイント

  • 翻訳エラーは[問題]ビューに表示されます。[問題]ビューで翻訳エラーを選択し、コンテキストメニューから[ジャンプ]を選択すると、COBOLエディタでCOBOLソースファイルが開かれて翻訳エラー箇所がカレント行となります。

  • サーバでのビルド結果は、[コンソール]ビューのツールバーのアイコン([コンソールを開く])から[COBOLリモート]を選択することにより確認できます。

6. COBOLプログラムのデバッグ

サーバで動作するCOBOLプログラムは、リモートデバッガを起動してデバッグします。

リモートデバッグは以下の手順で開始します。

  1. サーバで以下のコマンドを実行し、リモートデバッガコネクタを起動します。

    表2.4 サーバOSと起動コマンドの対応表

    サーバ

    起動コマンド

    Windows(64)

    cobrds64

    Solaris

    svdrds

    Solaris(64)

    Linux(Itanium)

    Linux(64)

  2. デバッガを起動する前にブレークポイントを設定します。以下の手順でブレークポイントを設定します。

    1. COBOLエディタでブレークポイントを設定する行の垂直方向ルーラー(行番号領域の左側)にマウスカーソルを位置付けます。

    2. マウスの左ボタンをダブルクリックします。

      →  垂直方向ルーラーにブレークポイントの設定を表すが表示されます。

  3. ブレークポイントの設定が完了したらデバッガを起動します。デバッガは以下の手順で起動します。

    1. メニューバーから[実行(R)] > [デバッグの構成(B)]を選択します。

      →  [デバッグ構成]ダイアログボックスが表示されます。

    2. 左ペインで[リモートCOBOLアプリケーション]をダブルクリックして、デバッガの起動構成を作成します。

    3. [メイン]タブの[デバッグ方法]で[通常デバッグ]を選択し、[デバッグ(D)]ボタンをクリックします。

  4. 処理が最初のブレークポイントに達すると、パースペクティブを切り替えるかの確認メッセージが表示されます。[はい]ボタンをクリックします。

  5. パースペクティブがデバッグパースペクティブに切り替わり、最初のブレークポイントで処理が中断します。メニューバーの[実行]から目的のメニュー項目を選択して、デバッグを実行してください。

ポイント

デバッグ完了後にCOBOLパースペクティブに戻るには、ウィンドウ右上部のを選択し、表示されたメニューから[COBOL]を選択してください。