Java EE 6資源のリストア・移入後に異常が発生する場合、ij6restoreコマンドに指定するオプションに誤りがあるか、資源のリストア・移入後の作業に誤りがあることが考えられます。「8.1.3 リストア手順」、「8.2.3 資源移入手順」の手順を参照し、正しい手順で資源のリストア・移入が行われたかどうかを確認してください。
以下のトラブルについて、原因と対処方法を説明します。
ij6setoperatoridコマンドの実行時にIJ6SETOPID014が出力され、コマンドの実行に失敗する場合
リストア・移出元のサービス運用ユーザーが存在しない場合、本メッセージが出力されます。リストア・移出元と同じサービス運用ユーザーが存在するか、確認してください。
PCMIサービスの起動時にPCMI0023が出力され、起動に失敗する場合
ij6setoperatoridコマンドをリストア・移入後に実行していないことが原因です。PCMIサービスを起動する前にissetsecuritymodeコマンド、ij6setoperatoridコマンドを実行してください。
Interstage Java EE 6 DASサービスの起動ができない場合
サーバーログを確認し、出力されているメッセージについて対処してください。
特に、以下のメッセージが出力されている場合、移出元の環境で指定していたHTTPリスナー、IIOPサービス、管理サービスのネットワークアドレスを、ij6restoreコマンドの-fオプションでIPアドレス・ホスト名設定ファイルを指定して変更したかどうか確認してください。また、メッセージブローカのホストが変更される場合も同様に、-fオプションを指定してホストを変更する必要があります。この場合、ij6restoreコマンドで-fオプションを指定して資源を再度移入してください。
Shutting down v3 due to startup exception : No free port within range: ホスト名/IPアドレス:ポート番号=内部情報 |
IJServerクラスタ、サーバーインスタンスの起動ができない場合
サーバーログを確認し、出力されているメッセージについて対処してください。
Interstage Java EE 6 DASサービスの場合と同様に、IPアドレスやホスト名に関する定義項目の変更を実施していない可能性があります。Interstage Java EE 6 DASサービスが起動できない場合と同様に、ij6restoreコマンドに-fオプションを指定して資源を移入してください。
Interstage Java EE 6 DASサービスが起動できる場合は、asadmin setサブコマンドで定義項目を変更しても問題ありません。
IJServerクラスタやサーバーインスタンスの起動はできるが、その後のasadminコマンドによる操作に失敗する、またはエラーメッセージが出力される場合
asadminコマンド実行時に以下のメッセージが出力される場合、以下の可能性が考えられます。
HTTP connection failed with code 403, message: Configuration access to an instance is not allowed; please connect to the domain admin server instead to make configuration changes |
javax.net.ssl.SSLHandshakeException: sun.security.validator.ValidatorException: PKIX path building failed: sun.security.provider.certpath.SunCertPathBuilderException: unable to find valid certification path to requested target |
ij6restoreコマンドの-hオプションに指定したホスト名に誤りがある
この場合、ij6restoreコマンドの-hオプションに正しいホスト名を指定して、再度資源の移入を実施する必要があります。
運用管理で使用する証明書の変更をしていない、または手順に誤りがある
運用管理で使用する証明書(s1as、glassfish-instance)のCNを変更する必要があります。実施していない場合は、「5.2.9 運用管理操作の暗号化通信」に記載されている手順を実施するようにしてください。
これらを実施したにもかかわらず異常が発生する場合、keytoolコマンドを利用して、キーストア・トラストストアに保管されている証明書のCNの内容が正しいかどうか確認し、誤っている場合は「5.2.9 運用管理操作の暗号化通信」に記載されている手順を再実施するようにしてください。
手順の中で、キーストアのパスワードの入力を求められた場合は、マスターパスワードを指定します。マスターパスワードについては「5.2.8 マスターパスワード」を参照してください。
keytool -list -v -alias s1as -keystore C:\Interstage\F3FMisje6\var\domains\domain1\config\keystore.jks |
