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Interstage List Works V10.4.0 インストールガイド
FUJITSU Software

9.4.3 コマンド

SSLによる暗号化通信を行う際に使用するコマンドについて説明します。

注意

登録した証明書を利用するには、Interstage管理コンソールでの設定変更や反映が必要です。

9.4.3.1 scsmakeenv

名前

scsmakeenv - CSR(証明書取得申請書)の作成、テスト用サイト証明書、Interstage証明書環境の作成

形式

[CSR(証明書取得申請書)作成]

scsmakeenv -n nickname -f filename [-c] [-k keysize] [-g group] [-p password]
           [-cn CommonName [-ou OrganizationalUnit] [-or Organization] [-lo Locality] [-st State] [-cc CountryCode]]

[テスト用サイト証明書作成]

scsmakeenv -n nickname [-c] [-k keysize] [-v valday] [-g group] [-p password] 
           [-cn CommonName [-ou OrganizationalUnit] [-or Organization] [-lo Locality] [-st State] [-cc CountryCode]]

[Interstage証明書環境の作成、変更]

scsmakeenv -e [-p password] [-c] [-g group]

機能説明

scsmakeenvコマンドは、RSA暗号アルゴリズムの公開鍵・秘密鍵の鍵ペアを作成し、CSR(証明書取得申請書)をファイルへ出力します。また、オプション(-f filename)を省略することによりテスト用サイト証明書を作成することもできます。scsmakeenvコマンドで作成した、テスト用の鍵・サイト証明書はInterstage証明書環境に登録されます。本コマンドをシステムで初めて実行したとき、Interstage証明書環境を作成し、パスワードを設定します。以後は、その設定したパスワードでInterstage証明書環境を使用します。

CSR(証明書取得申請書)を作成してから自分のサイト証明書を入手し登録するまでの間にInterstage証明書環境が破壊されたり、秘密鍵が削除されてしまうと、自分のサイト証明書は使用できなくなります。そのため、本コマンドでInterstage証明書環境を構築した後は、秘密鍵の保護のためにInterstage証明書環境をバックアップしてください。

ポイント

本コマンドでInterstage証明書環境だけを作成する場合、Interstage証明書環境の変更を行う場合およびInterstage証明書環境をバックアップする方法については、下記のURLから参照できるマニュアルをご覧ください。

    http://software.fujitsu.com/jp/manual/

指定可能なオプションを以下に示します。

以降は、テスト用サイト証明書、およびCSR(証明書取得申請書)発行時に指定できるDN情報オプションです。省略するとDN情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

備考

注意

  • CSR(証明書取得申請書)を作成しサイト証明書を入手し登録するまでの間、秘密鍵の保護のためにInterstage証明書環境をバックアップしてください。バックアップする方法については、下記のURLから参照できるマニュアルをご覧ください。

      http://software.fujitsu.com/jp/manual/
  • 本コマンドを最初に実行したときに設定したパスワードは、忘れないでください。忘れると、scsmakeenv、scsenter、scsdelete、scslistcrl、scsexppfx、scsimppfx、scslistコマンドは実行できなくなります。

  • パスワードは流出したり盗まれたりしないように管理してください。
    また、名前や単語などの推測しやすい文字列や、すべて同じ文字を使用した文字列を設定しないようにしてください。英数字や記号を混在させた、できるだけ長い文字列を設定することを推奨します。

  • コマンドで作成したサイト証明書は、テスト用証明書として使用できます。ただし、作成された証明書はテスト環境でのみ信用できるものであり、外部環境(例えばインターネットなど)に対しての信頼性を保証できるものではありません。従って、実際の運用でそのまま使用されてしまうことのないよう、十分に注意してください。

  • テスト用証明書を作成後は、証明書の発行依頼、証明書・CRLの登録を実行する必要はありません。“9.4.1.3 証明書を利用するための設定”の“(1) 証明書の利用設定”以降を実行してください。

  • 本コマンドを初めて実行したときにエラー終了すると、Interstage証明書環境が正しく作成されない場合があります。その場合には、Interstage証明書環境を削除し、再度scsmakeenvコマンドを実行してInterstage証明書環境を作成しなおしてください。
    Interstage証明書環境のパス名と、Interstage証明書環境の再作成前に削除する資源は以下のとおりです。

