業務処理実行アプリケーションをCOBOLで作成する場合には、非同期アプリケーション連携実行基盤について、以下の項目を設計します。
動作モード
ライブラリのロード方法(COBOLの場合)
ポイント
Javaで作成した業務処理実行アプリケーションは、スレッドモードでだけ動作するため、動作モードの設計は不要です。
■動作モード
業務処理実行アプリケーションを実行するときの多重化の方法を設計します。動作モードには、以下の2種類があります。
プロセスモード(COBOLの場合)
ワークユニット内で、業務処理実行アプリケーションを複数のプロセスで同時に実行するモードです。業務処理実行アプリケーションをCOBOLで作成する場合にだけ使用できます。
スレッドモード
業務処理実行アプリケーションを、1つのプロセス内で複数のスレッドで同時に実行するモードです。
以下に、それぞれの動作モードの特徴を示します。システムの要件に応じて動作モードを選択してください。
考慮が必要な要素 | 動作モード | |
---|---|---|
プロセスモード | スレッドモード | |
システムリソースの消費量 | 多い | 少ない |
ユーザアプリケーション | スレッドアンセーフ | スレッドセーフ |
プロセス資源の共有 | 共有不可 | 共有可 |
ほかのアプリケーションの異常終了による影響 | 1つのプロセスだけ異常終了 | すべて異常終了 |
ダイナミックロードの使用 | 使用不可 | 使用可 |
動作モードは、システム構築シートで指定します。詳細は、“9.4.4 ワークユニット設定とアプリケーション情報の入力”を参照してください。
■ライブラリのロード方法(COBOLの場合)
業務処理実行アプリケーションをCOBOLで作成する場合に、ライブラリのロード方法を設計します。ライブラリのロード方法には、以下の2種類があります。
プレロード
非同期アプリケーション連携実行基盤のプロセスを起動するときに、ライブラリをロードします。あらかじめライブラリを読み込むことにより、処理要求に対する応答性能が向上するため、常に実行要求を受け付ける処理の場合に利用します。
ダイナミックロード
処理要求を受け付けたときに、ライブラリをロードします。ライブラリが大量でプレロードを行えない場合や、処理要求の頻度が少ない処理の場合に利用します。非同期アプリケーション連携実行基盤の動作モードがスレッドモードの場合に利用できます。
以下に、それぞれのロード方法の特徴を示します。
No. | 考慮が必要な要素 | ロード方法 | |
---|---|---|---|
プレロード | ダイナミックロード | ||
(1) | プロセスモードの使用 | 使用可 | 使用不可 |
COBOL実行環境の引継ぎ | 行う | 行わない | |
(2) | 応答性能 | 速い | 遅い |
ワークユニットの起動性能 | 遅い | 速い | |
メモリの消費量 | 多い | 少ない | |
(3) | アプリケーションの利用頻度 | 多い | 少ない |
以下に、ライブラリのロード方法は、以下の指針で選択します。
まず、(1)の要件について検討し、ロード方法を選択します。
(1)の要件でどちらのロード方法を選択しても問題ない場合には、(2)の要件を検討したうえで、(3)の要件に該当するロード方法を選択します。
注意
ダイナミックロードは、以下の条件をすべて満たす場合にだけ利用できます。
COBOL実行環境の引継ぎを行わない場合
アプリケーションの最大スレッド数が1の場合(スレッドモードでスレッド最大多重度に1を指定、またはプロセスモードを選択)
ライブラリのロード方法は、システム構築シートで指定します。詳細は、“9.4.4 ワークユニット設定とアプリケーション情報の入力”を参照してください。