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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.3

6.7.3 クラスタアプリケーションの依存関係の設定

RMS Configuration運用形態設定として、以下のような設定ができます。

注意

起動優先度の設定は今版では提供されない機能です。

6.7.3.1 クラスタアプリケーションの排他関係を設定する

クラスタアプリケーションに排他関係を設定し、排他関係にあるクラスタアプリケーションが1つのクラスタノードで同時に運用状態にならないようにします。排他関係はスタンバイ運用のクラスタアプリケーション間にのみ設定できます。フェイルオーバが発生した場合は、排他関係にあるクラスタアプリケーションの業務優先度で運用を継続するクラスタアプリケーションを決定します。

注意

あるノードでクラスタアプリケーションがFaulted状態となっている場合、そのノード上で排他関係にあるクラスタアプリケーションを新たに起動して運用状態にすることはできません。後から起動されたクラスタアプリケーションは業務優先度にかかわらず停止されます。

これは、Faulted状態のクラスタアプリケーション配下のリソースがすべて停止できていない可能性があることが理由です。

このような場合には、Faulted状態のクラスタアプリケーションに対し Faulted 状態のクリアを実施して Offline状態としてから、排他関係にあるクラスタアプリケーションを起動してください。

クラスタアプリケーションの Faulted状態のクリア操作については、“7.2.2.4 Faulted 状態のクラスタアプリケーションを運用状態にする”を参照してください。

排他関係にあるクラスタアプリケーションのフェイルオーバ時の動作を、以下の場合に分けて説明します。

■排他関係にあるクラスタアプリケーションの業務優先度が異なる場合

業務優先度の高いクラスタアプリケーションが運用中であるノード、または、業務優先度の高いクラスタアプリケーションがフェイルオーバしてきたノードでは、業務優先度の低いクラスタアプリケーションに対しhvswitch(1M)の-pオプションが実行されます。hvswitch(1M)の-pオプションが実行されたクラスタアプリケーションがどのように状態遷移するかについては、hvswitch(1M)のマニュアルページを参照してください。

●業務優先度が高いクラスタアプリケーションのフェイルオーバ

業務優先度の高いクラスタアプリケーションがフェイルオーバする場合、業務優先度の高いクラスタアプリケーションが常に運用状態になります。

●業務優先度が低いクラスタアプリケーションのフェイルオーバ

業務優先度の低いクラスタアプリケーションがフェイルオーバする場合、フェイルオーバするノード上に運用状態の業務優先度の高いクラスタアプリケーションが存在しないときだけフェイルオーバします。

■排他関係にあるクラスタアプリケーションの業務優先度が同一の場合

すでに運用中であるクラスタアプリケーションの運用を継続します。

すでにクラスタアプリケーションが運用中であるノードでは、後から起動するクラスタアプリケーションに対しhvswitch(1M)の-pオプションが実行されます。

hvswitch(1M)の-pオプションが実行されたクラスタアプリケーションがどのように状態遷移するかについては、hvswitch(1M)のマニュアルページを参照してください。

参考

排他関係を設定するには、排他関係を設定するクラスタアプリケーションのグループを作成します。グループは最大52個まで作成することができます。

■排他関係の設定

排他関係を設定する方法について説明します。

図6.63 排他関係の設定の流れ

■クラスタアプリケーション間の依存関係の設定を起動する

“userApplication Configuration Wizard”のトップメニューで、<userApplication間の依存関係を設定>を選択します。

図6.64 userApplication Configuration Wizardトップメニュー

<次へ>をクリックし、“userApplicationの起動優先度、排他を設定”画面へ進みます。

注意

“userApplication間の依存関係を設定”メニューは、クラスタシステム内に2つ以上のスタンバイ運用のクラスタアプリケーションが存在している場合にのみ選択できます。

■userApplicationの排他設定を選択する

<userApplicationの排他設定>を選択します。

図6.65 userApplicationの起動優先度、排他を設定

<次へ>をクリックし、“userApplicationの排他情報を設定”画面へ進みます。

userApplication間の排他の設定をする

排他関係を設定するグループを作成し、グループにクラスタアプリケーションを追加します。

図6.66 userApplicationの排他情報を設定

userApplication

クラスタアプリケーションの一覧を表示します。すでにいずれかのグループに設定されているクラスタアプリケーションやスケーラブル運用のクラスタアプリケーションは表示されません。

グループ 選択ボックス

設定画面中央のリストボックスからクラスタアプリケーションを設定するためのグループを選択します。「新規作成」が選択されている場合、新しいグループが作成されます。グループはA~Z、a~zの52個まで作成することができます。
グループが作成されていない場合は、「新規作成」のみ選択できます。

<追加-高い>/<追加-低い>ボタン

userApplicationの一覧で選択されているクラスタアプリケーションを、選択されているグループに追加します。<追加-高い>で追加した場合は業務優先度が高く、<追加-低い>で追加した場合は業務優先度が低く設定されます。
追加先のグループは、グループ選択ボックスであらかじめ選択しておきます。

<削除>ボタン

クラスタアプリケーションの排他設定を解除します。グループ内のクラスタアプリケーションを選択し、<削除>をクリックすることにより、クラスタアプリケーションを[userApplication]の一覧に戻すことができます。

設定終了後<次へ>をクリックし、“userApplicationの排他情報を登録”画面へ進みます。

参考

同じ業務優先度の場合は、「高い」に追加しても、「低い」に追加しても同じ動作となります。

■クラスタアプリケーション間の排他設定の登録情報を確認する

設定したクラスタアプリケーション排他関係の設定情報を確認します。

図6.67 userApplicationの排他情報を登録

設定した内容が表示されます。

登録情報の内容確認後、<登録>をクリックします。