ログ機能では、出力する情報に重要度を表すレベルを設定することができます。また、特定のレベル以上のログだけを出力するように設定できます。
ログ出力レベルを設定することにより、デバッグ時には多くの情報をログに出力したり、本稼働時には重要度が高いログに絞って出力したり、ログを出力しない運用にするという制御が可能になります。
たとえば、ログ定義ファイルにおいてログ出力レベルを10に設定すると、ログ出力レベルが3や5のログが出力されます。
なお、インストール時のデフォルト設定では、出力レベルは9となっています。
■標準ログで利用するログレベル
オープンJavaフレームワークのランタイムの標準ログのログレベルは、それぞれ以下のようになっています。
なお、ログ定義を変更することにより、標準ログのログ出力レベルを変更することが可能です。
ログ定義の変更については、“17.2 標準ログの定義”をご参照ください。
注意
ログレベルを15に設定した場合、大量のログがIJServerのコンテナログに出力されます。そのため、アプリケーションの処理が遅くなることがあります。この場合は、ログレベルを下げてください。
また、大量のログが出力されることにより、古いログが消えてしまうことがあります。ログの出力情報は、IJServerワークユニットおよびオープンJavaフレームワークのランタイムの動作解析を行うための情報です。したがって、ログレベルを15に設定する場合は、出力先のディスク容量を十分確保してください。IJServerクラスタのサーバーログの設定、もしくはIJServerワークユニットのコンテナログの設定を変更し、大量のログが出力された場合でも、ログの出力情報が保存されるような設定にすることを推奨します。
◆システムログのログレベル
オープンJavaフレームワークのランタイムが出力するシステムログを、ログレベルを使用して採取できます。オープンJavaフレームワークのランタイムで使用するログレベルは以下の種類があります。
ログレベル | 出力情報 |
---|---|
3 | オープンJavaフレームワークの開始と終了を示すログを出力 |
5 | オープンJavaフレームワークの分岐点での稼働状態を示すログを出力 |
15 | サブコンポーネント間での稼働状態を示すログを出力 |
出力情報の詳細については、” 17.5 標準ログの基本フォーマットおよび17.6 標準ログのメッセージ本文”を参照してください。
◆性能ログのログレベル
性能ログには、以下のログレベルの種類があります。
ログレベル | 出力情報 |
---|---|
3 | 開始時間は、ActionServletを開始した直後の時間、終了時間は、ActionServletから応答を返す時間を表示。 |
15 | 開始時間は、Actionクラスを呼び出す直前の時間、終了時間は、ユーザが作成したActionクラスから応答が返った時間を表示。 |
開始時間は、Servlet/JSPを呼び出す直前の時間、終了時間は、Servlet/JSPから応答が返った時間を表示。 | |
開始時間は、Validatorクラスを呼び出す直前の時間、終了時間は、Validatorクラスから応答が返った時間を表示。 |
ログレベル | 出力情報 |
---|---|
3 | 開始時間は、Spring-MVCを開始した直後の時間、終了時間は、Spring-MVCから応答を返す時間を表示。 |
開始時間は、リモート接続先のIJServerを呼び出す直前の時間、終了時間は、リモート接続先のIJServerから応答が返った時間を表示。 | |
開始時間は、リモート接続を開始した直後の時間、終了時間は、リモート接続から応答を返す時間を表示。 | |
開始時間は、リモート環境下にあるクラスを呼び出す直前の時間、終了時間は、リモート環境下にあるクラスから応答が返った時間を表示。 | |
15 | 開始時間は、Springが提供するControllerからクラスを呼び出す直前の時間、終了時間は、呼びだしたクラスから応答が返った時間を表示。 |
開始時間は、ユーザ作成のControllerクラスを呼び出す直前の時間、終了時間は、ユーザ作成のControllerクラスから応答が返った時間を表示。 | |
開始時間は、Servlet/JSPを呼び出す直前の時間、終了時間は、Servlet/JSPから応答が返った時間を表示。 | |
開始時間は、Validatorクラスを呼び出す直前の時間、終了時間は、Validatorクラスから応答が返った時間を表示。 |
ログレベル | 出力情報 |
---|---|
5 | 開始時間は、iBATISのSQL文発行メソッドを呼び出す直前の時間、終了時間は、iBATISのSQL文発行メソッドから応答が返った時間を表示。 |
15 | 開始時間は、SQL発行を呼び出す直前の時間、終了時間は、SQL発行処理から応答が返った時間を表示。 |
出力情報の詳細については、” 17.5 標準ログの基本フォーマットおよび17.6 標準ログのメッセージ本文”を参照してください。