機能説明
ビジネス・プロセス実行環境でBPEL定義をシミュレーション実行する場合に使用します。Webサービスを呼び出さずに復帰値を返すための定義(折り返し定義)のひな型を作成します。
MIME BindingおよびRPC/encodedを使用していないWSDLが使用できます。
折り返し定義のひな型ファイルの内容は、Webサービスから返却されるHTTPレスポンスのBody部の内容です。Webサービスが一方向型(one-way)の場合、ひな型ファイルは空ファイルとなります。
折り返し定義のひな型ファイルは、Webサービスのオペレーションごとに1つのファイルとして生成されます。オペランドに指定したWebサービスのWSDL定義に複数のオペレーションが含まれている場合には、オペレーション毎にファイルが作成されます。
折り返し定義のひな型ファイルのファイル名は、WebアプリケーションのサービスエンドポイントのURLをURLエンコードした文字列に、“@”、オペレーション名、および“.xml”を連結したものです。
形式
isibpelgenturnback [--dir outputdir] wsdl-path
引数
引数 | 説明 |
---|---|
--dir outputdir | 指定されたディレクトリを格納先として折り返し定義のひな型ファイルを出力します。outputdirは存在している必要があります。 本引数が省略された場合は、カレントディレクトリ配下に、折り返し定義のひな型ファイルが出力されます。 |
wsdl-path | WebサービスのWSDL定義を指定します。 |
復帰値
復帰値 | 意味と対処 |
---|---|
0 | 正常終了。 |
上記以外 | 異常終了。エラーメッセージから原因を特定し、再度実行してください。 |
注意事項
WSDL定義からXML Schemaを参照している場合、参照可能な状態にする必要があります。httpで始まるURLで参照している場合、XMLSchemaを入手してWSDL定義を修正してください。Java EEの場合、ijwsimportコマンドを使用してXMLSchemaを入手してください。ijwsimportコマンドの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“ijwsimport”を参照してください。修正する箇所は、importタグのschemaLocation属性の値です。WSDL定義と同じディレクトリにXMLSchemaがある場合の修正例を以下に示します。
修正前
<types> <xsd:schema> <xsd:import namespace="http://sample/" schemaLocation="http://host06:80/WebServiceSample/PopulationRankingService?xsd=1" /> </xsd:schema> </types>
修正後
<types> <xsd:schema> <xsd:import namespace="http://sample/" schemaLocation="PopulationRankingService.xsd=1" /> </xsd:schema> </types>
WebサービスをInterstage Studio Java EEワークベンチで作成し、そのWebサービスのWSDLから折り返し定義を作成した場合、折り返し定義を修正する必要があります。オペレーションを記述している部分に対して、ネームスペースのprefixを追加してください。以下に“ns5”のprefixを追加した例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <soapenv:Envelope xmlns:soapenv="http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/"> <soapenv:Body> <ns5:getCountryDataResponse xmlns:ns5="http://sample/"> <return> <countryName></countryName> <totalPopulation></totalPopulation> </return> </ns5:getCountryDataResponse> </soapenv:Body> </soapenv:Envelope>
本コマンドは、管理者権限を所有するユーザ、またはInterstage運用者だけが実行できます。
引数で指定したWSDL定義中にXML Schemaのchoice要素がある場合、対応する要素を折り返し定義のひな型に出力します。必要な部分を残して編集してください。
引数で指定したWSDL定義中にWebサービスからHTTPレスポンスのBody部を返却しないオペレーションが指定されている場合には、本コマンドは、内容が空の折り返し定義のひな型を出力します。
MIME BindingまたはRPC/encodedを使用しているWSDLを引数で指定した場合、WSBPEL-53001のメッセージを出力、または生成できない旨のコメントタグを折り返し定義のひな型に出力します。
格納先ディレクトリに出力するひな型ファイルのパスの長さがOSの最大長を超過した場合、異常終了となります。
ファイル名の最大長は255文字、フォルダまでのフルパス(ドライブ名を含みます)の最大長は247文字、ファイルまでのフルパス(ドライブ名を含みます)の最大長は259文字です。
ファイル名の最大長は255バイト、フルパスの最大長は1023バイトです。
ファイル名の最大長は255バイト、フルパスの最大長は4095バイトです。
使用例
isibpelgenturnback WebService001.wsdl
折り返し定義のひな型の内容の例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <soapenv:Envelope xmlns:soapenv="http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/"> <soapenv:Body> <executeResponse xmlns="http://sample"> <executeReturn></executeReturn> </executeResponse> </soapenv:Body> </soapenv:Envelope>