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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.3

H.3.2 グローバルゾーン上のクラスタアプリケーションの作成

2-1. クラスタの構築

第4章 クラスタ構築の準備”、“第5章 クラスタの構築”を参照し、グローバルゾーンでクラスタの初期設定を行ってください。

なお、グローバルゾーン上でGdsリソース、Fsystemリソース、Glsリソースおよびクラスタアプリケーションを以下のように作成してください。シングルノードクラスタ運用の場合には、グローバルゾーン上でリソースおよびクラスタアプリケーションを作成する必要はありません。必要に応じてGDSまたはGLSの設定を行ってください。

2-2. Gdsリソースの作成

本設定は、ノングローバルゾーンイメージを共有する場合、または、ノングローバルゾーン間のデータ引継ぎを行う場合に必要です。ノングローバルゾーンごとにいずれか1ノードでGDS共用クラスを作成し、共用クラスにノングローバルゾーンイメージ用のボリュームとデータ引継ぎ用のボリュームを作成してください。

切替ファイルシステムとして使用する場合は、クラスタを構成する全ノードの/etc/vfstab.pclを編集してください。

ノングローバルゾーンzone-a用のGDSクラスがclass0001であり、ノングローバルゾーンのルートファイルシステム用ボリュームがvolume0001(マウントポイントは/zone-a-system、ファイルシステムタイプはUFS)、Oracleデータ配置用ボリュームがvolume0002(マウントポイントは/zone-a-oracle、ファイルシステムタイプはUFS)の場合、/etc/vfstab.pclに以下のように記載します。行の先頭は、必ず「#RMS#」で始まるようにしてください。

#RMS#/dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001  /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001 /zone-a-system ufs - no -
#RMS#/dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0002 /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0002 /zone-a-oracle ufs - no -

2-3. Fsystemリソースの作成

本設定はGDS共用クラスをノングローバルゾーン間で共有する場合に必要です。ノングローバルゾーンを共用ディスクに配置する場合、ノングローバルゾーンを配置したファイルシステムに対応するFsystemリソー スも合わせて作成してください。本設定は、いずれか1ノードで実施してください。

注意

ノングローバルゾーンを作成するため、全ノードでノングローバルゾーンのルートファイルシステム用ボリュームのマウントポイントのモードを700に設定してください。これはノングローバルゾーンのルートファイルシステムを作成するために必要な設定です。

例)

# chmod 700 /zone-a-system

2-4. Glsリソースの作成

共有IPゾーンで使用するネットワークで異常が発生したときに、クラスタに対して異常を通知したい場合、GLSに引継ぎ仮想インタフェースを設定後、グローバルゾーンのユーザアプリケーションにGlsリソースとして登録します。

各共有IPゾーンで使用する仮想インタフェースのうち、故障を通知したい仮想インタフェースの数だけ、引継ぎ仮想インタフェース(Glsリソース)を作成してください。

以下の2つの条件を満たす場合の設定例を説明します。

  • 3つの共有IPゾーン(zone-a、zone-b、zone-c)が、管理LAN(192.168.10.0/24)と業務LAN(192.168.20.0/24)の2つのLANをもつ。

  • 各LANで故障が発生したとき、クラスタに異常を通知する。

この場合、以下の設定が必要です。

  1. GLSの引継ぎ仮想インタフェースの設定を合計6つ作成します。

    [引継ぎ仮想インタフェースの設定]
    
    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc print
    ifname takeover-ipv4 takeover-ipv6 +----------+----------------+--------------------------------------------------+ sha11:65 192.168.10.11 - sha12:65 192.168.10.12 - sha13:65 192.168.10.13 - sha21:65 192.168.20.11 - sha22:65 192.168.20.12 - sha23:65 192.168.20.13 -
  2. 各ゾーンが登録されている3つのクラスタアプリケーションに対して、管理LANと業務LANのGlsリソースを登録します。

    [ユーザアプリケーションに対するリソース登録]
    
     ユーザアプリケーション(uApp1)
       ・Cmdlineリソース(ノングローバルゾーン(zone-a)制御)
       ・Glsリソース(管理LAN(sha11:65の192.168.10.11))
       ・Glsリソース(業務LAN(sha21:65の192.168.20.11))
     ユーザアプリケーション(uApp2)
       ・Cmdlineリソース(ノングローバルゾーン(zone-b)制御)
       ・Glsリソース(管理LAN(sha12:65の192.168.10.12))
       ・Glsリソース(業務LAN(sha22:65の192.168.20.12))
     ユーザアプリケーション(uApp3)
       ・Cmdlineリソース(ノングローバルゾーン(zone-c)制御)
       ・Glsリソース(管理LAN(sha13:65の192.168.10.13))
       ・Glsリソース(業務LAN(sha23:65の192.168.20.13))

注意

  • Glsリソースとして登録した引継ぎ仮想インタフェースのIPアドレスは、共有IPゾーンの通信に使用できません。Cmdlineリソース(共有IP制御)によってノングローバルゾーンに割り当てられるIPアドレスを通信に使用します。

  • NIC切替方式で束ねる物理インタフェースをノングローバルゾーンのネットワーク設定に指定する場合は、待機インタフェースの非活性方法をhanetparamコマンドの’-d’オプションで“Unplumb”から“Plumb”に変更する必要があります。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -d plumb
    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print Line monitor interval(w) :5 Line monitor message output (m) :0 Cluster failover (l) :5 Standby patrol interval(p) :15 Standby patrol message output(o) :3 NIC switching mode(d) :Plumb Cluster failover in unnormality (c):OFF Line status message output (s) :OFF

2-5. 作業用クラスタアプリケーションの作成

グローバルゾーンにおいて、ノングローバルゾーンの数だけ作業用クラスタアプリケーションを作成してください。

あるノングローバルゾーンに対応する作業用クラスタアプリケーションには、そのノングローバルゾーンに対応するGdsリソース、Glsリソース、およびGDSクラスに含まれる各ボリュームに対応する切替ファイルシステム(Fsystem)リソースを登録してください。

本節で作成した各作業用クラスタアプリケーションを起動し、運用系でOnline状態にしておきます。