RAC構成の場合は、バックアップ方法により、実行できるノードが異なります。
ACMの場合
RAC構成でバックアップ方法がACMの場合は、本製品を運用できるノードは、クラスタノード内で1ノードのみです(単一ノード運用)。本製品をインストールしてセットアップした、1つのデータベースサーバでのみ、本製品の機能を実行できます。
RMANまたはCCMの場合
RAC構成でバックアップ方法がRMANまたはCCMの場合は、本製品をインストールしてセットアップを行ったデータベースサーバであれば、どのクラスタノードでも本製品の機能を実行できます(複数ノード運用)。
ただし、本製品の機能を実行するノードは、必要なクラスタリソースがオンライン状態のプライマリノードである必要があります。
1つのターゲットデータベースに対して、複数ノードから本製品の機能を同時に実行しないでください。
また、複数ノードでの運用を行う場合、以下の注意事項があります。
バックアップ方法にRMANまたはCCMを使用すると、プライマリノードのバックアップ運用環境資源を引き継いで、他のクラスタノードでも本製品の機能を実行できるようになります。
ただし、RMfO管理領域とRMANバックアップ領域については、クラスタノード間の共有領域ではなく、それぞれのクラスタノードごとの領域を使用します。
そのため、実行ノードを切り換える場合、プライマリノードのRMfO管理領域・RMANバックアップ領域を、次に実行ノードとなるリモートノードの領域にコピーして同期を取る必要があります。この同期操作は、ユーザーが手動で行う必要があります(本製品の機能では同期処理は行いません)。
手動で行う同期処理については、以下を参考に、運用方式を設計してください。
同期を取るタイミング
同期を取るタイミングとして、以下の2通りがあります。
実行ノード切り替え前
実行ノードを切り換える前に、プライマリノードのRMfO管理領域・RMANバックアップ領域を、次に実行ノードとなるリモートノードの領域にコピーします。
このタイミングで同期を取る場合、実行ノードのRMfO管理領域・RMANバックアップ領域で、常に最新の資源が管理されます。
なお、OSコマンドを使用してファイル・フォルダー単位にコピーをする場合、コピー元のノードのRMfO管理領域、RMANバックアップ領域を使用します。切り替え時にコピー元のノードが起動できない場合、実行ノードの切り替えはできません。
機能実行後
プライマリノードノードで機能を実行するたびに、機能終了後にリモートノードの領域と同期を取ります。
このタイミングで同期を取る場合、すべてのクラスタノードのRMfO管理領域・RMANバックアップ領域で、最新の資源が管理されます。
同期方法
同期を取る方法として、以下の2通りがあります。
ボリューム(パーティション)単位でコピーする場合
ACMなどのコピー機能を使用できる場合、プライマリノードのRMfO管理領域・RMANバックアップ領域を、パーティション単位でリモートノードの同領域にコピーします。
フォルダー・ファイル単位でコピーする場合
ボリューム単位のコピーができない環境の場合、プライマリノードのRMfO管理領域・RMANバックアップ領域内のすべてのフォルダー・ファイルを、リモートノードの同領域にコピーします。
オンライン運用で、同期方法がファイル・フォルダー単位の場合、同期時に、バックアップ管理世代や保存日数を超えた不要ファイルが残る場合があるため、以下の手順での同期を推奨します。
1) リモートノード(同期先)領域に対して、以下をフォルダーごと削除
・<RMfO管理領域フォルダー>\catalog\log
・各種RMANバックアップ領域内のすべてのフォルダー
2) 領域内のすべてのフォルダー・ファイルを、プライマリノードからリモートノードにコピー
なお、2)でコピーを行う際は、領域内のフォルダー・ファイル構成を変更しないでください。
同期対象領域
同期を取る必要のある領域は以下のとおりです。
<オンライン運用の場合>
RMfO管理領域
データファイルバックアップ領域 (RMAN) (バックアップ方法がRMANの場合のみ)
制御ファイルバックアップ領域
アーカイブログバックアップ領域
SPFILEバックアップ領域
<オフライン運用の場合>
RMfO管理領域
参照
プライマリノードについては、「用語集」を参照してください。