ここでは、定義ファイルの作成について説明します。
仮想L-Serverで共通な定義ファイルは、「C.1 仮想L-Server作成で共通に利用する定義ファイル」を参照してください。
ここでは、VMware固有の定義ファイルについて説明します。
サーバ仮想化ソフトウェア定義ファイル
事前に以下の定義ファイルに値を設定すると、サーバ仮想化ソフトウェアに関する動作を変更できます。
定義ファイルの文字コードはUTF-8にしてください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
vm.rcxprop
定義ファイルでは、1行ごとに以下の形式で記述します。
キー = 値 |
項目 | キー | 値 | 備考 |
---|---|---|---|
VMware DRS/DPM用電源制御設定 | drs_power_on_vm | true|false | サーバ仮想化ソフトウェアがVMwareのとき、有効です。
省略時は、"false"が設定されます。 "true"を指定する場合、VMware DRSとVMware DPMは、以下の設定にしてください。
なお、"手動"を指定した場合、L-ServerとVMゲストの起動に失敗する場合があります。 VMware DRS/DPMの詳細は、「設計ガイド CE」の「E.1.2 サーバの事前準備」の「VMware DRS、VMware DPMを利用する場合」を参照してください。 |
業務LANからのコンソール接続で設定する定義ファイル
業務LANからのコンソール接続を利用する場合、以下の定義ファイルにVMホストの接続先を設定します。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
vm_console.rcxprop
1行に1つのフォルダーまたはテナント名、VMホストの物理サーバ名、およびそれに対応する接続先をカンマ(",")で区切って指定します。
フォルダーまたはテナント名, 物理サーバ名, 接続先 |
項目 | 説明 |
---|---|
フォルダーまたはテナント名 | フォルダー名またはテナント名をフルパス(先頭の"/"は必須)で指定します。 |
物理サーバ名 | VMホストの物理サーバ名を指定します。 |
接続先 | 管理クライアントから接続できるVMホストのIPアドレス、または管理クライアント環境で名前解決可能なホスト名(またはFQDN)を指定します。 |
/, bx900-1, 192.168.10.100 (注1) |
注1) ルートフォルダー(/)の定義です。全テナントでデフォルトの設定です。
注2) フォルダー(/folderA)の定義です。テナントの接続先はホスト名で指定します。
注3) テナント(/folderA/tenantB)の定義です。複数のホストを設定します。
注意
1行にカンマ(",")を3つ以上記述した場合、3つ目のカンマ以降の記述は無視されます。
行の先頭に"#"を記述すると、コメント行になります。
定義ファイルの読込みに失敗した場合、本製品に登録されたVMホストの管理LANのIPアドレスを接続先にします。
フォルダーまたはテナント名、および物理サーバ名が定義ファイルの指定と一致しない場合、VMホストの管理LANのIPアドレスを使用してコンソール接続を行います。
フォルダーまたはテナントで使用するVMホストが複数ある場合、同一のフォルダーまたはテナントの設定を複数行に分けて記述します。
フォルダーを指定した場合、配下のサブフォルダーまたはテナントにも当該設定が適用されます。
配下のサブフォルダーまたはテナントを対象とした設定があり、かつ、同じ物理サーバ名の定義が存在する場合はそちらが優先されます。
例
以下の(1)、(2)の定義が存在する場合、フォルダーまたはテナント名が"/folderA/tenantB"で物理サーバ名が"bx900-1"の仮想L-Serverでは、(2)のIPアドレスを使用してコンソール接続を行います。
(1)/folderA,bx900-1,192.168.10.100
(2)/folderA/tenantB,bx900-1,192.168.20.100
同一のフォルダーまたはテナントで同一の物理サーバの設定を複数行記述した場合、あとに記述した設定が有効になります。
例
以下の(1)、(2)の定義が存在する場合、(2)の定義が有効になります。
(1)/folderA,bx900-1,192.168.10.100
(2)/folderA,bx900-1,192.168.20.100
以下の環境で仮想L-Serverのコンソール接続を業務LANからプロキシサーバ経由で利用する場合、プロキシサーバと通信可能なIPアドレスを指定してください。
VMware vSphere 5.1
VMware vSphere 5.5
GUIRunOnce定義ファイル
仮想L-ServerのOSがWindowsの場合、イメージを指定した仮想L-Serverの作成で、GUIRunOnceコマンド(注)を指定できます。
注: ゲストOSに初めてユーザーがGUIログインしたときに実行されるコマンドです。
GUIRunOnceコマンドを指定する場合は、以下の定義ファイルを設定してください。
GUIRunOnceコマンドの詳細は、Microsoft WindowsのSysprepのドキュメントを参照してください。
本製品でのサポート範囲は、下記のとおりです。
ただし、仮想化ソフトウェアのバージョンによって、仮想化ソフトウェアのサポート外となる仮想L-ServerのOS種別があります。詳細は、仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
対象 | サポート範囲 |
---|---|
仮想化ソフトウェア | VMware vSphere 4.0 |
仮想L-ServerのOS種別 | Microsoft(R) Windows(R) 2008 |
本製品のマネージャー | Windowsマネージャー |
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\sysprep_guirunonce
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data/sysprep_guirunonce
拡張子を.rcxpropとし、任意のファイル名としてください。ただし、ファイル名は以下の文字列で定義してください。
先頭半角英数字で、半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された64文字以内の文字列
定義ファイルには、1行ごとに以下のように記述します。
GUIRunOnceコマンドとして指定するコマンド文字列 |
改行を区切りとして記述します。
指定された文字列をそのまま使用するため、ダブルクォーテーション、シングルクォーテーションなどの記号については、Windowsが、コマンド文字列として認識できる書式で指定してください。
空行は無視されます。
最大で500コマンド(500行)まで指定できます。501行目以降については指定されても無視されます。
"#"で始まる行はコメントとして扱います。
コマンドは、最初の行から最後の行まで順に実行されます。前のコマンドが終了するまで次のコマンドは実行されません。
ファイルの文字コードはUTF-8としてください。
ファイルの改行コードは以下のように設定してください。
【Windowsマネージャー】
CR+LF
【Linuxマネージャー】
LF
例
c:\setup\setup_first.bat
netsh advfirewall firewall set rule group="remote desktop" new enable=yes
...
c:\setup\setup_last.bat