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Interstage Service Integrator V9.6.1 解説書
FUJITSU Software

6.8.1 文字コード変換

文字コード変換は、データを作成したコンピュータのOSによる文字コードの相違を解消させる機能です。
フォーマット変換は、入出力ともに同一の文字コード(シフトJIS、EUC、UTF-8/UCS-2、UTF-8/UTF-16、UTF-8/UTF-32)で行うことが前提です。したがって、入出力データの文字コードが異なっている場合には、フォーマット変換の前後どちらかで文字コード変換を実施しておく必要があります。

フォーマット形式

文字コード変換できるデータは、属性を意識しながら変換するため、Formatmanagerクライアントに登録されているフォーマットに限ります。

登録方法

[運用情報登録(文字コード変換)]画面で、以下の内容を設定します。

設定方法の詳細は、“ISI Formatmanagerクライアント(FEDIT/FL-TABLE)ヘルプ”、および“ISI Formatmanagerクライアント(FEDIT/FL-TABLE)チュートリアル”を参照してください。

字コード変換のパターン

文字コード変換できるパターンは以下のとおりです。文字コード変換が可能な文字コード系の組み合わせは、文字コード変換ルールにより異なります。文字コード変換ルールは、FEDITシステムパラメタ定義ファイルの“CharCodeConversionRule”で指定します。FEDITシステムパラメタ定義ファイルについては、“ISI 導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更” または“ISI Java EE導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更”を参照してください。

以下に各文字コード変換ルールで使用できる文字コードの組み合わせを「○」「×」で示します。

表6.33 文字コード変換のパターン

入力データの文字コード

出力データの文字コード

文字コード変換ルール

1バイト系

2バイト系

1バイト系

2バイト系

MODE1

MODE2

MODE3

JIS8

シフトJIS

JIS7

EUC

EBCDICカナ

JEF

EBCDIC ASCII

JEF

EBCDICカナ

dbcs90

EBCDIC ASCII

dbcs90

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

EBCDICカナ

KEIS

×

EBCDICカナ

JIPS(E) 領域重視

×

EBCDICカナ

JIPS(E) 字形重視

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

JIS7

EUC

JIS8

シフトJIS

EBCDICカナ

JEF

EBCDIC ASCII

JEF

EBCDICカナ

dbcs90

EBCDIC ASCII

dbcs90

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

EBCDICカナ

KEIS

×

EBCDICカナ

JIPS(E) 領域重視

×

EBCDICカナ

JIPS(E) 字形重視

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

EBCDICカナ

JEF

JIS8

シフトJIS

JIS7

EUC

EBCDIC ASCII

JEF

×

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

EBCDIC ASCII

JEF

JIS8

シフトJIS

JIS7

EUC

EBCDICカナ

JEF

×

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

EBCDICカナ

dbcs90

JIS8

シフトJIS

JIS7

EUC

EBCDIC ASCII

dbcs90

JIS8

シフトJIS

JIS7

EUC

JIS (7単位半角カナ)

JIS

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

UNICODE(UCS-2BE)

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

EBCDICカナ

KEIS

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JIPS(E) 領域重視

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JIPS(E) 字形重視

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

UNICODE(UCS-2BE)

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JEF

×

EBCDIC ASCII

JEF

×

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

UNICODE(UCS-2LE)

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JEF

×

EBCDIC ASCII

JEF

×

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

UNICODE(UTF-16BE)

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JEF

×

EBCDIC ASCII

JEF

×

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

UTF-8(4バイト)

×

×

UTF-16BE

×

×

UTF-16LE

×

×

UTF-32BE

×

×

UTF-32LE

×

×

UNICODE(UTF-16LE)

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JEF

×

EBCDIC ASCII

JEF

×

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

UTF-8(4バイト)

×

×

UTF-16BE

×

×

UTF-16LE

×

×

UTF-32BE

×

×

UTF-32LE

×

×

UNICODE(UTF-32BE)

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JEF

×

EBCDIC ASCII

JEF

×

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

UTF-8(4バイト)

×

×

UTF-16BE

×

×

UTF-16LE

×

×

UTF-32BE

×

×

UTF-32LE

×

×

UNICODE(UTF-32LE)

