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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.4 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

B.3.5 クラスタシステムによる設定例(相互待機)

以下のネットワーク構成における環境設定例を示します。

図のIPアドレスにおけるxxはアドレス自動構成により自動採番されることを表します。

GLS以外のネットワークの設定については、“3.2.2 ネットワークの設定”を参照してください。
クラスタシステムの設定については、クラスタシステムのマニュアルを参照してください。
なお、ここでは系間パスの記述は省略してあります。
また、点線は、インタフェースが非活性状態であることを表します。
クラスタシステムを構成するノード以外に、高速切替方式を使用する通信相手ホストが1台以上必要です。通信相手ホストの設定は、“B.3.1 シングルシステムによる設定例”等を参照のうえ行ってください。

[HOST-Aの設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。ただし、アドレス自動構成により自動採番されるIPv6アドレスは定義する必要はありません。

192.168.70.1    host11   # HOST-Aの物理IPアドレス
192.168.71.1    host12   # HOST-Aの物理IPアドレス
192.168.80.1    hosta    # HOST-Aの仮想IPアドレス
192.168.70.2    host21   # HOST-Bの物理IPアドレス
192.168.71.2    host22   # HOST-Bの物理IPアドレス
192.168.80.2    hostb    # HOST-Bの仮想IPアドレス
192.168.80.10   hosta1   # HOST-A/Bの引継ぎ仮想IPアドレス
192.168.80.20   hostb1   # HOST-A/Bの引継ぎ仮想IPアドレス
fec0:1::10      v6hosta1 # HOST-A/Bの引継ぎ仮想IPアドレス
fec0:1::20      v6hostb1 # HOST-A/Bの引継ぎ仮想IPアドレス

1-2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1)ファイルを以下のように設定します。

1-3) /etc/sysconfig/networkファイルに、IPv6のモジュールをロードさせる設定を記述します。

NETWORKING=yes
NETWORKING_IPV6=yes
IPV6TO4INIT=no

2) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、eth0およびeth1がIPv4/IPv6インタフェースとして活性化されていることを、ifconfigコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

3) サブネットマスクの設定

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask create -i 192.168.80.0 -m 255.255.255.0

4) 仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m t -i 192.168.80.1 -t eth0,eth1
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m t -t eth0,eth1

5) 引継ぎ仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i 192.168.80.10,fec0:1::10/64
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i 192.168.80.20,fec0:1::20/64

6) IPv6ルータの設定

/etc/radvd.confファイルを作成し、以下の設定を行います。

interface sha0
{
        AdvSendAdvert on;          # ルータ広報を送信
        MinRtrAdvInterval 3;
        MaxRtrAdvInterval 10;
        prefix fec0:1::0/64        # sha0からPrefix fec0:1::0/64を送信
        {
                AdvOnLink on;
                AdvAutonomous on;
                AdvRouterAddr on;
        };
};

注意

高速切替方式が動作するサーバにおいて、2台以上をIPv6ルータとして設定してください。IPv6ルータの故障が発生した場合、サイトローカルアドレスを使用した通信が行えなくなるため、最低でも2台をIPv6ルータとして設定することを推奨します。
radvdのバージョンによっては、カーネルパラメータの設定(net.ipv6.conf.all.forwarding=1)を/etc/sysctl.confに記述する必要があります。
詳細については、radvd.conf(5)、radvd(8)のマニュアルを参照してください。

7) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。

/sbin/shutdown -r now

[HOST-Bの設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。定義内容はHOST-Aと同じです。

1-2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1)ファイルを以下のように設定します。

1-3) /etc/sysconfig/networkファイルに、IPv6のモジュールをロードさせる設定を記述します。

NETWORKING=yes
NETWORKING_IPV6=yes
IPV6TO4INIT=no

2) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、eth0およびeth1がIPv4/IPv6インタフェースとして活性化されていることを、ifconfigコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

3) サブネットマスクの設定

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask create -i 192.168.80.0 -m 255.255.255.0

4) 仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m t -i 192.168.80.2 -t eth0,eth1
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m t -t eth0,eth1

5) 引継ぎ仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i 192.168.80.10,fec0:1::10/64
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i 192.168.80.20,fec0:1::20/64

6) IPv6ルータの設定

/etc/radvd.confファイルを作成し、以下の設定を行います。

interface sha0
{
        AdvSendAdvert on;          # ルータ広報を送信
        MinRtrAdvInterval 3;
        MaxRtrAdvInterval 10;
        prefix fec0:1::0/64        # sha0からPrefix fec0:1::0/64を送信
        {
                AdvOnLink on;
                AdvAutonomous on;
                AdvRouterAddr on;
        };
};

7) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。

/sbin/shutdown -r now

[RMS Wizardでの設定]

1) クラスタ環境設定

HOST-AおよびHOST-Bの設定が完了した後、作成した引継ぎ仮想インタフェースを、Glsリソースとして登録し、クラスタアプリケーションを作成します。クラスタ環境設定は、RMS Wizardを使用して実施します。詳細については、マニュアル“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

2) クラスタアプリケーションの起動

クラスタ環境設定が完了した後、クラスタアプリケーションを起動することにより、運用ノードで引継ぎ仮想インタフェースが活性化されます。