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Interstage List Creator V10.5.0 解説編
FUJITSU Software

3.1.1 帳票設計機能

帳票設計機能とは、List Creator デザイナを使用して、帳票出力業務で使用する帳票定義情報を作成する機能です。

売上一覧表のような大量のデータを集計した帳票や、宛名ラベルのような多様な帳票のレイアウトをプログラムで設計するには多大な工数を必要とします。List Creatorの帳票設計機能を使用すると、多種多様なレイアウトの帳票を簡単に作成できます。

帳票設計機能には、簡単に帳票定義情報を作成するために、以下のような機能が用意されています。

3.1.1.1 簡単操作機能の搭載

List Creatorでは、帳票を簡単・スピーディに作成できる設計補助機能として、以下の機能を提供しています。

プレビュー機能

帳票の設計途中で実際の入力データがない場合でも、雛形を使用して出力イメージを簡単に確認できます。

印刷イメージ、PDFファイル形式、Excelファイル形式、またはTIFFファイル形式の出力イメージを表示できるため、運用時の出力方法に合わせた確認ができます。

帳票ナビ機能

帳票設計手順をナビゲートする「帳票ナビ」機能を提供しています。

帳票設計時の作業の単位にメニューが分類されており、帳票設計の一連の流れを視覚的に理解できます。帳票設計時の画面に表示されるので、簡単にご利用できます。

グリッド機能

設計する帳票の種類や特長によって、グリッドの種類を切り分けて帳票設計することができます。

グリッドの種類には、以下の2種類があります。

  • 固定間隔グリッド

    縦横の間隔が一定の方眼紙のようなグリッドです。表示間隔は自由に設定できます。

    帳票全体で同じ文字サイズや行ピッチの帳票を作成するときは、固定間隔のグリッドに合わせて文字や図形を配置すると、位置やサイズの微調整が簡単に行えます。

  • 任意間隔グリッド

    帳票設計時、グリッドを縦方向および横方向で自由に設定することができます。

    下敷きとして取り込んだイメージなどに合わせてグリッドを設定し、調整したグリッドに合わせて文字や図形を配置することができます。

    また、帳票をExcelファイル出力する場合は、任意間隔グリッドを選択することを推奨します。

    任意間隔グリッドを使用すると、グリッドの設定(項目や罫線の位置など)とExcelファイルの各セルを対応付けて帳票を設計することができます。

編集画面の表示モードの切り替え

帳票設計時に、帳票の編集画面(帳票様式定義画面)の表示モードを切り替えることで、各要素の定義やレイアウトの確認などをスムーズに行えます。

  • レイアウト作成(標準)

    帳票設計時、定義されているレイアウト情報のすべての構成要素を確認し、編集できる表示モードです。帳票を編集するときには、編集に必要な要素だけを表示して、他の要素を非表示にすることもできます。

  • レイアウト作成(固定パーティション)

    帳票のレイアウト情報のうち、出力位置が固定の領域に定義されている情報だけが表示され、帳票出力時のレイアウトを確認、編集できる表示モードです。

  • レイアウト確認

    条件指定により出力位置が変動するデータ領域などを含め、定義した領域を自由に選択して配置することで、実際に帳票が出力される位置やレイアウトを確認できる表示モードです。

3.1.1.2 ノンプログラミングによるデータ出力制御

帳票のレイアウト情報と入力データとを関連付けて、出力する位置や順序、条件などを設計時に定義することができます。

入力データに合わせて帳票出力結果を変更できます

入力データに合わせて、連続する同一データや罫線の出力抑止(集団印刷)、出力時の条件指定(文字装飾など)、出力領域の自動拡張、文字の自動縮小、条件判定結果による出力、禁則処理などの指定を行うことができます。

  • 連続する同一データや罫線の出力抑止(集団印刷)

