LDomsとは
LDoms(Logical Domains : 論理ドメイン)とは、Hypervisorを利用して動作する仮想ハードウェア環境です。1つのプラットフォームを複数の仮想サーバ環境に分割し、それぞれで独立してオペレーティングシステムを実行することが可能になります。
伝送路二重化機能では、仮想化されたサーバ(ゲストドメイン)においてもネットワークの高信頼化を実現します。
LDomsのネットワークインタフェース
LDoms環境では、仮想化されたサーバに仮想ネットワーク(vnet)を定義することができます。仮想ネットワークは仮想スイッチ(vsw)を経由して他のドメインや物理的なネットワークと通信します。
伝送路二重化機能では2つの仮想スイッチ(vsw)に接続された仮想ネットワーク(vnet)をドメインごとに冗長化することで、LDoms環境のネットワークを高信頼化します。
伝送路二重化機能がLDoms環境でサポートする通信方式は、NIC切替方式のみです。
注意
伝送路二重化機能は、個々のドメインにネットワークを冗長化します。LDoms環境では、ドメインごとに伝送路二重化機能をインストールしてください。
LDoms環境でのネットワークの高信頼化
LDoms環境における仮想ネットワークを高信頼化する場合の構成について説明します。
図2.58 LDoms環境でのネットワーク構成
上記のシステムは、制御ドメインで物理NIC e1000g0、e1000g1を用いて仮想スイッチprimary-vsw0、primary-vsw1を構成しています。ゲストドメインでは、仮想スイッチ上に生成された仮想NIC vnet0、vnet1を使用しています。
各ドメインは、伝送路二重化が仮想NICを冗長化して仮想インタフェースsha0を構成します。冗長化する仮想NICには、制御ドメインではvsw0およびvsw1を、ゲストドメインではvnet0およびvnet1を指定します。
参考
LDoms環境でNIC切替方式を利用して仮想ネットワーク(vsw, vnet)を冗長化する場合は、待機パトロールのMACアドレスの値に 0:0:0:0:0:0 を指定します。これにより、待機パトロールでLDomsによって生成された仮想MACアドレスが使用されるようになります。
LDoms環境で伝送路二重化機能のクラスタシステム環境を構築する場合は、マニュアル“PRIMECLUSTER導入運用手引書 4.2”の“付録H”を参照してください。