Hyper-V環境でのネットワークの設定は、ハードウェア(ブレードサーバやラックマウント型サーバなど)やL-Serverのネットワークを冗長するかで異なります。
ブレードサーバのネットワーク自動設定
「ブレードサーバのネットワークの自動設定」を参照してください。
ブレードサーバでL-Serverのネットワークを冗長化しない場合
「C.3.5 ネットワークの手動設定」を参照してください。
なお、利用者がサーバNIC定義ファイルに使用する物理NICを定義し、サーバNIC定義の物理LANセグメントをネットワークリソースから指定すると、任意の物理NICを使用してネットワークの自動設定ができます。
これにより、任意の物理NICを使用する構成でもネットワークの自動設定ができます。
サーバNIC定義ファイルで指定した物理NICの構成を本製品に反映するには、rcxadm nicdefctl commitコマンドを使用します。
参照
サーバNIC定義については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.12 サーバNIC定義」を参照してください。
rcxadm nicdefctlコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.15 rcxadm nicdefctl」を参照してください。
ブレードサーバ以外のネットワーク設定
「C.3.5 ネットワークの手動設定」を参照してください。
ブレードサーバのネットワークの自動設定
L-Server作成時にNICとネットワークリソースを接続すると、L-Serverが動作するVMホストに対して、以下の設定が自動的に行われます。
LANスイッチブレード
LANスイッチブレードをスイッチモードまたはエンドホストモードで使用している場合、内部接続ポートにVLANが設定されます。
また、ネットワークリソースを作成するとき、以下の設定により、外部接続ポートに指定されているLANスイッチブレードのポートにVLANが設定されます。
GUIの場合
[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、[外部接続ポートに対してVLANを自動的に設定]チェックボックスにチェックを入れます。
コマンドの場合
ネットワークリソースのXML定義でvlanautosetting(外部接続ポートのVLAN自動設定)に"true"を指定してください。
仮想ネットワーク
業務LAN上に存在しない場合、手動で事前作成された仮想インターフェース(IntelPROSetまたはPRIMECLUSTER GLS)を使用して、自動で作成されます。
すでに存在する場合、その仮想ネットワークが利用されます。
VMゲスト
VMゲストの仮想NICにVLANを設定し、仮想ネットワークと接続されます。
また、イメージを指定した場合、IPアドレスが自動で設定されます。IPアドレスの自動設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「16.3.1 [基本情報]タブ」の「ネットワーク(NIC)」を参照してください。
さらに、VM管理製品のクラスタ機能を利用している環境では、VMゲストのマイグレーションや、HA機能を用いた運用を可能にするため、クラスタを構成するすべてのVMホストに対して、LANスイッチブレード、仮想ネットワークが自動で設定されます。
ネットワークリソースの外部接続ポートに対して、タグVLANを自動設定しなかった場合、その外部接続ポートのVLAN設定は、RORコンソールで行います。サーバリソースツリーでLANスイッチを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択してください。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。
注意
L-Serverを作成したあと、クラスタにVMホストを追加した場合、本製品によるネットワークの自動設定は行われません。
追加したVMホストのLANスイッチブレードと仮想ネットワークに対して、クラスタを構成する既存のVMホストと同じ設定をしてください。
ブレードサーバの場合の仮想ネットワーク定義ファイル
ブレードサーバのネットワークを自動設定する場合
仮想ネットワーク定義ファイルを作成する必要はありません。
仮想ネットワーク定義ファイルが存在し、仮想ネットワークとVLAN IDの対応が定義されていない場合
仮想ネットワークを自動的に設定します。
仮想ネットワーク定義ファイルにより、仮想ネットワークとVLAN IDの対応が定義されている場合
そのVLAN IDに対応した仮想ネットワークは、事前に手動で設定されている必要があります。
詳細は、「C.3.5 ネットワークの手動設定」を参照してください。
本製品でネットワーク設定の自動化をサポートするデフォルトのブレードサーバ構成
本製品でネットワーク設定の自動化をサポートするデフォルトのブレードサーバ構成(サーバブレード、ネットワークリソースの外部接続ポート指定、LANスイッチブレード、物理ネットワークアダプター番号の対応関係)を、以下の表に示します。サーバNIC定義がない場合、ネットワークの自動設定では、この表に従って選択された物理ネットワークアダプターを使用して、仮想ネットワークが作成されます。
サーバブレード | 外部接続ポートの指定 | 使用するLANスイッチブレード | 物理ネットワークアダプター番号 (注6) |
