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Symfoware Server V12.1.x セットアップガイド
FUJITSU Software

D.11 ロードシェア運用の使用メモリ量

ロードシェア運用を行う場合に、RDBプロセス内に獲得するメモリ量です。

ロードシェア運用の使用メモリ量の概算は、次の式で見積もってください。

ロードシェア運用の使用メモリ量
      = 2.2MB 
        + フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量           ‥ (A)
        + リモートアクセスの使用メモリ量                           ‥ (B)
        + データベースアクセスの使用メモリ量                       ‥ (C)
        + rdbconbfコマンドによるDSIのバッファ結合サイズ            ‥ (D)
        + rdbresidentコマンドによるDSIのメモリ常駐サイズ           ‥ (E)
        + RDBディレクトリファイル管理が使用するメモリ量            ‥ (F)
        + ロードシェア構成パラメタファイルの指定で変動するメモリ量 ‥ (G)

(A) フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量

フラッシュトリートメントリカバリ機能を利用する場合に、RDBプロセス内に獲得するメモリ量です。フラッシュトリートメントリカバリ機能を利用すると、ノードダウンなどが発生したときに、引継ぎ元ノードから引継ぎ先ノードに処理を高速に引き継ぐことができます。

ロググループの配置先または引継ぎ先として定義したRDBシステムの場合に、メモリを獲得します。

フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量の概算は、次の式で見積もってください。

フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量
      = Σロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量

    ロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量
          = min(BIログ域サイズ,リカバリログ量 × 2) + min(AIログ域サイズ,リカバリログ量 × 2)
Σロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量

ロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量の総和です。

ロググループ単位にフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量を求め、それらを合計します。

ロググループには以下があります。

  • システムロググループ(RDBシステム内に1つ存在するロググループ。ロードシェア運用の場合は、Capitalシステムにのみ存在するロググループ。)

  • ユーザロググループ(スケーラブルログ運用を行う場合に追加定義するロググループ)

BIログ域サイズ

当該ロググループのテンポラリログファイル作成時に指定するBIログ域のサイズです。

AIログ域サイズ

当該ロググループのテンポラリログファイル作成時に指定するAIログ域のサイズです。

リカバリログ量

当該ロググループのテンポラリログファイル作成時に指定するリカバリログ量です。

min(BIログ域サイズ,リカバリログ量 × 2)

“BIログ域サイズ”と“リカバリログ量×2”を比較し、小さい値を見積りに採用します。

min(AIログ域サイズ,リカバリログ量 × 2)

“AIログ域サイズ”と“リカバリログ量×2”を比較し、小さい値を見積りに採用します。

(B) リモートアクセスの使用メモリ量

他RDBシステムにコネクションを接続しているアプリケーションからの要求を実行するために、RDBプロセス内に獲得するメモリ量です。

リモートアクセスの使用メモリ量の概算は、次の式で見積もってください。

リモートアクセスの使用メモリ量
      = Σリモートアクセス単位の使用メモリ量

    リモートアクセス単位の使用メモリ量
          = 0.7MB
           + Σアクセス対象の表単位の使用メモリ量
           + BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量
           + 処理手順格納用バッファサイズ
           + ワーク域サイズ
           + ソート域サイズ

        アクセス対象の表単位の使用メモリ量
              = 10KB
                +(表DSO数 + インデックスDSO数)× 9KB
                + 当該RDBシステムに偏在する表DSI数 × 250
                + 分割数 × 704
                + 当該RDBシステムに偏在するDSI数 × 2400

            表DSO数 = 1

        BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量
              = ΣBLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量

            BLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量
                  = BLOB型の列の実データ長 × 2
Σリモートアクセス単位の使用メモリ量

リモートアクセス単位の使用メモリ量の総和です。

リモートアクセス単位に使用メモリ量を求め、RDBシステムに同時に発生するリモートアクセスの使用メモリ量を合計します。

Σアクセス対象の表単位の使用メモリ量

アクセス対象の表単位の使用メモリ量の総和です。

アクセス対象の表単位に使用メモリ量を求め、それらを合計します。

インデックスDSO数

当該表に定義するインデックスのDSO数です。

当該RDBシステムに偏在する表DSI数

当該表を構成する表のDSIのうち、当該RDBシステムに偏在する表のDSIの数です。(当該RDBシステム配下に定義する表DSIが対象)

分割数

当該表の分割数(DSI分割数)です。

当該RDBシステムに偏在するDSI数

当該表を構成するDSI(表とインデックスのDSI)のうち、当該RDBシステムに偏在するDSIの数です。(当該RDBシステム配下に定義する表DSIとインデックスDSIが対象)

BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量

BLOB型の列を含む表をアクセスしない場合は、BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量は0バイトです。

BLOB型の列を含む表をアクセスする場合は、BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量を見積もります。

ΣBLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量

BLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量の総和です。

BLOB型の列を含む表単位に使用メモリ量を求め、それらを合計します。

BLOB型の列の実データ長

当該表のBLOB型の列の実データ長です。(バイト)

