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PRIMECLUSTERGlobal Disk Services 説明書 4.2

A.2.20 EMC Symmetrix を使用する場合

EMC 社製ストレージ装置 Symmetrix を使用する場合、EMC 社製ソフトウェア PowerPath が必須です。GDS では、EMC Symmetrix の emcpower デバイス、および emcpower デバイスを構成する native デバイスを管理することができます。

通常は、emcpower デバイスを管理対象とします。ただし、native デバイスを管理対象としているシステムでは、引き続き native デバイスを使用してください。

以下のデバイスは、GDS で管理することはできません。

これらのデバイスや EMC 社製ソフトウェアの設定が完了した後に、下記の手順に従って、GDS によるディスク管理の対象外とするデバイスのリストを /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab ファイル (除外リスト) に記述してください。除外リストには、上記のデバイスの他、GDS で管理すべきでないディスクをすべて記載します。

[手順]

  1. BCV、R2、GateKeeper、CKD の各デバイスは、SYMCLI で提供される syminq コマンドで確認できます。syminq コマンドを実行し、BCV、R2、GK、CKD と表示されるすべてのデバイス (cCtTdD、emcpowerN) を除外リストに記載します。

  2. VCMDB デバイスは、syminq コマンドでは確認できません。EMC 社の SAN 管理ソフトウェア (Volume Logix、ESN Manager、SAN Manager など) を使用している場合は、EMC 社のエンジニア、またはその SAN 管理ソフトウェアの設定を行ったシステム管理者に VCMDB のデバイス名を確認して、除外リストに追記します。

  3. native デバイスを管理対象とする場合は、すべての emcpower デバイス (emcpowerN) と管理対象外の native デバイス (cCtTdD) を、除外リストに記載します。

    emcpower0 (管理対象外)
    c2t0d0 (管理対象)
    c3t0d0 (管理対象外)

  4. emcpower デバイスを管理対象とする場合は、すべての native デバイス (cCtTdD) を、除外リストに記載します。

    emcpower0 (管理対象)
    c2t0d0 (管理対象外)
    c3t0d0 (管理対象外)

  5. 手順 1.~ 3. で記載したデバイス以外にも GDS で管理すべきでないデバイスがある場合は、除外リストに追記します。

除外リストの管理のため、デバイス名の後に "PP"、"BCV"、"R2"、"GK"、"CKD"、"VCMDB" といったタグを記述することを推奨します。デバイス名とタグの間には、1 つ以上の空白を入れてください。

除外リストは以下のようになります。

参考

sdxexdevtabおよび exdevtab.sh

除外リスト /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab を簡易作成するためのスクリプトのサンプル /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab.sample、および exdevtab.sample.sh を提供しています。

このスクリプトを使用する場合は、エディタを使用して、スクリプトの以下の 2 つのパラメタ (syminq コマンドおよび powermt コマンドのパス) を実行環境に合わせて修正してください。

SYMINQ=/usr/symcli/bin/syminq
POWERMT=/etc/powermt

native デバイスを管理対象とする場合は、sdxexdevtab を使用します。sdxexdevtab を実行すると、emcpower デバイス、管理対象外の native デバイス、および BCV、R2、GateKeeper、CKD の各デバイスが除外リストに記載されます。VCMDB デバイスは記載されません。必要に応じて、sdxexdevtab を事前に修正するか、または上記の手順 1. ~ 5. に従って、GDS で管理すべきでないディスクを追記してください。

# cp /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab.sample
/etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab
# chmod u+x /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab

# /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab -M > /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab
# vi /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab

emcpower デバイスを管理対象とする場合は、exdevtab.sh を使用します。exdevtab.sh を実行すると、emcpower デバイスの native デバイス、および BCV、GateKeeper、CKD の各デバイスが除外リストに記載されます。R2 デバイスおよび VCMDB デバイスは記載されません。必要に応じて、exdevtab.sh を事前に修正するか、または上記の手順 1. ~ 5. に従って、GDS で管理すべきでないディスクを追記してください。

# cp /etc/opt/FJSVsdx/bin/exdevtab.sample.sh
/etc/opt/FJSVsdx/bin/exdevtab.sh
# chmod u+x /etc/opt/FJSVsdx/bin/exdevtab.sh

# /etc/opt/FJSVsdx/bin/exdevtab.sh
# vi /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab

注意

プロキシ構成における EMC TimeFinder または EMC SRDF 利用

プロキシ構成で EMC TimeFinder または EMC SRDF を利用する場合は、プロキシグループに接続する BCV、R2 デバイス、および その BCV、R2 デバイスを構成する native デバイスのうち、GDS の管理対象とするデバイスは除外リストに記載しないでください。
詳細については、「A.2.21 プロキシ構成における EMC TimeFinder および EMC SRDF の利用」を参照してください。

注意

PRIMECLUSTER システムの場合

  • PRIMECLUSTER システムの場合、クラスタを構成する全ノードで除外リストを作成してください。

  • GDS で管理できないデバイスは、自動リソース登録 (自動構成) の対象にもできないため、自動リソース登録を行う前に、自動リソース登録の除外リストにも記述する必要があります。詳細については、「PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書」を参照してください。

  • BCV デバイスを自動リソース登録の対象とする場合、自動リソース登録を実施する際には、BCV ペアをスプリットまたはキャンセルしておく必要があります。

  • SRDF ペアの R2 デバイスを自動リソース登録の対象とする場合、自動リソース登録を実施する際には、その SRDF ペアをスプリット状態にしておく必要があります。

注意

カーネルパラメタ

  • EMC PowerPath 1.5.0.x を使用し、emcpower デバイスを GDS で管理する場合、/etc/system ファイルに以下の記述がなければ、行を追加してください。

    forceload: drv/emcpower
  • EMC PowerPath 2.0.2 以降を使用し、emcpower デバイスを GDS で管理する場合、/etc/system ファイルに以下の記述がなければ、行を追加してください。

    set lwp_default_stksize=0x6000
    set rpcmod:svc_default_stksize=0x6000
  • EMC PowerPath 2.1.1 以降を使用し、emcpower デバイスをGDSで管理する場合、/etc/system ファイルに以下の記述がなければ、行を追加してください。

    set lwp_default_stksize=0x6000
    set rpcmod:svc_default_stksize=0x6000
    set emcp:bPowerIgnoreFEXCL=1
  • EMC PowerPath 3.x を使用する場合は、カーネルパラメタの設定は必要ありません。

参考

exdevtab ファイルに記述されたデバイス

exdevtab ファイルに記述されたディスクデバイスは、クラスに登録できません。exdevtab ファイルに記述されたディスクデバイスをクラスに登録しようとした場合、"ERROR: 物理ディスク名: no such device" というエラーメッセージが出力されます。