JIS8

シフトJIS

×

JIS7

EUC

×

EBCDICカナ

JEF

×

EBCDIC ASCII

JEF

×

JIS (7単位半角カナ)

JIS

×

JIS (8単位半角カナ)

JIS

×

JIS (ESCで切換え)

JIS

×

UTF-8(4バイト)

×

×

UTF-16BE

×

×

UTF-16LE

×

×

UTF-32BE

×

×

UTF-32LE

×

×

UTF-8(4バイト)

UNICODE(UCS-2BE)

×

×

UNICODE(UCS-2LE)

×

×

UNICODE(UTF-16BE)

×

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

×

UTF-16BE

UNICODE(UTF-16BE)

×

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

×

UTF-16LE

UNICODE(UTF-16BE)

×

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

×

UTF-32BE

UNICODE(UTF-16BE)

×

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

×

UTF-32LE

UNICODE(UTF-16BE)

×

×

UNICODE(UTF-16LE)

×

×

UNICODE(UTF-32BE)

×

×

UNICODE(UTF-32LE)

×

×

注意

  • FEDITシステムパラメタ定義ファイルのIdentifyRecordMode定義文に互換モード(COMPATIBLE1またはCOMPATIBLE2)を指定している場合、伝票形式フォーマットの文字コード変換においてエンコーディングが混在しないUnicode系文字コード(UTF-8(4バイト)、UTF-16BE、UTF-16LE、UTF-32BE、UTF-32LE)は使用できません。

文字コード変換の対象となる属性と処理内容

文字コード変換において、各属性は以下のように処理されます。

表6.34 文字コード変換の対象となる属性と処理内容

属性

処理内容

X属性(注)

文字コード変換を行います。
制御コードも変換対象です。
以下の文字が入力された場合は、ワーニングを出力し代替文字に置き換わります。置き換わる文字については“代替文字について”を参照してください。

  • EBCDIC/カナに英小文字

  • EBCDIC/ASCIIにカナ文字

  • 文字コード変換できない文字

K属性(注)

文字コード変換を行います。
制御コードも変換対象です。
2バイト文字以外が入力された場合は、ワーニングを出力し、代替文字に置き換えます。置き換わる文字については、“代替文字について”を参照してください。

B属性

文字コード変換を行いません。入力データをそのまま複写するか、またはエンディアン交換を行って複写します。

H属性

文字コード変換を行いません。入力データをそのまま複写します。

N属性

文字コード変換を行います。
“0”~“9”、“+”、“-”、“.”以外の不適切な文字を検出した場合には、ワーニングを出力し、空白に置き換えます。

9属性

文字コード変換を行います。変換先の符号を示す部分には、文字コードがシフトJIS/EUCの場合は、FEDITシステムパラメタ定義ファイルの指定に従った値が出力されます。EBCDICの場合は、プラスコード(0xC)、マイナスコード(0xD)、符号なし(0xF)が出力されます。
数値を示す部分に[0-9]以外の不適切な文字を検出した場合には、ワーニングを出力し、“0”に置き換えます。
符号を示す部分に不適切な文字を検出した場合には、ワーニングを出力し、属性によって符号なし、またはプラスコードに置き換えます。

FEDITシステムパラメタ定義ファイルについては、“ISI 導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更” または“ISI Java EE導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更”を参照してください。

C属性

文字コード変換を行います。
“0”~“9”、“+”、“-”、“.”、“,”以外の不適切な文字を検出した場合には、ワーニングを出力し、空白に置き換えます。

P属性

文字コード変換を行いません。数値を示す部分の入力データをそのまま複写します。変換先の符号を示す部分には、文字コードがシフトJIS/EUCの場合は、FEDITシステムパラメタ定義ファイルの指定に従った値が出力されます。EBCDICの場合は、プラスコード(0xC)、マイナスコード(0xD)、符号なし(0xF)が出力されます。
数値を示す部分に0x0~0x9以外の不適切なコードを検出した場合には、ワーニングを出力し、0x0に置き換えます。
符号を示す部分に不適切な文字を検出した場合には、ワーニングを出力し、属性によって符号なし、またはプラスコードに置き換えます。

FEDITシステムパラメタ定義ファイルについては、“ISI 導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更” または“ISI Java EE導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更”を参照してください。

