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Enterprise Postgres 9.5 クラスタ運用ガイド
FUJITSU Software

3.9 多重化したインスタンスとMirroring Controllerの自動起動・停止の設定

データベースサーバのOSの起動・停止に合わせて、多重化したインスタンスとMirroring Controllerを自動的に起動・停止することができます。

注意

プライマリサーバとスタンバイサーバのMirroring Controllerの起動順序は保証しません。プライマリサーバの起動を確認したあとに、スタンバイサーバの起動を順次行って起動順序を保証してください。

rcスクリプトを使用する場合

以下の手順で行います。

  1. インスタンス管理者ユーザーのOSユーザーの設定

    インスタンス管理者ユーザーのOSユーザーでログインした場合に、インスタンスの起動に必要な環境変数を設定します。

    この設定は、“su -”コマンドを実行するときに必要です。

  2. シェルスクリプトの編集

    サンプルのシェルスクリプトをコピーして、シェルスクリプト内の環境変数などを環境に合わせて編集します。

    サンプルのシェルスクリプトのパス
    /インストールディレクトリ/share/rc_mcoi.sample
  3. シェルスクリプトの複写とアクセス権の設定

    OSのスーパーユーザーで、作成したシェルスクリプトを/etc/rc.d/init.d配下に複写してアクセス権を設定します。

    例)
    シェルスクリプトを“rc_mc_inst1”として作成した場合の例を以下に示します。
    # cp rc_mc_inst1 /etc/rc.d/init.d/
    # chmod 755 /etc/rc.d/init.d/rc_mc_inst1
  4. 自動起動・停止の登録と有効化

    OSのスーパーユーザーで、chkconfigコマンドを使用してシェルスクリプトの登録と有効化を行います。登録と有効化を行うには、以下のオプションを指定してください。

    オプション

    内容

    --add

    起動スクリプトとしてシェルスクリプトを登録します。

    --level

    各ラン・レベルにおける起動スクリプトの設定と有効化を行います。

    例)
    シェルスクリプトを登録してラン・レベル3と5に対して有効化した場合の例を以下に示します。
    # chkconfig --add rc_mc_inst1
    # chkconfig --level 35 rc_mc_inst1 on
systemdを使用する場合

以下の手順で行います。

  1. unitファイルの作成

    以下に格納されているunitファイルのサンプルをコピーして、対象とするインスタンスにあわせて修正します。

    サンプルファイルのパス
    /インストールディレクトリ/share/mcoi.service.sample
    例)
    インストールディレクトリが“/opt/fsepv<xy>server64”、インスタンス名を“inst1”とした場合の例を示します。
    # cp /opt/fsepv<xy>server64/share/mcoi.service.sample /usr/lib/systemd/system/mcoi_inst1.service

    unitファイルは、以下のオプションの下線部分を修正します。

    セクション

    オプション

    指定値

    説明

    Unit

    Description

    FUJITSU Enterprise Postgres Mirroring Controller <インスタンス名>

    機能概要を記述します。

    対象とするインスタンス名を記述します。(注)

    Service

    ExecStart

    /bin/bash -c 'インストールディレクトリ/bin/mc_std start インストールディレクトリ Mirroring Controller管理ディレクトリ' mc_ctlオプション

    サービスの起動時に実行するコマンドを指定します。

    mc_ctlオプションには、mc_ctlコマンドの実行時に追加したいオプションを指定します。

    なお、このmc_ctlオプションの指定内容は、指定値のmc_stdコマンドからmc_ctlコマンドに引き継がれます。

    ExecStop

    /bin/bash -c 'インストールディレクトリ/bin/mc_std stop インストールディレクトリ Mirroring Controller管理ディレクトリ' mc_ctlオプション

    サービスの停止時に実行するコマンドを指定します。

    mc_ctlオプションには、mc_ctlコマンドの実行時に追加したいオプションを指定します。

    なお、このmc_ctlオプションの指定内容は、指定値のmc_stdコマンドからmc_ctlコマンドに引き継がれます。

    User

    ユーザー

    インスタンス管理者のOSのユーザーアカウントを指定します。

    Group

    グループ

    インスタンス管理者のユーザーが所属するグループを指定します。

    注) ここで使用するインスタンス名とは、インスタンスを識別できる名称を指します。

        インスタンスを識別するための命名規約は以下です。

    • 16バイト以内

    • 先頭の文字は、ASCIIアルファベット

    • 先頭以外の文字は、ASCIIアルファベット、ASCII数字

  2. 自動起動・停止の有効化

    OSのスーパーユーザーで、systemctlコマンドを使って自動起動・停止を有効にします。

    例)
    # systemctl enable mcoi_inst1.service