バックアップ領域の枯渇を防ぐため、無効・不要になったバックアップ資源を削除する必要があります。
RMAN機能で取得したバックアップ資源(バックアップセット)を削除するには、以下の2通りの方法があります。
ポイント
ACM機能で取得したバックアップ資源(データファイルのコピー)は、本製品の機能では削除できません。
全体バックアップ時に、前回のバックアップ資源を上書きします。
すべてのバックアップ管理世代のバックアップ資源を削除する方法
オンラインバックアップ初期化機能を使用して、すべてのバックアップ管理世代のバックアップ資源を削除してください。
以下の場合などで使用してください。
オンライン復旧でRESETLOGSを実施して、無効となったすべてのオンラインバックアップ資源を削除する場合
オフライン復旧を実施して、無効となったすべてのオンラインバックアップ資源を削除する場合
リカバリ・カタログ・データベースを削除する場合
注意
オンラインバックアップ初期化機能を実行後は、バックアップ資源がなくなるため、ターゲットデータベースの復旧ができなくなります。
復旧が必要な場合は、オンラインバックアップ初期化後、すぐにオンラインバックアップを取得してください。
オンラインバックアップ初期化機能で強制モードを指定した場合、本製品の内部情報(バックアップ管理履歴)のみ削除します。よって、バックアップ資源は無効になりますが、初期化は行いませんので、初期化が必要な場合は管理者にて各バックアップ先に格納されているバックアップ資源を削除してください。
バックアップ管理世代を超えた古いバックアップ資源を削除する方法
バックアップ管理世代数を超えたバックアップ資源は、オンラインバックアップ機能で自動的に削除します。
オンラインバックアップ機能中のどの処理時点で削除するかをオンライン運用環境設定で指定してください。
以下の2通りが指定できます。
バックアップ取得後に古いバックアップを削除する(後削除)
バックアップ取得前に古いバックアップを削除する(前削除)
注意
前削除を指定した場合、バックアップが異常終了すると、1世代分のバックアップが消失します。
後削除を指定した場合、一時的に世代当たり2つ分のバックアップ資源を格納することになりますので、前削除に比べてバックアップ領域のサイズを大きくする必要があります。
バックアップ方法にACMを指定した場合、後削除を指定できません。前削除のみ指定できます。
バックアップ方法にRMANを指定した場合は、後削除を推奨します。
後削除、前削除の仕様は、以下のとおりです。
オンラインバックアップの処理中に、RMANバックアップを取得した後で、バックアップ管理世代を超えたバックアップセットを削除します。
2世代分のバックアップセットが格納できる容量のバックアップ領域を、バックアップ管理世代数分用意する必要があります。
以下のような、3世代バックアップ運用を行っている環境の場合を例に説明します。
以下の図では、各バックアップ領域に1世代ずつ、3世代分のバックアップが取得されています。
オンラインバックアップを実行すると、まず、一番古い世代のバックアップ領域に、バックアップセットが生成されます。
このとき、1つのバックアップ領域には、一時的に、過去に取得したバックアップと今回新たに取得したバックアップが同時に存在するため、1つのバックアップ領域に対して、2世代分のバックアップセットが格納できる容量が必要になります。
バックアップセットの生成が完了すると、バックアップ管理世代を超えたバックアップセットが削除されます。
オンラインバックアップの処理中に、今回のバックアップでバックアップ管理世代を超える予定のバックアップセットを削除してから、RMANバックアップを取得します。
1世代分のバックアップセットが格納できる容量のバックアップ領域を、バックアップ管理世代数分用意します。
ただし、バックアップ管理世代が1世代の場合、オンラインバックアップ中にエラーが発生して処理が異常終了すると、バックアップがなくなるため、注意が必要です。
以下のような、3世代バックアップ運用を行っている環境の場合を例に説明します。
以下の図では、各バックアップ領域に1世代ずつ、3世代分のバックアップが取得されています。
オンラインバックアップを実行すると、まず、一番古い世代のバックアップ領域に格納されているバックアップセットを削除します。
この時点で、1世代分のバックアップがなくなりますので、これ以降、オンラインバックアップの処理が異常終了した場合は、1世代分のバックアップが欠落することになります。
バックアップセットの削除が完了すると、バックアップを削除した領域に、新たにバックアップセットが生成されます。