(注) 半角全角が混在している項目には、X属性を指定してください。

エンコーディングが混在するUnicode系文字コードでの各属性の文字コード

エンコーディングが混在するUnicode系文字コードで各属性に適用される文字コードは以下のとおりです。

表6.35 エンコーディングが混在するUnicodeの適用範囲

属性

UNICODE(UCS-2BE)

UNICODE(UCS-2LE)

UNICODE(UTF-16BE)

UNICODE(UTF-16LE)

UNICODE(UTF-32BE)

UNICODE(UTF-32LE)

備考

X属性

UTF-8(3バイト)(注3)

UTF-8(3バイト)

UTF-8(4バイト)(注4)

UTF-8(4バイト)

UTF-8(4バイト)(注4)

UTF-8(4バイト)

  

K属性

UCS-2BE

UCS-2LE

UTF-16BE

UTF-16LE

UTF-32BE(注5)

UTF-32LE(注5)

ASCII範囲内を除く(注1)

B属性

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

  

H属性

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

  

N属性

UTF-8(3バイト)(注2)

UTF-8(3バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

  

9属性

UTF-8(3バイト)(注2)

UTF-8(3バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

符号部はASCII系(カスタマイズ可)

C属性

UTF-8(3バイト)(注2)

UTF-8(3バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

UTF-8(4バイト)(注2)

  

P属性

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

符号部はASCII系(カスタマイズ可)

(注1)ASCII系(0x00~0x7f)のコードが指定されていた場合は、変換不当となります。
(注2)使用可能な文字の範囲が限られているので、ASCII系(0x00~0x7f)と同等のコードになります。
(注3)“UTF-8(3バイト)”は1~3バイトで表現されるUCS-2の範囲のUTF-8を示します。
(注4)“UTF-8(4バイト)”は1~4バイトで表現されるUCS-4の範囲のUTF-8を示します。
(注5)UNICODE(UTF-32BE)またはUNICODE(UTF-32LE)を使用する場合、K属性項目の項目長は4の倍数桁にする必要があります。

エンコーディングが混在しないUnicode系文字コードでの各属性の文字コード

エンコーディングが混在しないUnicode系文字コードで各属性に適用される文字コードは以下のとおりです。

表6.36 エンコーディングが混在しないUnicodeの適用範囲

属性

UTF-8(4バイト)

UTF-16BE

UTF-16LE

UTF-32BE

UTF-32LE

備考

X属性

UTF-8(4バイト)
(注1)

UTF-16BE
(注4)

UTF-16LE
(注4)

UTF-32BE
(注5)

UTF-32LE
(注5)

  

K属性

UTF-8(4バイト)

UTF-16BE
(注4)

UTF-16LE
(注4)

UTF-32BE
(注5)

UTF-32LE
(注5)

ASCII範囲内を除く(注2)

B属性

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

  

H属性

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

  

N属性

UTF-8(4バイト)
(注3)

UTF-16BE
(注3)(注4)

UTF-16LE
(注3)(注4)

UTF-32BE
(注3)(注5)

UTF-32LE
(注3)(注5)

  

9属性

UTF-8(4バイト)
(注3)

UTF-16BE
(注3)(注4)

UTF-16LE
(注3)(注4)

UTF-32BE
(注3)(注5)

UTF-32LE
(注3)(注5)

符号部はASCII系(カスタマイズ可)

C属性

UTF-8(4バイト)
(注3)

UTF-16BE
(注3)(注4)

UTF-16LE
(注3)(注4)

UTF-32BE
(注3)(注5)

UTF-32LE
(注3)(注5)

  

P属性

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

バイナリ

符号部はASCII系(カスタマイズ可)

(注1)“UTF-8(4バイト)”は1~4バイトで表現されるUCS-4の範囲のUTF-8を示します。
(注2)ASCII系(0x00~0x7f)のコードが指定されていた場合は、変換不当となります。
(注3)使用可能な文字の範囲が限られているので、ASCII系(0x00~0x7f)と同等のコード範囲になります。
(注4)UTF-16BEまたはUTF-16LEを使用する場合、項目長は2の倍数桁にする必要があります。
(注5)UTF-32BEまたはUTF-32LEを使用する場合、項目長は4の倍数桁にする必要があります。

