Storage CruiserおよびAdvancedCopy Managerでは、フェイルオーバするグループの構成単位を“クラスタ業務”と表現します。クラスタソフトウェアごとに、クラスタ業務の名称は異なっています。
クラスタソフトウェア | クラスタ業務の名称 |
---|---|
Cluster Service | クラスタグループ |
SafeCLUSTER | クラスタサービス |
Sun Cluster | リソースグループ |
PRIMECLUSTER | クラスタアプリケーションまたはuserApplication |
VERITAS Cluster Server | サービスグループ |
MC/ServiceGuard | パッケージ |
High Availability Cluster Multi-Processing | リソースグループ |
AdvancedCopy Managerを利用する場合
AdvancedCopy Managerのバックアップ管理/レプリケーション管理を使用して、クラスタ運用する業務ボリュームのバックアップを実施する場合、対象のクラスタ業務にAdvancedCopy Managerを追加します。相互待機運用のように複数のクラスタ業務で業務ボリュームのバックアップを実施する場合、それぞれのクラスタ業務にAdvancedCopy Managerを追加します。
実行されたAdvancedCopy Managerの機能(バックアップ管理のコマンドなど)が属しているクラスタ業務を判断するために、AdvancedCopy Managerはクラスタ業務ごとに一意の名称(論理ノード名)を割り当てます。この論理ノード名を環境変数SWSTGNODEに設定してAdvancedCopy Managerのコマンドを実行することで、コマンドは対象のクラスタ業務を判断し処理を実行します。
AdvancedCopy Managerのサーバ追加処理で「論理IPアドレス」と「業務用通信デーモン/サービスのポート番号(stgxfws_logicalNodeName)」を設定することで、対象のクラスタ業務をAdvancedCopy Managerのサーバとして追加します。
注意
論理ノード名は、AdvancedCopy Managerだけで使用する値です。クラスタ業務やクラスタシステムで割り当てる論理ホスト名などとは連携しません。
AdvancedCopy Managerは、クラスタ運用のマシンでローカルディスク(クラスタ運用していないディスク)のバックアップ/レプリケーションを運用できます。このようなローカルディスクのバックアップ運用/レプリケーション運用を実施する業務をローカル業務と表現します。ローカル業務はフェイルオーバしません。クラスタ業務に属していないローカルボリュームのバックアップ/レプリケーションを運用する場合は、ローカル業務にバックアップ/レプリケーションを設定します。
ローカル業務は、論理ノード名を使用しません。環境変数SWSTGNODEは設定せず、AdvancedCopy Managerのコマンドを実行することで、コマンドはローカル業務と判断し処理を実行します。
AdvancedCopy Managerのサーバ追加処理で「物理IPアドレス」と「ローカル業務用通信デーモン/サービスのポート番号(stgxfws)」を設定することで、対象のマシンをAdvancedCopy Managerのサーバとして追加します。
クラスタ業務とローカル業務の関係を下図に示します。
図2.1 クラスタ業務とローカル業務
クラスタ業務Aのボリュームをバックアップ管理/レプリケーション管理で運用する場合、クラスタ業務AにAdvancedCopy Managerを追加します。
クラスタ業務Bのボリュームをバックアップ管理/レプリケーション管理で運用する場合、クラスタ業務BにAdvancedCopy Managerを追加します。
ノード1のボリュームをバックアップ管理/レプリケーション管理で運用する場合、ローカル業務1を作成します。
ノード2のボリュームをバックアップ管理/レプリケーション管理で運用する場合、ローカル業務2を作成します。