当該表にBLOB型の列を複数定義する場合、列単位に実データ長を求め、それらを合計します。

処理手順格納用バッファサイズ

SQLの処理手順を格納するバッファのサイズです。

クライアント用の動作環境ファイルのOPL_BUFFER_SIZEで指定します。

リモートアクセス元の動作環境ファイルで指定した値が引き継がれます。

処理手順格納バッファのサイズの見積りについては、“D.8 アプリケーションの使用メモリ量”の“処理手順格納用バッファサイズ”を参照してください。

ワーク域サイズ

作業域(作業用テーブル)として使用するメモリのサイズです。

クライアント用の動作環境ファイルまたはサーバ用の動作環境ファイルのWORK_MEM_SIZEで指定します。

リモートアクセス元の動作環境ファイルで指定した値が引き継がれます。

たとえば、カーソル宣言にSCROLLを指定していろいろな方向にカーソルを移動したり、副問合せを利用したりする場合などに使用します。これ以外にも作業域的な目的で使用することがあります。

ソート域サイズ

ソート処理のための作業域として使用するメモリのサイズです。

クライアント用の動作環境ファイルまたはサーバ用の動作環境ファイルのSORT_MEM_SIZEで指定します。

リモートアクセス元の動作環境ファイルで指定した値が引き継がれます。

ソート域を必要とするSQL文を発行した場合に使用します。

以下のSQLなどが該当します。

  • ORDER BY句を指定している。

  • GROUP BY句を指定している。

  • UNIONを指定している。

  • JOINを指定している。

(C) データベースアクセスの使用メモリ量

D.9 データベースアクセスの使用メモリ量”を参照してください。

(D) rdbconbfコマンドによるDSIのバッファ結合サイズ

rdbconbfコマンドで指定するDSIのサイズです。

参照

rdbconbfコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

rdbconbfコマンドによるDSIのバッファ結合サイズは、次の式で見積もってください。

rdbconbfコマンドによるDSIのバッファ結合サイズ(バイト)
        = Σ( 4KB + ( 512 + ページ長 ) × バッファ枚数 )
            + 110KB + ( 1KB × データベース数 ) + ( 512 × DSI数 )
バッファ枚数

共用バッファに開設するバッファのページ数です。

データベース数

バッファ結合するDSIのデータベースの数です。

DSI数

バッファ結合するDSIの数です。

(E) rdbresidentコマンドによるDSIのメモリ常駐サイズ

rdbresidentコマンドで指定するDSIのサイズです。

参照

rdbresidentコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

rdbresidentコマンドによるDSIのメモリ常駐サイズは、次の式で見積もってください。

rdbresidentコマンドによるDSIのメモリ常駐サイズ
        =  Σ(rdbresidentコマンドで指定するDSIサイズ + 4096 + 512
            × rdbresidentコマンドで指定するDSIのDSIごとのページ数)
            + 110KB + ( 1KB × データベース数 ) + ( 512 × DSI数 )
DSIのメモリ常駐サイズ

D.7 rdbresidentコマンドによるDSIのメモリ常駐サイズ”を参照してください。

データベース数

バッファ結合するDSIのデータベースの数です。

DSI数

バッファ結合するDSIの数です。

(F) RDBディレクトリファイル管理が使用するメモリ量

ユーザロググループ用RDBディレクトリファイルを管理するためにRDBプロセス内に獲得するメモリ量です。

RDBディレクトリファイル管理が使用するメモリ量を次の式で見積もってください。

除算結果の小数点以下は、整数に切り上げてください。

RDBディレクトリファイル管理が使用するメモリ量
        =  4KB + ( ( ロググループ数 ÷ 8 ) × 4KB ) × ( データベース数 × 16KB )
            + ( DSI数 ÷ 120 ) × 2KB
ロググループ数

ロードシェアシステムに定義しているロググループ数です。

データベース数

ロードシェアシステムに定義しているデータベースの数です。

DSI数

ロードシェアシステムに定義しているDSIの数です。

(G) ロードシェア構成パラメタファイルの指定で変動するメモリ量

ロードシェア構成パラメタファイルのRDBDWHINCOMに“YES”を指定した場合、RDBプロセスのメモリ使用量が増加します。

増加するメモリ使用量の概算を次の式で見積もってください。

SolarisSolarisの場合
増加するメモリ使用量
        = 20MB × (ロードシェアシステムを構成するRDBシステム数 - 1)
            + Σ(リモートアクセスで実行されるSQL文がアクセス対象とする表数) (注)
            × 1MB
            + (他RDBシステムから当該RDBシステムに同時に発生するリモートアクセス数)
            × 1MB
LinuxLinuxの場合
増加するメモリ使用量
        = 40MB × (ロードシェアシステムを構成するRDBシステム数 - 1)
            + Σ(リモートアクセスで実行されるSQL文がアクセス対象とする表数) (注)
            × 1MB
            + (他RDBシステムから当該RDBシステムに同時に発生するリモートアクセス数)
            × 1MB

注) 当該RDBシステムから他RDBシステムに同時に発生するリモートアクセスについて加算した値です。