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Enterprise Postgres 9.5 導入ガイド(サーバ編)
FUJITSU Software

付録D 設定パラメータ

WebAdminは、以下の設定ファイルに記述された内容に従ってデータベースを運用・管理します。

これらの設定ファイルは、WebAdminによるインスタンス作成時および設定内容を変更したときに情報が書き込まれ、データ格納先に配置されます。そして、インスタンスの起動時、または[設定]メニューから各情報を表示した場合に、読み込まれます。

各設定ファイルの内容は、テキストエディタで直接編集もできます。

参照

パラメータの詳細については、“PostgreSQL文書”の“サーバの管理”の“サーバの設定”および“クライアント認証”を参照してください。

postgresql.confについて

WebAdminで変更できるパラメータ

WebAdminで変更できるpostgresql.confのパラメータを以下に示します。

タブ名

WebAdminでの項目名

パラメータ

文字コード

文字コードの変換

client_encoding

メッセージロケール

lc_messages

通信

ポート番号

port

最大接続数

max_connections

SQLオプション

NULL値の解釈

transform_null_equals

DATE型の出力形式

DateStyle (注)

INTERVAL型の出力形式

IntervalStyle

浮動小数点値の検索結果の精度

extra_float_digits

トランザクションのISOLATIONレベル

default_transaction_isolation

通貨の表現形式

lc_monetary

日時の表現形式

lc_time

数値の表現形式

lc_numeric

使用メモリ

ソート処理に使用するメモリ量(単位:KB)

work_mem

データベースのバッファサイズ(単位:MB)

shared_buffers

レプリケーション

WALレベル

wal_level

WALの最大送信者数

max_wal_senders

WALの保存セグメント

wal_keep_segments

ホットスタンバイ

hot_standby

同期スタンバイ名

synchronous_standby_names

注) 出力書式指定に“Postgres”を指定した場合、PostgreSQL文書に記載してある“Wed Dec 17 1997”という形式ではなく、“12-17-1997”という形式で出力されます。

参考

  • 以下の式で最大接続数を計算します。

    最大接続数 = <アプリケーションからの最大接続数> + 3 (*1)

    *1:システムに必要な接続数の初期値は3です。
    postgresql.confでmax_wal_senders(ストリーミングレプリケーションを使って)またはsuperuser_reserved_connections(スーパーユーザー用の接続)を変更する際は、以下の式を使って最大接続数を計算します。

    最大接続数 = <アプリケーションからの最大接続数> + superuser_reserved_connections + max_wal_senders
  • 使用メモリがインストールされたメモリを超えているかどうかも確認します(“WebAdminがメモリ量に応じて自動的に設定しているパラメータ”を参照)。

  • “データベースのバッファサイズ(単位:KB)”または“最大接続数”を修正する際は、kernelパラメタを編集します。詳細は、“付録J カーネルパラメータの設定”および“PostgreSQL文書”の“サーバの管理”の“カーネルリソースの管理”を参照してください。


WebAdminが設定しているパラメータ

WebAdminがインスタンス起動時に設定しているパラメータを以下に示します。

これらのパラメータはpostgresql.confに指定しても有効になりません。

パラメータ名

設定値

listen_addresses

*

log_destination

'stderr,syslog'

logging_collector

on

log_line_prefix

'%e: %t [%p]: [%l-1] user = %u,db = %d,remote = %r app = %a '

log_directory

'/var/tmp/fsep_バージョン/インスタンス管理者名_インスタンス名/log'

log_filename (注1)(注2)

'logfile-%a.log'

log_file_mode

0600

log_truncate_on_rotation

on

log_rotation_age

1d

注1) サーバログは曜日ごとのファイルに分割され1週間でローテションされます。

注2) インスタンス停止中に日付が変わると、古いログが削除されず残存します。
     ディスク容量を圧迫する原因になるため、不要な古いログを手動で削除してください。


