ここでは、Hyper-V利用時の注意点について説明します。
パラメーターを設定できるOSや設定するための前提条件
パラメーターを設定できるOSや、設定するための前提条件は、サーバ仮想化ソフトウェアによって異なります。
詳細は、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
VMware ESXの管理
SCVMMでは、VMware ESXを管理できますが、本製品からSCVMMを経由した場合、Hyper-VのVMホストだけ管理できます。
Citrix(R) XenServer(R)の管理
Microsoft(R) System Center 2012 Virtual Machine Manager以降では、Citrix(R) XenServer(R)を管理できますが、本製品からSCVMMを経由した場合、Hyper-Vのホストだけ管理できます。
ディスクの増設と削減
データディスクは、L-ServerにSCSIディスクとして接続されます。IDEディスクとしては接続できません。
データディスクは、1つ目のSCSIカードに14本、2~4つ目の各SCSIカードに15本接続されます。
1回の構成変更時に指定できるディスク数は、4個までです。5個以上の追加を行う場合、別途構成変更してください。
L-Server動作中にデータディスクを追加できますが、SCSIカードの追加が必要になった場合は動作中に追加できません。
第2世代の仮想マシン
第2世代の仮想マシンはサポートしていません。
本製品のVMホストのHyper-VがWindows Server 2012 R2の場合でも、第1世代の仮想マシンだけのサポートになります。
スナップショット
本製品のスナップショットは、SCVMMのチェックポイントを利用しています。スナップショットを採取するには、VMゲストの保存先に差分ディスクを作成する空き容量が必要です。
また、VM管理製品を使用してパススルーディスクを接続している場合、スナップショットの作成に失敗します。
スナップショットを採取した状態での運用は、以下の理由によりお勧めしません。
スナップショットを採取すると差分ディスクでの運用になり、性能劣化が発生します。
サーバ間の移動(マイグレーション)によりVMゲストがスナップショットを採取したVMホストと異なるVMホストへ移動した状態でスナップショットをリストアすると、SCVMM上での状態が"保存状態"になりVMが起動できなくなることがあります。この状態になった場合、スナップショットを採取したVMホストへVMゲストを移動させてから起動させる必要があります。
差分ディスクを結合するには、本製品で採取したスナップショットをすべて削除するほかに、VM管理製品を利用して作成したチェックポイントをすべて削除する必要があります。差分ディスクの結合は、SCVMMにより自動的に行われますが、この処理は対象になるVMゲストが停止中に行われ、VMゲストの状態によっては処理時間が長くなる可能性があります。
参考
サーバ仮想化ソフトウェアの提供するスナップショットは、ディスクを更新した差分を記録する方式です。このため、ディスク装置が故障した場合、スナップショットも同時に利用できなくなります。
スナップショットは、以下のようなトラブルへの対策として利用してください。
例
適用したパッチに問題があった場合の復旧
OSのパラメーター変更に問題があった場合の復旧
L-Serverのパラメーター詳細[基本情報]タブ
OS種別としてHyper-VがサポートしているゲストOSを指定した場合、統合ネットワークアダプターがVMに追加されます。
その他のOS種別が選択された場合、エミュレートされたネットワークアダプターが追加されます。
統合ネットワークアダプターを使用するには、ゲストOSに仮想ゲストサービスのインストールが必要です。
仮想ゲストサービスのインストールについては、SCVMMのヘルプを参照してください。
L-Serverのパラメーター詳細[サーバ]タブ
サポート外のOS種別を指定した場合、インストールやVMのゲストOSが正常に動作しない場合があります。
また、誤ったOS種別を指定するとイメージ採取、およびイメージを指定してのL-Server作成の処理が失敗する場合や、ゲストOSが一時的に起動して入力待ちになり処理が長時間終わらない場合があります。これはパーソナライズ処理についてMicrosoft社のSysprepが正常に処理を行えないために発生します。
一覧に表示されるOS種別は、SCVMMの管理コンソール上で指定できるゲストOS一覧を表示しています。
本製品ではユーザーの選択に制限を与えないためにすべてのゲストOS一覧をリストとして提示しますが、すべてがSCVMMでサポートされているわけではありません。
Hyper-VではOS種別によってはサポートされないCPU数などのサーバタイプ設定があります。間違ったOS種別とサーバタイプを選択した場合の動作は保証されません。
また、OS種別一覧にサービスパックが表示されていなくても、サービスパック適用が必須の場合があります。
OS種別としてHyper-VがサポートしているゲストOSを指定した場合、統合ネットワークアダプターがVMに追加されます。
それ以外のOS種別が選択されたときは、エミュレートされたネットワークアダプターが追加されます。
