Interstage Application Server V6.0(以降、Interstage V6.0)での変更内容を説明します。
デフォルト設定の追加
旧バージョンでMessage-driven Beanを運用する場合、EJBアプリケーション環境定義にJMSコネクションファクトリ名とDestination名の定義が必須でした。
8.0では、JMSコネクションファクトリ名とDestination名を定義しなかった場合、以下のデフォルト設定で動作します。
JMSコネクションファクトリ名
Topicの場合:TopicCF001
Queueの場合:QueueCF001
Destination名
EJBアプリケーション名をデフォルトのDestination名とします。
また、旧バージョンにおいて、トランザクション管理種別に「Container」が指定されていてトランザクション属性が設定されていないEJBアプリケーションは、運用することができませんでした。
8.0では、コンテナが自動的に「Required」が指定されたものとしてトランザクションの制御を行います。
非推奨機能
以下の機能群は、V6より非推奨機能となりました。いずれも旧資産との互換は保証されていますが、次期バージョンでは提供されない可能性があるため、代替機能への移行を推奨します。
なお、これらの機能に対する定義操作は、Interstage管理コンソールではサポートされていません。
セションタイムアウト機能
STATEFUL Session Beanの無通信監視機能をサポートしたことにより、セションタイムアウト機能は非推奨機能となっています。
Interstage管理コンソールからは定義できません。
以前のバージョン・レベルでセションタイムアウト機能を使用し、本バージョン・レベルで引き続き使用する場合は、以前のバージョン・レベルにてセションタイムアウト機能を使用していたEJBアプリケーション実行環境をejbdefexportコマンドを使用して移出し、本バージョン・レベルへejbdefimportコマンドで移入してください。
詳細は「第16章 運用コマンドを使用してカスタマイズする方法」を参照してください。
下位互換性のために、旧資産をそのまま使用する場合には引き続きサポートされます。
代替機能である「STATEFUL Session Beanの無通信監視機能」については、「10.5.3 STATEFUL Session Beanの無通信監視機能」を参照してください。
注意
セションタイムアウト機能を使用する場合は、STATEFUL Session Beanの無通信監視機能を使用することはできません。
トランザクションタイムアウト機能
EJBのトランザクションタイムアウト機能は非推奨機能となっています。
Interstage管理コンソールからは定義できません。
以前のバージョン・レベルでトランザクションタイムアウト機能を使用し、本バージョン・レベルで引き続き使用する場合は、以前のバージョン・レベルにてトランザクションタイムアウト機能を使用していたEJBアプリケーション実行環境をejbdefexportコマンドを使用して移出し、本バージョン・レベルへejbdefimportコマンドで移入してください。
詳細は「第16章 運用コマンドを使用してカスタマイズする方法」を参照してください。
トランザクションタイムアウトの代わりにワークユニットの時間監視機能を使用してください。
ワークユニットの時間監視をIJServerワークユニット作成時に設定する場合は、Interstage管理コンソールを使用する場合、[詳細設定] > [ワークユニット設定]で行います。また作成済みのIJServerワークユニットに対して設定する場合は、[ワークユニット] > [環境設定] > [ワークユニット設定]から「アプリケーション最大処理時間」を設定してください。
Interstage管理コンソールの詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
isj2eeadminコマンドを使用する場合は、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「isj2eeadminコマンド」を参照して設定してください。
最大メモリ量の設定
IJServerの最大メモリ量をIJServerワークユニット作成時に設定する場合は、Interstage管理コンソールを使用する場合、[詳細設定] > [ワークユニット設定]で行います。また作成済みのIJServerワークユニットに対して設定する場合は、[ワークユニット] > [環境設定] >[ワークユニット設定]から「JavaVMオプション」において以下を指定してください。
-Xmx[最大メモリ量]m
Interstage管理コンソールの詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
isj2eeadminコマンドを使用する場合は、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「isj2eeadminコマンド」を参照して設定してください。
V5で指定可能であったワークユニット定義項目のEJBアプリケーション最大メモリ量(Maximum Memory for EJB Application)は、ワークユニットの設定項目に表示されません。
同時処理数について
V5で提供されたIJServerでは同時処理数のデフォルトは40でしたが、8.0で提供されたIJServerでは同時処理数の最大値が64/最小値が16で動作します。
同時処理数の最大値/最小値は、以下で行います。
Interstage管理コンソールの[ワークユニット] > [EJBコンテナ設定]の「同時処理数」
isj2eeadminコマンドの「ejb」タグ
isj2eeadminコマンドを使用する場合は、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「isj2eeadminコマンド」を参照して設定してください。
性能オプションについて
V5でサポートしていた以下の性能オプションについては、デフォルトで動作します。
Interstage管理コンソールで指定する必要はありません。
EJBオブジェクトの共用
複数レコードの一括更新
SQL文のキャッシュ
STATELESS Session Beanのインスタンス数について
STATELESS Session Beanのインスタンス数を定義する必要がなくなりました。
STATELESS Session Beanのインスタンスは、STATELESS Session Beanへの初回アクセス時に「同時処理数の最大値」に指定された値の数だけ作成されます。
ログ出力について
V5で各ファイルに出力されていた以下の情報については、IJServerのログ(Windows(R)システムの場合、J2EE共通ディレクトリ\ijserver\[IJServer名]\log配下のファイル、Solaris/Linuxシステムの場合、J2EE共通ディレクトリ/ijserver/[IJServer名]/log配下のファイル)に出力されます。
なお、従来から出力しているイベントログのメッセージについては、従来通りイベントログにもメッセージが出力されます。
アプリケーションの標準出力、標準エラー出力
EJBコンテナログ
EJBコンテナのエラーメッセージ
EJBのスナップ出力
connectorのログ出力 (以下の注意参照)
注意
connectorのログ出力先を、従来と同じ場所に出力する場合は、以下を設定してください。
定義ファイル格納ディレクトリ |
|
定義ファイル名 | jca.properties |
指定するキー | log.file.option |
指定する値 | 「V5」を指定します。 |
例
log.file.option=V5
EJBアプリケーション名について
EJBアプリケーション名に「:」を使用することはできません。V5で「:」を使用していた場合には、配備時にEJBアプリケーション名を変更してください。
なお、名前を変更したEJBアプリケーション名を、アプリケーション名を変更せずにlookupする場合には、名前変換機能を使用してください。