    • Interstage証明書環境
      /etc/opt/FJSVisscs/security

    • 再作成前に削除する資源
      /etc/opt/FJSVisscs/security/env配下

    なお、Interstage証明書環境を作成後に環境が破壊された場合は、Interstage証明書環境を復元するようにしてください。なお復元方法については、下記のURLから参照できるマニュアルをご覧ください。

        http://software.fujitsu.com/jp/manual/
  • 本コマンドの実行時には環境変数JAVA_HOMEにJDKまたはJREのインストールパスを設定してください。

  • 本コマンドは、スーパーユーザで実行してください。

  • -gオプションで所有グループを変更する場合には、すべてのサービスを停止してから変更してください。また、変更前のグループに所属しているユーザは、変更後のグループに所属するように変更しないと、サービスの起動に失敗する場合があります。

  • -gオプションで指定するInterstage証明書環境の所有グループに関する詳細については、下記のURLから参照できるマニュアルをご覧ください。

        http://software.fujitsu.com/jp/manual/

使用例

CSRを作成する場合

注意

CSRを作成する際に指定するニックネームは、認証局から取得したサイト証明書を登録する時に必要になるため、忘れないようにしてください。

> scsmakeenv -n SiteCert -f /usr/home/my_dir/my_csr.txt -c -g iscertg
Password: *1

Input X.500 distinguished names.
What is your first and last name?
[Unknown]:SiteName.domain *2
What is the name of your organizational unit?
[Unknown]:Interstage *2
What is the name of your organization?
[Unknown]:Fujitsu Ltd. *2
What is the name of your City or Locality?
[Unknown]:Yokohama *2
What is the name of your State or Province?
[Unknown]:Kanagawa *2
What is the two-letter country code for this unit?
[Un]:jp *2
Is <CN=SiteName.domain, OU=Interstage, O=Fujitsu Ltd., L=Yokohama, ST=Kanagawa, C=jp> correct?
[no]:yes *3
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
証明書がキーストアに追加されました。
UX: SCS: 情報: scs0101: CSR(証明書取得申請書)を作成しました。</usr/home/my_dir/my_csr.txt>
UX: SCS: 情報: scs0180: Interstage証明書環境の所有グループを設定しました。

*1:
入力したパスワードは表示されません。なお、初回はパスワード登録となり、以下のプロンプト表示となります。入力したパスワードの確認のため、再入力(Retype)してください。

New Password:
Retype:

*2:
注意事項を参照し、入力してください。

*3:
表示された情報でCSRを作成する場合、“yes”を入力してください。再度入力しなおしたい場合には、“no”を入力してください。

テスト用サイト証明書を作成する場合
> scsmakeenv -n testCert
Password: *1

Input X.500 distinguished names.
What is your first and last name?
[Unknown]:SiteName.domain *2
What is the name of your organizational unit?
[Unknown]:Interstage *2
What is the name of your organization?
[Unknown]:Fujitsu Ltd. *2
What is the name of your City or Locality?
[Unknown]:Yokohama *2
What is the name of your State or Province?
[Unknown]:Kanagawa *2
What is the two-letter country code for this unit?
[Un]:jp *2
Is <CN=SiteName.domain, OU=Interstage, O=Fujitsu Ltd., L=Yokohama, ST=Kanagawa, C=jp> correct?
[no]:yes *3
SCS: 情報: scs0102: 自己署名証明書を作成しました。

*1:
入力したパスワードは表示されません。なお、初回はパスワード登録となります。入力したパスワードの確認のため、再入力(Retype)してください。

*2:
注意事項を参照し、入力してください。

*3:
表示された情報で証明書を作成する場合、“yes”を入力してください。再度入力しなおしたい場合には、“no”を入力してください。

作成済みのInterstage証明書環境の所有グループを変更する場合
> scsmakeenv -e -g iscertg2
Password: *1
UX: SCS: 情報: scs0181: 既にInterstage証明書環境は作成されています。
UX: SCS: 情報: scs0180: Interstage証明書環境の所有グループを設定しました。

*1:
入力したパスワードは表示されません。