Windows 2000 ServerとWindows 2000 Advanced Serverがインストールされているクローニングイメージを指定してのL-Server作成は、サポートされていません。
SCVMMがサポートするゲストOSは、SCVMMのヘルプを参照してください。
Hyper-VがサポートするゲストOSは、以下のMicrosoft社のWebサイトを参照してください。
Microsoft社のWebサイト
URL: http://technet.microsoft.com/ja-JP/library/cc794868(v=ws.10).aspx |
L-Serverのパラメーター詳細[ディスク]タブ
L-Server作成、および1回の構成変更時に指定できるディスク数は、4個までです。
5個以上の追加を行う場合、別途構成変更してください。
L-Serverのパラメーター詳細[ネットワーク]タブ
統合サービスが導入されている以下のゲストOSで、IPアドレスの自動設定ができます。
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012 R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003
Microsoft(R) Windows(R) 8.1
Microsoft(R) Windows(R) 8
Microsoft(R) Windows(R) 7
Microsoft(R) Windows Vista(R)
Microsoft(R) Windows(R) XP
DVDディスク操作
L-ServerのDVDディスク操作は行えません。DVDを利用する場合、VM管理製品の機能を利用してください。
Intel PROSetを利用したブレードサーバのネットワークの自動設定
本製品は、Intel PROSetのVLAN機能はサポートしていません。Intel PROSetのVLAN機能は使用しないでください。
SCVMMサーバにログインするユーザーアカウントは、各管理対象サーバのAdministratorグループに所属している必要があります。
SCVMMでは、一度認識した管理対象サーバのNIC情報は、NIC情報に変更があっても更新されません。
管理対象サーバのIntel PROSetの設定を変更する場合、以下の手順で変更し、必ずSCVMMにNIC情報を再認識させてください。
管理対象サーバ(Hyper-V)のデバイスマネージャーで、Intel PROSetの仮想NICを無効にします。
管理サーバ(SCVMM)のSCVMM管理コンソールで対象ホストを右クリックし、[最新の情報に更新(F)]を選択します。
管理対象サーバ(Hyper-V)のデバイスマネージャーで、Intel PROSetの設定を変更し、仮想NICを有効にします。
管理サーバ(SCVMM)のSCVMM管理コンソールで対象ホストを右クリックし、[最新の情報に更新(F)]を選択します。
なお、上記の手順を行ってもSCVMMの認識する情報が反映されない場合、以下の手順で、Intel PROSetを解除し再構成してください。
管理対象サーバ(Hyper-V)で、Intel PROSetのチーミング設定を解除します。
管理サーバ(SCVMM)のSCVMM管理コンソールで対象ホストを右クリックし、[最新の情報に更新(F)]を選択します。
管理対象サーバ(Hyper-V)で、Intel PROSetのチーミング設定を再設定します。
管理サーバ(SCVMM)のSCVMM管理コンソールで対象ホストを右クリックし、[最新の情報に更新(F)]を選択します。
Intel PROSetのチーミングモードを"ALB"に設定する場合、RLB(Receive Load Balancing)機能は無効に設定してください。該当する構成は、Hyper-Vでサポートしていません。
Intel PROSetでチーミングしているNICのデバイスは、無効にしないでください。
注意
本手順が正しく行われていない場合、ネットワークの自動設定が失敗します。
生存監視設定
本製品の生存監視機能は、MSFC上の仮想マシンリソースに対するハートビート設定の機能を利用しています。
ホストのOSのバージョンによって、ハートビート設定の既定値が異なります。しかし、本製品ではL-Server作成時に生存監視設定を指定しなかった場合、既定の設定に関わらず、ハートビート設定を無効にします。
ハートビート設定機能を有効化して利用したい場合、本製品の生存監視機能を有効化してください。
参考
以下のOSでは、本設定に該当するMSFCの機能が既定で無効になっています。
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2
以下のOSでは、本設定に該当するMSFCの機能が既定で有効になっています。
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012 R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012
SCVMMの既定のライブラリサーバーについて
SCVMMサーバ上に存在する既定のライブラリサーバーおよびライブラリ共有は、仮想L-Server作成時の一時領域として使用されるため削除しないでください。
削除した場合、仮想L-Serverの作成が失敗します。