keytool -list -v -alias s1as -keystore /var/opt/FJSVisje6/domains/domain1/config/keystore.jks |
keytool -listコマンドを実行すると、以下のような内容が表示されます。
以下は、JDK7のkeytoolコマンドを使用した場合の表示例です。
s1asについて、「所有者: CN=」となっている部分が「移入先のホスト名」になっているかどうかを確認します。
別名: s1as 作成日: 2013/04/11 エントリ・タイプ: trustedCertEntry 所有者: CN=移入先のホスト名 発行者: CN=移入先のホスト名 シリアル番号: 1b03940b 有効期間の開始日: Thu Apr 11 13:23:05 JST 2013終了日: Sun Apr 09 13:23:05 JST 2023 証明書のフィンガプリント: MD5: 7C:A8:B8:FF:A4:82:EE:4B:CC:45:8D:B8:FD:8F:AA:C4 SHA1: B1:33:B6:62:5E:5B:90:AF:70:BD:93:42:AE:1D:85:10:4E:15:D7:13 SHA256: 78:16:E0:0C:43:E9:E1:2B:03:B9:1C:51:6A:40:84:B2:14:E8:BC:3A:F8:89:4C:4D:A7:4F:4E:BE:C9:1F:7E:A4 署名アルゴリズム名: SHA256withRSA バージョン: 3 拡張: #1: ObjectId: 2.5.29.14 Criticality=false SubjectKeyIdentifier [ KeyIdentifier [ 0000: 7C DC 37 39 DB 65 29 BE 7E 17 EA DD 2E CB C8 EF ..79.e)......... 0010: BA 3B 14 13 .;.. ] ]
glassfish-instanceについて、「所有者: CN=」となっている部分が「移入先のホスト名-instance」になっているかどうかを確認します。
別名: glassfish-instance 作成日: 2013/04/11 エントリ・タイプ: trustedCertEntry 所有者: CN=移入先のホスト名-instance 発行者: CN=移入先のホスト名-instance シリアル番号: c75ab28 有効期間の開始日: Thu Apr 11 13:23:29 JST 2013終了日: Sun Apr 09 13:23:29 JST 2023 証明書のフィンガプリント: MD5: 37:A5:CA:C4:90:80:1B:A6:61:4C:4A:DC:67:FA:7F:A8 SHA1: EA:D1:A8:68:96:1D:5F:DC:15:48:3D:FA:00:86:0F:3D:25:AC:22:8D SHA256: 85:AE:0E:02:3E:44:92:CD:FA:08:28:89:20:EE:33:E9:DE:DA:A3:8A:27:A1:F8:09:2A:A5:29:9C:DD:14:1A:95 署名アルゴリズム名: SHA256withRSA バージョン: 3 拡張: #1: ObjectId: 2.5.29.14 Criticality=false SubjectKeyIdentifier [ KeyIdentifier [ 0000: B2 C9 E4 4A 6E 60 BD E1 C6 38 6A D2 F8 AF 15 C9 ...Jn`...8j..... 0010: 4C 7F 57 84 L.W. ] ]
Webブラウザにステータスコード「404 Not Found」が通知される場合
Java EE 6資源をリストア・移入した場合、isprintbackuprscコマンドで表示されたバックアップ対象サービスの資源もリストア・移入しているか確認してください。
特に、Webサーバ連携をしている場合は、Interstage HTTP Server 2.2資源、Webサーバコネクタ(Interstage HTTP Server 2.2用)の資源のリストア・移入を実施するようにしてください。
Webブラウザにステータスコード「500 Internal Server Error」が通知される場合
Webサーバ連携をしている場合に本現象が発生する場合、Webサーバコネクタ(Interstage HTTP Server 2.2用)の資源の移入が正しく行われていない可能性があります。
以下の条件にあてはまる場合、Webサーバコネクタ(Interstage HTTP Server 2.2用)の資源の移入時にwscrestoreコマンドで-hオプションを指定して、接続先のIJServerクラスタのIPアドレスを変更してください。
Java EE 6資源の移入時に、ij6restoreコマンドの-fオプションを指定してHTTPリスナーのネットワークアドレスを変換した場合。
WebサーバとIJServerクラスタを別マシンで運用する場合に、Java EE 6資源の移入先のマシンのIPアドレスが移出元と異なる場合。
この場合、Webサーバが存在するマシン上でwscrestoreコマンドを実行する必要があります。
appclientコマンドの実行に失敗する場合
sun-acc.xmlに記載されているアドレスが、移入先のIPアドレス・ホスト名になっているかどうかを確認してください。