変換先と変換元の文字コードが同一な場合の処理内容

変換先と変換元の文字コードに、エンコーディングが混在するUnicodeとエンコーディングが混在しないUnicodeの組み合わせを指定している場合、属性によって適用される文字コードが変換元と変換先で同一になる場合があります。
変換元と変換先で適用される文字コードが同一な場合、以下のように処理されます。

表6.37 各属性と処理内容

属性

処理内容

X属性

文字コード変換を行いません。入力データをそのまま複写します。

K属性

文字コード変換を行いません。入力データをそのまま複写します。

B属性

文字コード変換を行いません。
詳細は“文字コード変換の対象となる属性と処理内容”を参照してください。

H属性

文字コード変換を行いません。
詳細は“文字コード変換の対象となる属性と処理内容”を参照してください。

N属性

文字コード変換を行います。
詳細は“文字コード変換の対象となる属性と処理内容”を参照してください。

9属性

文字コード変換を行います。
詳細は“文字コード変換の対象となる属性と処理内容”を参照してください。

C属性

文字コード変換を行います。
詳細は“文字コード変換の対象となる属性と処理内容”を参照してください。

P属性

文字コード変換を行いません。
詳細は“文字コード変換の対象となる属性と処理内容”を参照してください。

文字コード変換時の桁あふれについて

シフトJISの半角カナをEUCに変換した場合に、変換前のデータ長が変換後のデータ長の2倍になったり、JEFやdbcs90で制御文字(シフトインコード/シフトアウトコードなど)が付加されたりして、文字コード変換後のデータが、定義された項目のバイト数(桁数)を超える場合(桁あふれ)があります。文字コード変換のパターンを考慮し、桁あふれが発生しないサイズを一般フォーマットの拡張桁数に設定して、文字コード変換する必要があります。
なお、桁あふれが起きた場合、Formatmanagerではワーニングを出力し、定義された項目のバイト数分値をセットして、以降のデータを切り捨てます。

桁あふれが発生した場合の処理の詳細は、以下のとおりです。

(注1) UTF-32では、以下のデータを空白として扱います。

エンディアン

文字の位置

末尾の文字の長さ

空白として扱うデータ

ビッグエンディアン

末尾

1バイト

{0x00}

2バイト

{0x00, 0x00}

3バイト

{0x00, 0x00, 0x00}

4バイト

{0x00, 0x00, 0x30, 0x00}

末尾以外

{0x00, 0x00, 0x30, 0x00}

リトルエンディアン

末尾

1バイト

{0x00}

2バイト

{0x00, 0x00}

3バイト

{0x00, 0x00, 0x00}

4バイト

{0x00, 0x30, 0x00, 0x00}

末尾以外

{0x00, 0x30, 0x00, 0x00}

末尾の文字の長さが4バイト未満の場合、すべてのバイトが最終詰め文字(0x00)のデータを空白として扱います。

JEFの漢字シフトインコードについて

変換先がJEFの場合、漢字シフトインコードは、常に0x28となります。変換先項目がX属性の場合には、必要に応じて漢字シフトコードを付加します。変換先項目がK属性の場合には、漢字シフトコードは付加しません。
変換元がJEFの場合、漢字シフトインコードは、0x28/0x38のどちらでもかまいません (dbcs90では0x0eだけなので問題ありません)。変換元項目がX属性の場合には、漢字シフトコードが含まれていることを前提に処理します。漢字シフトコードが含まれていないと結果は不定です。変換元項目がK属性の場合には、漢字シフトコードが含まれていないことを前提に処理します。漢字シフトコードが含まれていると結果は不定です。

文字コード変換モジュール

文字コード変換機能は、内蔵している「標準コード変換」(iconv)を使用しており、その仕様に従います。また、Formatmanagerの動作するマシンにInterstage Charset Managerがインストールされていて、かつFEDITシステムパラメタ定義ファイルのUseCharsetManager定義文に“TRUE”が指定されている場合には、そちらの標準コード変換が使用されます。Charset Manager 6.0/V6.0L10以降の標準コード変換に対応しています。なお、Formatmanagerの動作するマシンにInterstage Charset Managerがインストールされていない場合は、文字コード変換表が使用できないため、規定されたコード範囲外の文字(外字)の変換はできません。標準コード変換の詳細は、Interstage Charset Managerのマニュアルを参照してください。また、FEDITシステムパラメタ定義ファイルについては、“ISI 導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更” または“ISI Java EE導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更”を参照してください。