---|---|---|---|
BX920 S1 | CB1およびCB2または外部接続ポート指定なし | PY-SWB102(PG-SW111) | 3,4 |
PY-SWB101(PG-SW201) | 1,2 | ||
CB3およびCB4 | PY-SWB101(PG-SW201) | 5,6 | |
CB5およびCB6 | PY-SWB104(PG-SW109) | 9,10 | |
CB7およびCB8 | PY-SWB102(PG-SW111) | 11,12 | |
PY-SWB101(PG-SW201) | 9,10 | ||
BX924 S2 | CB1およびCB2または外部接続ポート指定なし | PY-SWB101(PG-SW201) | 1,2 |
CB3およびCB4 | PY-SWB101(PG-SW201) | 3,4 | |
CB5およびCB6 | PY-SWB104(PG-SW109) | 7,8 | |
CB7およびCB8 | PY-SWB102(PG-SW111) | 9,10 | |
PY-SWB101(PG-SW201) | 7,8 | ||
BX960 S1 | CB1およびCB2または外部接続ポート指定なし | PY-SWB101(PG-SW201) | 11,12 |
CB3およびCB4 (注4) | PY-SWB101(PG-SW201) | 3,4 | |
CB5およびCB6 (注5) | PY-SWB104(PG-SW109) | 7,8 | |
CB7およびCB8 (注5) | PY-SWB102(PG-SW111) | 9,10 | |
PY-SWB101(PG-SW201) | 7,8 |
注1) PY-SWB104(PG-SW109)をCB1およびCB2に搭載する場合、PY-SWB104(PG-SW109)のダウンリンクポートの通信速度を1Gbpsに設定してください。設定方法については、該当するハードウェアのマニュアルを参照してください。
注2) PY-CNB101をCB1およびCB2に搭載する場合、サーバブレードとしてBX920 S3以降およびBX924 S3以降のモデルだけサポートします。
注3) PY-FEB101はサーバブレードとしてBX920 S3以降およびBX924 S3以降のモデルだけサポートします。
注4) LAN拡張カードは、拡張スロット1に搭載します。
注5) LAN拡張カードは、拡張スロット2に搭載します。
注6) それぞれの物理ネットワークアダプターを使った冗長化構成で、事前に設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークを自動設定します。仮想インターフェースは、以下のどれかの製品を使って、管理対象サーバ上に事前設定してください。
Intel PROSet
PRIMECLUSTER GLS for Windows
サーバブレード | 外部接続ポートの指定 | 使用するLANスイッチブレード | 物理ネットワークアダプター番号(注5) |
---|---|---|---|
BX920 S2 | CB1およびCB2(注1)または外部接続ポート指定なし | PY-SWB102(PG-SW111) | 3,7 |
PY-SWB101(PG-SW201) | 2,6 | ||
CB3およびCB4 | PY-SWB101(PG-SW201) | 9,10 | |
BX924 S2 | CB1およびCB2(注1)または外部接続ポート指定なし | PY-SWB101(PG-SW201) | 2,4 |
CB3およびCB4 | PY-SWB101(PG-SW201) | 7,8 |
注1) CB1およびCB2には、同一機種のLANスイッチブレードを搭載してください。
注2) PY-SWB104(PG-SW109)をCB1およびCB2に搭載する場合、PY-SWB104(PG-SW109)のダウンリンクポートの通信速度を1Gbpsに設定してください。設定方法については、該当するハードウェアのマニュアルを参照してください。
注3) PY-CNB101をCB1およびCB2に搭載する場合、サーバブレードとしてBX920 S3以降およびBX924 S3以降のモデルだけサポートします。
注4) PY-FEB101はサーバブレードとしてBX920 S3以降およびBX924 S3以降のモデルだけサポートします。
注5) それぞれの物理ネットワークアダプターを使った冗長化構成で、事前に設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークを自動設定します。仮想インターフェースは、以下のどれかの製品を使って、管理対象サーバ上に事前設定してください。
Intel PROSet
PRIMECLUSTER GLS for Windows
サーバブレード | 外部接続ポートの指定 | 使用するLANスイッチブレード | 物理ネットワークアダプター番号(注) |
---|---|---|---|
BX600シリーズ | NET1およびNET2または外部接続ポート指定なし | PG-SW107 | 3,4 |
NET3およびNET4 | PG-SW104 | 7,8 |
注) それぞれの物理ネットワークアダプターを使った冗長化構成で、事前に設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークを自動設定します。仮想インターフェースは、以下のどれかの製品を使って、管理対象サーバ上に事前設定してください。
