Interstage AR Processing Serverが提供する位置情報を利用した認識方法について説明します。
- 位置情報
- 取得値
緯度、経度、高度の情報を取得できます。
緯度は、その地点における天頂(端末の真上)と赤道面のなす角度で表します。赤道を緯度0度として、南極を-90度、北極を+90度の10進法(例:35.40529)で表します。
経度は、グリニッジ子午線を基準に西へ-180度、東へ+180度の10進法(例:139.45579)で表します。 高度は、その地点の海面からの高さを表します。
- 位置情報の取得方式
製品では以下の方式で位置情報を取得します。なお、各方式は併用することができます。
項目
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GPS
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Wi-Fi
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モバイルネットワーク
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測位方式
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GPS衛星
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公衆Wi-Fiアクセスポイント
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モバイル基地局
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精度
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数m ~ 数十m
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数十m~数百m
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数千m
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屋内利用
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×
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○
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○
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屋外利用
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○
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△
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○
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測位時間
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数分(場所と衛星状況に影響を受ける)
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数秒
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数秒
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ネットワーク
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不要
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必要
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必要
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電池の消耗
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早い
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遅い
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遅い
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参考
- 位置情報の取得精度により、重畳するコンテンツの表示精度が大きく異なります。位置情報を利用する場合は、GPS、Wi-Fi、モバイルネットワークのすべてを利用することを推奨します。
- 対象物との距離が近い(各認識方式の最大誤差×10倍程度)場合、認識精度による誤差の影響が大きくなります。そのため、GPSを利用する場合は、数百m離れた位置のコンテンツが安定して表示されます。
- 精度は使用するスマートデバイスに依存します。
- 使用するスマートデバイスにより、同一条件下でも位置情報およびセンサー情報の取得状態は変わります。
- 位置情報の取得精度
「位置情報の取得方式」により異なるため、ご使用の環境に合わせて設定してください。すべての取得方式が有効な条件下で利用することで最も高精度に表示できます。
- 更新条件
- Android版
-
移動距離が10m以下の場合は位置情報の更新が無視されます。なお、10mは目安であるため、端末の仕様状況により誤差があります。
- GPSについては位置情報を30秒毎に取得します
- Wi-Fi/モバイルネットワークについては毎秒取得します。
- iOS版
大きく移動した場合に更新
されます。移動距離が10m以下の場合や室内、または地下鉄など位置情報が取得し難い場所では位置情報の更新が無視されます。
- カメラの傾き情報
地磁気センサーのコンパスの干渉などでカメラの傾き情報の精度が低くなっている場合は、地磁気センサーの調整が必要になります。干渉の原因となるものから離れるか、8の字に動かして調整してください。
参考
- カメラの傾き情報が1度ずれると、1km先のコンテンツが約17.5mずれて表示されます。
- 精度は使用するスマートデバイスに依存します。
- オブジェクト表示範囲
AR重畳表示コンテンツの表示範囲の設定可能値です。オブジェクト表示範囲は、現在の端末位置からARコンテンツの位置までの距離です。
- 設定可能値
オブジェクトの表示範囲は200,000mまで設定可能です。
注意
- 投影方法[3D表示]を設定している場合、遠くで重ね合わせることを想定したコンテンツを、近くで重ね合わせた際、コンテンツが画面全体に表示される場合があります。
見る位置に応じてシーンを切り替えたり、重畳内容を再設定したりするなど、確認を行ってください。
- 機内モード設定時には位置情報は取得できません。
- ご使用する端末や取得条件により更新頻度が変わります。
- 高度を取得する場合、利用する機器により常に0となる場合があります。
- 以下の場合にカメラの傾き情報の精度が低くなることがあります。
- スマートデバイスを天頂や足元に向けている場合
- 鉄筋や電気配線、電子機器など磁場を発する物の側にいる場合
- 磁鉄鉱を多く含む岩盤上など、地磁気の測定が困難な場所にいる場合