標準コード変換におけるコード変換仕様は、環境変数ICONV_CONVERT_TYPEの指定に従います。dbcs90・KEIS・JIPS(E)とEUCとの変換におけるEUCコードの種別は、標準コード変換における“S90”相当に固定です。また、dbcs90・KEIS・JIPS(E)とシフトJISとの変換におけるシフトJISコードの種別は、標準コード変換における“SJISMS”相当に固定です。

本バージョンからの標準コード変換を使用した変換規則と、従来バージョンのFormatmanager独自の変換規則は異なります。異なる点を、以下に示します。

[標準コード変換とFormatmanager独自変換規則の違い]

これらの変換規則を切り換えたい場合は、FEDITシステムパラメタ定義ファイルで変更することができます(デフォルトは標準コード変換です)。FEDITシステムパラメタ定義ファイルについては、“ISI 導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更” または“ISI Java EE導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更”を参照してください。

代替文字について

文字コード変換できない文字が入力された場合の置き換え文字については、“表6.38 文字コード変換ルールにおける代替文字”を参照してください。FEDITシステムパラメタ定義ファイルのCharCodeConversionRule定義文に定義した値により動作が異なります。FEDITシステムパラメタ定義ファイルについては、“ISI 導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更” または“ISI Java EE導入ガイド”の“FEDITシステムパラメタ定義ファイルの変更”を参照してください。

表6.38 文字コード変換ルールにおける代替文字

  

CharCodeConversionRule にCOMPATIBLE または MODE1を指定した場合

CharCodeConversionRule にSTANDARD または MODE2を指定した場合

CharCodeConversionRule にMODE3を指定した場合

X属性項目の代替文字

半角空白または全角空白

標準コード変換のデフォルト動作(半角アンダースコアまたは全角アンダースコア)

半角アンダースコアまたは全角アンダースコア

K属性項目の代替文字

全角空白

全角空白

全角アンダースコア

混在フォーマットの文字コード変換

1つの入力ファイルに複数のフォーマットが混在するデータ(混在フォーマット)も文字コード変換ができます。混在フォーマットの文字コード変換では、入力データを異なる一般フォーマットが複数連なっている形式として扱い、それぞれの一般フォーマットに対して、文字コード変換を行います。そのため、入力レコードと出力レコードは文字コードが異なるだけで、出現順序は同じになります。
各レコードには、それぞれのレコードを識別する“識別子”を定義します。その識別子の値に応じて一般フォーマットが識別され、文字コード変換が行われます。

図6.45 混在フォーマット 文字コード変換の例

混在フォーマットの文字コード変換は、[混在フォーマット 文字コード変換]画面で、各レコードの識別子を定義して混在フォーマットIDを定義し、[運用登録]画面で混在フォーマットIDを指定することで実行することができます。

文字種ポリシーチェック

システムによっては、使用している文字コードの中でも、さらに使用できる文字の範囲を限定したい場合があります。例えば、「Unicodeでシステムを運用しているが、半角カナは使用不可とする」といった場合です。Formatmanagerの文字コード変換では、Interstage Charset Manager V8.2.0以降のCharset Validator機能を使用して、あらかじめ定義されたバリデーションポリシーに違反した文字を遮断できます。文字種ポリシーチェックは文字コードの変換のタイミングで行います。

文字種ポリシーチェック機能の利用に必要な定義や操作を、以下に示します。

[文字種ポリシーチェック機能の利用]

ポイント

  • 文字種ポリシーチェック機能は、X属性、またはK属性の項目に対してだけ実行できます。

  • バリデーションポリシー違反を検出した場合、処理を中断するか、代替文字に置き換えて処理を続行するかを選択できます。

  • シフトコードを持つ文字コード系をチェックすることはできません。

  • 文字種ポリシーチェック機能は、文字コード変換ルールが標準コード変換、または高速コード変換時だけ実行できます。