Intel PROSet
PRIMECLUSTER GLS for Windows
上記の表の物理ネットワークアダプター番号は、LANスイッチブレードの詳細画面で確認できます。
管理対象サーバのMACアドレス(IPアドレス)情報は、サーバリソースの[リソース詳細]タブの[ハードウェア保守]で確認できます。
このMACアドレスの情報を元に、管理対象サーバ上で事前にIntel PROSetまたはPRIMECLUSTER GLSの設定を行ってください。
LANスイッチブレードがIBPモードの場合、上記の表の"外部接続ポート指定なし"の場合と同じ物理ネットワークアダプターを使って、冗長化構成で事前設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークが作成されます。
なお、以下の操作を行うことで、任意の物理NICを使用してネットワークの自動設定が行えます。
サーバNIC定義を作成し、本製品に反映します。
サーバNIC定義の作成
ひな型ファイルを編集し、サーバNIC定義を作成します。
サーバNIC定義の反映
サーバNIC定義ファイルに指定した物理NICの構成を、rcxadm nicdefctl commitコマンドを実行し、本製品に反映します。
反映したサーバNIC定義の確認
本製品に反映したサーバNIC定義を、rcxadm nicdefctl showコマンドを実行し、確認します。
ネットワークリソースを作成します。
GUIの場合
RORコンソールのオーケストレーションツリーのネットワークリソースを作成するネットワークプールを右クリックし、[ネットワークリソース作成]を選択します。
新規に作成する場合は、続いて[新規]を選択します。
登録済みの管理LANサブネットを利用して作成する場合は、続いて[管理LANサブネットから]を選択します。
[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、"設定済みの仮想スイッチを利用"チェックボックスを外します。
[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、"物理LANセグメント"の"設定"を選択します。
[物理LANセグメントの設定]ダイアログで、サーバNIC定義のPhysicalLANSegment nameに指定した物理LANセグメント名を選択します。
コマンドの場合
ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。
サーバNIC定義のPhysicalLANSegment nameに指定した物理LANセグメント名を、ネットワークリソースを定義したXMLファイルのPhysicalLANSegmentに指定します。
このとき、Networkタグに、auto="true"を指定します。
ネットワークリソースを作成します。
手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。
参照
サーバNIC定義の詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.12 サーバNIC定義」を参照してください。
rcxadm nicdefctlコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.15 rcxadm nicdefctl」を参照してください。
ネットワークリソースの定義については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.5 ネットワークリソース」を参照してください。
rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.9 rcxadm network」を参照してください。
注意
以下のすべての条件を満たすVMホストがある場合、そのシャーシではネットワーク設定の自動化はサポートしません。
外部接続ポートを指定したネットワークリソースを使用する
ネットワーク設定の自動化をサポートするVMホストの構成パターンで使用するNICを、異なる構成で使用する仮想ネットワークが存在する
以下のすべての条件を満たすVMホストがある場合、ネットワーク設定の自動化はサポートしません。
外部接続ポートを指定しないネットワークリソースを使用する
ネットワーク設定の自動化をサポートするVMホストの構成パターンで使用するNICを、異なる構成で使用する仮想ネットワークが存在する
PRIMERGY BX900 S1シャーシで、以下の構成例に対するデフォルトのブレードサーバ構成を図に示します。
サーバブレード | BX920 S2 |
外部接続ポートの指定 | CB1およびCB2 |
使用するLANスイッチブレード | PY-SWB103(PG-SW112) |
仮想インターフェース | PRIMECLUSTER GLS |
サーバブレード | BX920 S2 |
外部接続ポートの指定 | "外部接続ポート指定なし"と"CB3およびCB4"の混在 |
使用するLANスイッチブレード | PY-SWB104(PG-SW109) |
仮想インターフェース | PRIMECLUSTER GLS |
図C.4 構成例1のブレードサーバ構成図
図C.5 構成例2のブレードサーバ構成図