以下の注意事項があります。
バックアップコマンド実行中にフェイルオーバが発生した場合、swstsrsemtchコマンドを使用して整合性がとれるようにリカバリー対処が必要です。
クラスタ運用を行う場合、AdvancedCopy Managerはクラスタグループに組み込まれており、クラスタグループの一部として動作するため、バックアップ運用はクラスタグループの運用系で実施する必要があります。
待機状態となっているノードや、別のクラスタグループからバックアップを行うことはできません。
バックアップボリュームとして使用するボリュームは、以下の手順でドライブ文字を削除してください。
この作業は、管理対象サーバ配下のデバイス情報を取り込む前に実施する必要があります。
プライマリノードでディスクの管理またはディスクアドミニストレータを使用してバックアップボリュームのドライブ文字を削除します。
セカンダリノードに移動します。
セカンダリノードでディスクの管理またはディスクアドミニストレータを使用してバックアップボリュームのドライブ文字を削除します。
プライマリノードに移動します。
上記作業は、MSCSまたはWSFCがフェイルオーバ時に実施するドライブ文字割当て処理を、バックアップボリュームに対して実施しないようにするため必要です。
スナップショット型のバックアップ運用を行ってください。
ECまたはRECを利用する場合は、レプリケーション運用を行ってください。クラスタ運用でのレプリケーション運用を行う場合の注意事項は、「15.1.7 クラスタ運用でのレプリケーション運用の注意事項」を参照してください。
メンテナンスモードについて
ボリュームがアクセス不可の場合、クラスタのリソースチェックによってフェイルオーバが発生することがあるため、物理ディスクリソースのメンテナンスモードをONにする必要があります。
以下の場合、バックアップ/リストア時にボリュームがアクセス不可になります。
バックアップ/リストアの前処理でボリュームがロックされる場合
AdvancedCopy Managerでは、以下の場合、バックアップ/リストアの前後処理でメンテナンスモードの自動設定を行います。
1つのディスクに1つのパーティションが存在する構成、かつ、バックアップ/リストア実行前にメンテナンスモードがOFFである場合
バックアップ/リストアの前後処理の詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
物理ディスクリソースのメンテナンスモードの設定を手動で行う場合は、以下の手順でバックアップ/リストアを実行します。
物理ディスクリソース(業務ボリューム/バックアップボリューム)のメンテナンスモードをONにします。
> cluster [ClusterName] res <業務ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on > cluster [ClusterName] res <バックアップボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on |
バックアップ/リストアを実行します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swstbackup Device-Name Device-Name swstbackup completed > |
物理ディスクリソース(業務ボリューム/バックアップボリューム)のメンテナンスモードをOFFにします。
> cluster [ClusterName] res <業務ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off > cluster [ClusterName] res <バックアップボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off |
ポイント
物理ディスクリソースのメンテナンスモード状態を確認するためには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。
cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint |
「状態」が「オンライン」と表示される場合、メンテナンスモードは"OFF"になっています。
「状態」が「オンライン(メンテナンス)」と表示される場合、メンテナンスモードは"ON"になっています。
クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアには、以下の注意事項があります。
SQL Serverバックアップ機能をMSCSまたはWSFCで運用する場合は、以下を実施してください。
SQL Server業務とAdvancedCopy Manager業務を同一クラスタグループ内に作成してください。論理IPアドレスをSQL ServerとAdvancedCopy Managerで共用しないでください。
swsrpbackup_sqlコマンドを実行する際は、環境変数SWSTGNODEにAdvancedCopy Managerの論理ノード名を事前に設定してください。
swstbackup_sqlsvrコマンド、swstrestore_sqlsvrコマンドを実行する際は、Xserverオプションを使用し、その引数には、SQL Serverの仮想サーバ名を指定してください。
デバイスマップファイルはプライマリノード、セカンダリノードの双方から参照できるように配置してください。共用ディスク上に配置するか、または、両ノードのローカルディスク上に配置してください。
MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合
AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼働している場合、稼働ノードだけでバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。
ただしクラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。
注意
以下のリソースを起動(オンライン)できない場合、バックアップ運用ができません。
AdvancedCopy COM Service_logicalNodeName
IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が"AdvancedCopy IP Address_logicalNodeName"です)
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース
AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)
バックアップ運用ディスク(運用したい業務ボリューム/バックアップボリューム)
以下の手順で、クラスタグループ停止中のバックアップ運用を行います。
両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
クラスタグループの停止方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
運用に必要なリソースを起動(online)にします。
以下のリソースを起動してください。
AdvancedCopy COM Service_logicalNodeName
IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が"AdvancedCopy IP Address_logicalNodeName"です)
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース
AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)
バックアップ運用ディスク(運用したい業務ボリューム/バックアップボリューム)
注意
リソースの起動は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じリソースを起動しないでください。
AdvancedCopy COM Service_logicalNodeNameと業務ディスクは依存関係が設定されているため、AdvancedCopy COM Service_logicalNodeNameを起動すると依存関係のあるディスクリソースがすべて起動されます。
リソースの起動方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。
環境変数の設定方法は以下のとおりです。
<実行例>
set SWSTGNODE=logicalNodeName |
バックアップ運用を実施します。
クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。
手順2で起動したリソースをすべて停止(オフライン)します。
リソースの停止方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
クラスタグループを起動(オンライン)します。
必要に応じて、クラスタグループを起動します。
クラスタグループの起動方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。