ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF Storage Cruiser 16.3 / AdvancedCopy Manager 16.3 運用ガイド VMware vSphere Virtual Volumes編
FUJITSU Storage

2.1.2 ポリシー設計

VMware vSphere Virtual Volumes環境では、仮想マシンの運用目的に応じて、ストレージ利用者がポリシーでストレージを制御できます。

ポリシーの内容に従って、仮想マシンを配置するVVOLデータストアが選択され、作成される仮想マシンやVirtual Volumeが設定されます。

参考

VMware vSphere Virtual Volumesでは、ストレージに関するポリシーを“仮想マシンストレージポリシー”と呼びます。

ストレージ管理者は、ストレージ利用者がポリシーで以下の機能を制御できるように、ストレージを設計してください。

ポイント

「拡張」と記載されている機能を使用する場合は、ストレージや機能の仕組みを理解しておく必要があります。
ストレージ利用者が「拡張」と記載されている機能を意識せずに仮想マシンを運用できるようにするには、ストレージ管理者が、運用目的ごとにVVOLデータストアを作成して、運用目的に応じた名前を付けてください。ストレージ利用者が、運用目的に応じて名前でVVOLデータストアを選択する運用をお勧めします。

参照

ストレージ利用者の操作は、「3.3 ポリシーの操作」を参照してください。

2.1.2.1 仮想マシンバックアップ

仮想マシンバックアップのポリシーについて説明します。

VVOLデータストアに作成した仮想マシンのバックアップに関するポリシーです。

仮想マシンバックアップのポリシーは、Virtual Volume単位でなく仮想マシン単位で設定します。ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。

表2.1 仮想マシンバックアップのポリシー

項目

説明

動作モード

仮想マシンバックアップ機能の動作方法を指定する動作モードです。

実行周期

バックアップの自動実行を実施する間隔です。

実行間隔(Hour)

[実行周期]に"Hourly"を指定した場合に、バックアップの自動実行を実施する間隔です。

実行曜日(Week)

[実行周期]に"Weekly"を指定した場合に、バックアップの自動実行を実施する曜日です。

実行日(Day)

[実行周期]に"Monthly"を指定した場合に、バックアップの自動実行を実施する日です。

実行開始時刻(Hour)

バックアップの自動実行を開始する時刻(時)です。

実行開始時刻(Minute)

バックアップの自動実行を開始する時刻(分)です。

スナップショットバックアップ世代数

スナップショットバックアップの保存世代数です。

静止ゲストファイルシステム

バックアップ時にファイルシステムの内容を整合性のある状態にするかどうかの設定です。

仮想メモリスナップショット

スナップショットバックアップ取得時に、メモリの内容を含めるかどうかの設定です。

クローンバックアップの取得

クローンバックアップを取得するかどうかの設定です。

参照

ストレージシステムの設計

仮想マシンバックアップに必要なストレージシステムの設計について説明します。

ETERNUS ディスクアレイ

仮想マシンバックアップ機能を利用する場合は、仮想マシンおよび仮想マシンに接続するVirtual Volumeを作成するETERNUS ディスクアレイに「ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Standard Edition ライセンスパック」を登録します。
1つの仮想マシンに複数のETERNUS ディスクアレイのVirtual Volumeが接続されている場合、すべてのETERNUS ディスクアレイに上記のライセンスが必要です。

仮想マシン(接続ディスク構成)

バックアップは、仮想マシン単位で行います。バックアップの対象は、仮想マシンを構成する仮想ディスクです。

以下の条件があります。

  • 仮想マシンの構成情報を格納するデータストア(仮想マシン作成時に選択するデータストア)は、VVOLデータストアであること

  • 仮想マシンを構成する仮想ディスクは、すべてVirtual Volumeであること

    注意

    • Virtual Volume以外の仮想ディスクの場合、種類・設定によりバックアップ/リストアの対象になりません。

      詳細は、以下の表を参照してください。

      表2.2 Virtual Volume以外の動作

      スナップショットバックアップ、スナップショットバックアップからのリストア

      クローンバックアップ、クローンバックアップからのリストア

      ファイル単位のリストア

      Virtual Volume

      VMFS

      ×

      ×

      RDM(互換モード: 仮想)

      ×

      ×

      RDM(互換モード: 物理)

      ×

      ×

      ×

      ○: バックアップ/リストアの対象
      ×: バックアップ/リストアの対象外

    • 独立型(通常/読取り専用)モードの場合、バックアップ/リストアの対象になりません。

    • クローンバックアップからのリストアにおいて、バックアップ/リストア対象外の仮想ディスクの接続構成は復元されません。必要に応じて、VMware vCenter Serverから再接続してください。

