ここでは、PowerReplicationの導入効果の例を説明します。
クライアント-サーバ型システムからPowerReplicationへの移行例
クライアント-サーバ型システムから、PowerReplicationを活用したシステムへ移行することによる導入効果を説明します。
図1.5 クライアント-サーバ型システム(移行前)
クライアント-サーバ型のシステムでは、1台のサーバ上のDBMSへのアクセスが集中するため、利用者プログラムの応答性能が遅くなります。
また、大量のデータ検索を行うと、サーバやネットワークの負荷が増大し、利用者プログラムの応答性能が著しく悪くなる場合もあります。
図1.6 PowerReplicationを活用すると(移行後)
PowerReplicationを活用すると、分散配置されたサーバのDBMSにアクセスできるため、利用者プログラムの応答性能を向上できます。
また、更新されたデータだけがネットワーク経由で転送されるため、ネットワークの負荷を最小限に抑えることができます。さらに、スケジュール実行機能を使用して、夜間などに同期を実行することで、ネットワークの負荷を時間帯で分散できます。
加えて、ネットワークや相手システム(本例では、マスタサーバ(本社))に何らかの不具合が発生しても、クライアントの業務を継続することが可能です。
夜間のバッチ転送運用からPowerReplicationへの移行例
マスタデータを夜間にバッチ転送する運用から、PowerReplicationを活用したシステムへ移行することによる導入効果を説明します。
図1.7 夜間にマスタデータをバッチ転送(移行前)
夜間のバッチ処理で、本社のマスタデータをCSVファイルに変換し、FTP転送により各支店に配信する例です。
図1.8 夜間バッチ処理からPowerReplicationに変更(移行後)
PowerReplicationを活用することで、本社のマスタデータを一定間隔で支店のDBMSに転送する運用が可能となります。これにより、各支店では、各支店のDBMSから直接データを取り出すことができます。
逆に、各支店の売上データを、本社のSymfoware6000に対して、一定間隔で反映する運用も可能となります。
PowerReplicationの環境を構築後、連携するサーバやデータベースの追加など、環境を変更する場合、運用(業務)を一旦停止することが必要です。このため、業務を拡張するなどで、環境を変更する場合、計画的に行うことが必要です。