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Enterprise Postgres 9.5 運用ガイド
FUJITSU Software

5.12 構築済みアプリケーションの導入のヒント

透過的データ暗号化では、アプリケーションを変更することなく、アプリケーション全体のデータを容易に暗号化できます。

データベース管理者は、次のように構築済みアプリケーションを導入します。ただし、本手順を実行するとデフォルトテーブル空間にデータを格納することになりますので、元々の設計と異なる場合は必要に応じて対処してください。

  1. (通常の手順) 構築済みアプリケーションのための所有者ユーザーとデータベースを作成します。

    CREATE USER crm_admin ...;
    CREATE DATABASE crm_db ...;

      

  2. (暗号化のための手順) 構築済みアプリケーションのデータを格納する暗号化テーブル空間を作成します。

    SET tablespace_encryption_algorithm = 'AES256';
    CREATE TABLESPACE crm_tablespace LOCATION '/crm/data';

      

  3. (暗号化のための手順) 構築済みアプリケーションの所有者ユーザーのデフォルト・テーブル空間として、暗号化テーブル空間を設定します。

    ALTER USER crm_admin SET default_tablespace = 'crm_tablespace';
    ALTER USER crm_admin SET temp_tablespaces = 'crm_tablespace';

      

  4. (通常の手順) 構築済みアプリケーションのインストールを実行します。アプリケーションのインストーラは、データベースサーバのホスト名とポート番号、ユーザー名とデータベース名の入力を求めます。インストーラは入力された情報を使ってデータベースサーバに接続し、SQLスクリプトを実行します。インストーラがないアプリケーションでは、データベース管理者がSQLスクリプトを手動で実行します。

      

通常、アプリケーションのSQLスクリプトは、ER図から変換されたCREATE TABLEやCREATE INDEX、GRANT/REVOKEなどの論理定義のSQL文を含んでいます。データベースやユーザー、テーブル空間を作成するSQL文は含みません。そのSQLスクリプトを実行するユーザーのデフォルトのテーブル空間を設定しておくことで、SQLスクリプトが生成するオブジェクトはそのテーブル空間に配置されます。