スナップショットバックアップ用のボリューム

スナップショットバックアップを取得する際の、バックアップ先となるボリュームです。
スナップショットバックアップの取得時に、バックアップ元のVirtual Volumeと同じVVOLデータストアに自動的に生成されます。

ポイント

VVOLデータストアに必要な空き容量は、スナップショットバックアップを行ってから次のスナップショットバックアップまでの更新データ量です。N世代のスナップショットバックアップを行う場合は、N世代のスナップショットバックアップを行うまでにバックアップ元Virtual Volumeに対して更新されるデータ量が、VVOLデータストアに必要な容量です。

クローンバックアップ用VVOLデータストア

クローンバックアップ用のVVOLデータストアです。
クローンバックアップを取得する場合は、事前にクローンバックアップ用VVOLデータストアをETERNUS ディスクアレイに1つ作成します。クローンバックアップの取得を有効にするVVOLデータストアが存在するすべてのETERNUS ディスクアレイに作成してください。

ポイント

クローンバックアップ用VVOLデータストアに必要な容量は、バックアップ元のVirtual Volumeと同容量です。

クローンバックアップ用のボリューム

クローンバックアップを取得する際の、バックアップ先となるボリュームです。
バックアップ時にクローンバックアップ用VVOLデータストアから自動的に割り当てられます。

2.1.2.2 ストレージ自動階層制御(拡張)

ストレージ自動階層制御のポリシーについて説明します。

VVOLデータストアを構成するTierプール、および作成されるVirtual Volumeのストレージ自動階層制御に関するポリシーです。

ストレージ利用者に対してストレージ自動階層制御機能を提供する場合、「ETERNUS SF Storage Cruiser Optimizationオプション」ライセンスを適用し、階層化ポリシーを適用したTierプールを含むVVOLデータストアを作成してください。

ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。

表2.3 ストレージ自動階層制御のポリシー

項目

説明

階層数

VVOLデータストアを構成するTierプールの階層数です。

実行モード

自動階層制御の動作方法です。

優先FTSP

Virtual Volumeに書き込むデータを優先的に割り当てるサブプールです。

Low割当て率(%)

再配置の際にLowサブプールに割り当てる比率です。

Middle割当て率(%)

再配置の際にMiddleサブプールに割り当てる比率です。

High割当て率(%)

再配置の際にHighサブプールに割り当てる比率です。

[階層数]および[実行モード]は、あらかじめ設計したTierプールの構成でストレージ利用者が設定できる内容が決まるため、ストレージ利用者に提供する内容に応じて階層化ポリシーやTierプールを構成してください。

参照

  • ストレージ自動階層制御が管理できるTierプール数、Tierプールの容量に上限があります。詳細は、『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ストレージ自動階層制御の上限」を参照してください。

  • ストレージ自動階層制御機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。

2.1.2.3 QoS自動化(拡張)

QoS自動化のポリシーについて説明します。

作成されるVirtual VolumeのQoS自動化に関するポリシーです。

ストレージ利用者にQoS自動化機能を提供する場合、「ETERNUS SF Storage Cruiser QoS Managementオプション」ライセンスを適用してください。

ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。

表2.4 QoS自動化のポリシー

項目

説明

QoS自動化の有効/無効

QoS自動化機能を使用するかどうかの設定項目です。

QoS自動化:優先度

QoS自動化の優先度です。

目標レスポンスタイム(ミリ秒)

レスポンスタイムの目標値です。

割当て率調整

ストレージ自動階層制御の連携を有効とする設定です。

参照

QoS自動化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。

2.1.2.4 キャッシュ(拡張)

キャッシュのポリシーについて説明します。

作成されるVirtual Volumeの、Extreme Cache設定またはExtreme Cache Pool設定に関するポリシーです。

Extreme CacheまたはExtreme Cache Poolが登載されているETERNUS ディスクアレイであれば、ストレージ利用者は目的に応じて、これらのCacheの使用をポリシーによって選択できます。

ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。

表2.5 キャッシュのポリシー

項目

説明

Extreme Cache

Extreme Cache機能を使用するかどうかの設定項目です。

参照

Extreme CacheおよびExtreme Cache Poolの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「Extreme Cacheの管理」を参照してください。

2.1.2.5 セキュリティ(拡張)

セキュリティのポリシーについて説明します。

作成されるVirtual Volumeのデータ暗号化に関するポリシーです。

ストレージ利用者に暗号化機能を提供する場合、暗号化したTierプールで構成したVVOLデータストアを用意してください。

ストレージ利用者は、以下の項目をポリシーとして設定できます。

表2.6 セキュリティのポリシー

項目

説明

データ暗号化

暗号化されたVirtual Volumeを作成するかどうかの設定項目です。

参照

暗号化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「暗号化の管理」を参照してください。