    同じ項目に対して同じ値の入力データが続く場合に、2つ目以降のデータは印字しない、または「"」や「同上」などの文字を印字するといった定義ができます。

    また、同じ値の間にある罫線を非表示にすることもできます。罫線を非表示にした場合、集団印刷の範囲内で、先頭/中央/最後などの指定位置に配置できます。

  • 条件指定

    帳票出力結果を変更する条件と、変更する出力属性(文字色、フォントスタイル、網がけなど)を指定できます。例えば、集計データなどの値を、他の明細データよりも強調して赤色の太字で出力するように定義したりできます。

  • 出力領域(パーティションや矩形項目)の自動拡張

    出力するデータが定義領域の範囲内に入りきらないときに、出力する領域の縦幅を自動的に拡張して、すべてのデータを出力できます。

  • 文字の自動縮小出力

    文字フォント・文字ピッチを自動的に縮小して、すべてのデータを出力できます。

  • CASEデータ出力(条件判定)

    特定の項目に対する入力データを条件判定し、別の値にして帳票を出力できます。

    データベースなどから抽出した入力データと、実際に帳票に出力したい値が異なる場合に使用します。

    例)以下の場合、「男」と「女」の項目にCASEデータ出力が定義されています。「性別」の入力データが「0」のときは帳票の「男」に「〇」が出力され、「1」のときは「女」に「〇」が出力されます。

  • 禁則処理

    矩形テキスト項目の出力時に、行頭に句読点などが出力されないように、ぶら下げなどの禁則処理を行って、体裁を整えることができます。

合計/明細番号を演算して出力できます

合計などの演算や明細データの番号付加などを自動的に行うことができます。また、固定の文字列を付加してデータを出力することができます。

  • 合計を自動計算して出力(関数)

    帳票出力時にList Creatorで合計を自動計算して出力できます。これは、演算を行いたいタイミングで出力する項目に「BREAK」を定義し、演算結果を出力したい項目に演算を定義して行います。「BREAK」を定義した項目のデータが変わると、演算が行われます。

    また、演算結果に丸め処理(切り上げ、切り捨て、四捨五入)を定義することもできます。

    例)以下の場合、「得意先名」の項目に対する入力データの値が「〇×商店」から「△□商店」に変わったタイミングで、金額の合計が出力されます。入力データに、合計のデータを用意する必要はありません。

  • 明細番号を自動的に出力

    帳票出力時に、List Creatorで明細番号(項番)を自動的に振ることができます。

    これは、特定の項目に演算を定義して行います。伝票形式および矩形繰返し形式の場合に使用できます。入力データに、明細番号を用意する必要はありません。

  • 入力データへの固定文字列付加(文字列操作)

    入力データに固定文字列を付加して出力できます。

    例えば、宛先に、「御中」、「様」、「宛て」などの文字列を付加することができます。

3.1.1.3 既存資産やデータの活用(オーバレイ変換、XBRL/Navigator連携、他)

紙やMicrosoft Excelデータなどの帳票をオーバレイ変換したり、メインフレームやNetCOBOLなどの既存資産のデータを活用(画面帳票定義体を変換)して、List Creator デザイナに取り込んで編集することができます。画面帳票定義体の変換機能については、オンラインマニュアル“帳票設計編”を参照してください。

また、データベースやXBRLデータエンジンなどと連携し、データを分析・抽出して帳票設計時に利用することができます。

3.1.1.4 出力時の動作を設定可能

帳票を出力する場合の出力方法、出力時の動作条件などを帳票設計時に指定することができます。

例えば、以下のような設定が可能です。

3.1.1.5 帳票出力時に項目属性の切替えが可能

帳票定義情報に定義されている項目の属性情報(フォントやリテラルなど)を、帳票出力時に置き換えて出力できます。

例えば、項目のプロパティで定義した日本語フォントの種類を、別の種類のフォントに置き換えて出力することができます。

これを「項目属性切替え機能」といいます。

項目属性切替え機能を使用すると、帳票定義情報を修正しなくても、帳票の出力結果を変更できるため、効率よく帳票の設計・運用を行えます。

項目属性を切り替えるには、切り替える項目の属性情報を「項目属性切替え定義ファイル」に定義します。

帳票出力時にこのファイルを指定することで、項目属性を切り替えることができます。