物理ディスクを交換する手順については、GDS 運用管理ビューを使用する場合は 「5.3.4 ディスク交換」、コマンドを使用する場合は「D.8 sdxswap - ディスクの交換」を参照してください。
ここでは、物理ディスク交換に関する注意事項を説明します。
物理ディスクの容量
交換前の物理ディスクよりも容量の小さい物理ディスクに交換することはできません。
物理ディスク交換できないディスク
ボリューム内で唯一有効な (ACTIVE または STOP 状態の) スライスが存在するディスクは、物理ディスク交換ができません。
例えば、以下の場合が該当します。
ディスク 1 つだけが接続されているグループにボリュームが作成されている場合
グループに接続されていないシングルディスクにボリュームが作成されている場合
この場合、以下のいずれかの構成変更を行うことにより、物理ディスク交換が可能になります。
交換するディスクがミラーグループに接続されている場合、ミラーグループに新しいディスクを追加し、ボリュームの等価性コピーが正常に完了すると、物理ディスク交換が可能になります。
シングルディスクを交換する場合、シングルディスクと使用していない他のディスクを新しいミラーグループに追加し、ボリュームの等価性コピーが正常に完了すると、物理ディスク交換が可能になります。
交換するディスクに存在するボリュームを削除すると、物理ディスク交換が可能になります。
ボリュームを削除する前に、必要に応じてボリュームのデータをバックアップしてください。
予防保守の場合など、交換するディスクのデータが正当な場合は、a. および b. を推奨します。この場合、活性交換可能なディスク装置であれば、ボリュームを使用しているアプリケーションを停止せずにディスクを交換することができます。
クラスタシステムにおける物理ディスク交換
リソースデータベースに登録されている物理ディスクを交換した場合、物理ディスク復旧 (または sdxswap -o コマンド) が完了した後、クラスのタイプに関わらず、自動リソース登録を実行する必要があります。これは、PRIMECLUSTER のリソースデータベースに登録されている、交換前のディスクの VTOC のボリューム名を、交換後のディスクの VTOC に反映するためです。自動リソース登録を行わなかった場合、ノード起動時に、ディスク装置の結線誤りを示すメッセージが出力されたり、フェイルオーバが発生することがあります。
シャドウクラスに登録されている物理ディスクの交換
GDS Snapshot のシャドウクラスに登録されているシャドウディスクの物理ディスクを交換する場合は、まず、GDS Snapshot のコマンドを使用してシャドウディスクを削除する必要があります。GDS Snapshot のコマンドの詳細については、「付録D コマンドリファレンス」を参照してください。
交換するディスク装置がディスククラスに登録されているかどうかによって、交換手順は異なります。
交換する物理ディスクがディスククラスに登録されている場合
シャドウディスクを削除した後、ディスククラスを管理しているドメインにおいて、本手順に従って物理ディスクの交換を行ってください。
ディスク装置に異常が発生した場合、関連する SDX オブジェクトとシャドウオブジェクトの両方が異常な状態になるとは限りません。一方のオブジェクト状態だけが異常になった場合でも、シャドウディスクの削除と物理ディスク交換の両方の作業が必要です。
交換するディスク装置がディスククラスに登録されていない場合
この場合、交換するディスク装置はディスク装置のコピー機能のコピー先となっています。
「5.3.4 ディスク交換」および「D.8 sdxswap - ディスクの交換」で説明されている GDS の操作を実施する必要はありません。シャドウディスクを削除した後、ディスク装置のコピー機能のマニュアルに従ってディスク交換作業を行ってください。