WebAdminがメモリ量に応じて自動的に設定しているパラメータ

WebAdminがインスタンス作成時にマシンの搭載メモリ量に応じて自動的に設定しているpostgresql.confのパラメータを以下に示します。

パラメータ名

設定値

shared_buffers

マシンの搭載メモリ量の30% (注1)

work_mem

マシンの搭載メモリ量の30% ÷ max_connections ÷ 2 (注2)

effective_cache_size

マシンの搭載メモリ量の75% (注3)

maintenance_work_mem

マシンの搭載メモリ量の10% ÷ (1 + autovacuum_max_workers) (注4)

注1) この値が2097151MBを超える場合、2097151MBが設定されます。

注2) この値が2147483646KBを超える場合、2147483646KBが設定されます。

注3) この値が2147483647KBを超える場合、2147483647KBが設定されます。

注4) この値が2097151MBを超える場合、2097151MBが設定されます。

上記のパラメータに設定する値は、インスタンスにアクセスするアプリケーションやコマンドの数、処理内容など、業務運用中のアクセス量の増加や性能への影響を予測して決める必要があります。また、実際のデータベースサーバでは、FUJITSU Enterprise Postgres以外の他のソフトウェアも稼働している場合があり、データベースと他のソフトウェアとの優先度やメモリの分配量を決める必要があります。

WebAdminは、上記のような難しいパラメータの設定を、マシンの搭載メモリ量を基準にして自動的に設定しています。これにより、マシンの持つメモリを最大限に活用して業務運用中の変動にも耐えられるようにしています。

したがって、他のソフトウェアや別のインスタンスとメモリ資源を効果的に分配し、互いに影響しあわないようにするためには、上述の影響を予測してパラメータの設定値を決めた上で、設定を行うようにしてください。パラメータの設定値と必要な考慮事項は、“PostgreSQL文書“の“サーバの管理”の“資源の消費”の“メモリ”、および、“問い合わせ計画”の“プランナコスト定数”を参照してください。

パラメータの設定値の変更は、WebAdminの[設定]メニューまたはテキストエディタで直接編集することにより実施してください。

なお、インスタンスを追加する場合は、既存のインスタンスも含め、パラメータの設定値を決定して変更してください。

参照

変更するパラメータによっては、カーネルパラメータのチューニングが必要になります。カーネルパラメータのチューニングの詳細については、“付録J カーネルパラメータの設定”および“PostgreSQL文書”の“サーバの管理”の“カーネルリソースの管理”を参照してください。

注意

  • postgresql.confの以下のパラメータはテキストエディタで直接編集しないでください。誤って編集した場合、WebAdminが正しく動作しません。

    • port

    • archive_mode

    • archive_command

    • wal_level

    • log_line_prefix

    • log_destination

    • logging_collector

    • log_directory

    • log_file_mode

    • log_filename

    • log_truncate_on_rotation

    • log_rotation_age

    • backup_destination

  • 以下のパラメータについて注意が必要です。

    • superuser_reserved_connections

      WebAdminで必要な接続数3を含めた接続数を設定してください。デフォルトは3です。

WebAdminが自動設定するストリーミングレプリケーション用パラメータ

postgresql.confパラメータは、ストリーミングレプリケーションスタンバイが作成されると以下のように自動的に設定されます。これらの変更はマスタおよびスタンバイインスタンスの両方で行われます。

パラメータ

wal_level(*1)

hot_standby

max_wal_senders(*1)

5

hot_standby

on

*1:マスターおよびスタンバイインスタンスが同時に作成された場合のみ設定される値です。スタンバイインスタンスのみを作成する場合は、スタンバイインスタンスを作成する前にこれらの値を設定する必要があります。

参照

レプリケーションの性能と信頼性に従って、ストリーミングレプリケーションパラメータを調整する必要があります。ストリーミングレプリケーションパラメータ調整の詳細は、“PostgreSQL文書”の“サーバの管理”の“ログシッピングスタンバイサーバ”を参照してください。

pg_hba.confについて

pg_hba.confに設定できる内容は、“PostgreSQL文書”の“サーバの管理”の“クライアント認証”を参照してください。

注意

  • 接続形式“local”の設定で、インスタンス管理者を許可する設定にしてください。設定されていない場合、WebAdminが正しく動作しません。

  • pg_hba.confファイルをテキストエディタで編集した場合に、WebAdminで設定できない項目および値を指定すると、その行はWebAdminから参照できなくなります。