ここでは、メソッドトレース機能を有効にする際に必要な環境変数の設定方法、および起動オプションの指定方法を説明します。
なお、ここでは次のように記述します。
特に断りがない場合、動作環境としてWindows(R)を想定しています。
制御ファイル名を、D:\tmp\trace.confとしています。
Javaアプリケーションを、TestAppとしています。
JDKが“C:\Interstage”配下にインストールされたものとしています。
“カレントディレクトリ”とは、“プログラムが動作するディレクトリ”のことです。
javaコマンドのコマンドラインオプション、およびJava VMの起動オプションを“起動オプション”と略記します。
Java EE機能やJ2EE機能のアプリケーション実行環境では、標準出力をログファイルに出力します。ログファイルの詳細は、以下を参照してください。
IJServerクラスタ(Java EE機能)
“Java EE運用ガイド”
IJServer(J2EE機能)
“Interstage管理コンソール ヘルプ”等
メソッドトレース機能を有効にするには、起動オプションに次を指定します。
-agentlib:traceagent=制御ファイル名 または (製品を“C:\Interstage”にインストールした場合を想定しています。) |
-agentlib:traceagent=制御ファイル名 または |
起動オプションで制御ファイル名を指定する際、次の事項に注意してください。
制御ファイル名はフルパスで指定します。
“=制御ファイル名”を省略した場合(“-agentlib:traceagent”のみ、“-agentpath:[TraceAgent.dll(libtraceagent.so)へのフルパス]”のみ、または“-XX:FJTRACE”のみ)、または、制御ファイル名に指定したファイルが存在しない場合、カレントディレクトリにある“fjtrace.conf”というファイルが読み込まれます。
制御ファイル名に指定したファイルが存在しない場合、かつ、カレントディレクトリに“fjtrace.conf”というファイルも存在しない場合は、次のメッセージを標準出力(または、使用方法記載のログファイル)に出力して、アプリケーションを実行します。この場合は、メソッドトレースは行いません。
FJTRACE:201: fjtrace.conf (指定されたファイルが見つかりません。) |
■javaコマンドでの指定方法
ここでは、javaコマンドでのオプションの指定方法を説明します。
◆“-agentlib”オプションを使う場合
【環境変数】
あらかじめ、次の環境変数にメソッドトレース機能の格納先のフルパスを追加してください。
Windows(R)の場合: PATH
Solaris/Linuxの場合: LD_LIBRARY_PATH
環境変数の指定が正しく行われていない場合、標準出力(または、使用方法記載のログファイル)にメッセージが出力され、Javaアプリケーションが実行されません。詳細は、下の注意事項“TraceAgent.dll(libtraceagent.so)が見つからない場合”を参照してください。
【指定例】
java -agentlib:traceagent=D:\tmp\trace.conf TestApp |
◆“-agentpath”オプションを使う場合
【環境変数】
あらかじめ、次の環境変数にメソッドトレース機能の格納先のフルパスを追加してください。
Windows(R)の場合: PATHまたはCLASSPATH
Solaris/Linuxの場合: LD_LIBRARY_PATHまたはCLASSPATH
両方の環境変数に追加した場合は、Windows(R)の場合“PATH”、Solaris/Linuxの場合“LD_LIBRARY_PATH”の指定が採用されます。
両方の環境変数の指定が正しく行われていない場合、標準出力(または、使用方法記載のログファイル)に次のメッセージが出力され、Javaアプリケーションが実行されません。
FATAL ERROR in native method: FJTRACE:701: FJTRACE stopped due to an internal error in the agent library. |
【指定例】
java -agentpath:C:\Interstage\jdk7\tools\fjtrace\TraceAgent.dll=D:\tmp\trace.conf TestApp |
■IJServerクラスタでの指定方法
起動オプションは、Java VMオプションとして指定します。Java VMオプションは、Interstage Java EE管理コンソールおよびasadminコマンドを使用して指定できます。詳細については、以下のマニュアルを参照してください。
Interstage Java EE管理コンソールヘルプ
“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の”Java EE運用コマンド”-”asadmin”-”定義項目参照/更新”
“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の”Java EE運用コマンド”-”asadmin”-”create-jvm-optionsサブコマンド”
環境変数の設定は、asadminコマンドを使用して指定します。詳細については、以下のマニュアルを参照してください。
Interstage Java EE管理コンソールヘルプ
“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の”Java EE運用コマンド”-”asadmin”-”定義項目参照/更新”
■IJServerでの指定方法
IJServerにおける起動オプションおよび環境変数の設定は、Interstage管理コンソールで行います。
◆V9.0以降のIJServerを使用している場合
次の箇所にて、起動オプション“-agentlib”または“-agentpath”の設定を行います。
“環境設定”の[ワークユニット設定] > [Java VMオプション]
次の箇所にて、メソッドトレース機能の格納先のフルパスを設定します。
“環境設定”の[ワークユニット設定] > [パス]
“環境設定”の[ワークユニット設定] > [ライブラリパス]
起動オプションおよび環境変数の設定内容については、“■javaコマンドでの指定方法”を参照してください。
Interstage管理コンソールの環境設定の詳細は、“Interstage管理コンソール ヘルプ”の[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニットごとの操作] > [IJServer] > [環境設定]を参照してください。
■注意事項
TraceAgent.dll(libtraceagent.so)が見つからない場合
次のようなケースで“TraceAgent.dll(libtraceagent.so)”が見つからない場合、標準出力(または、使用方法記載のログファイル)にメッセージが出力され、プログラムが実行されません。
環境変数に“TraceAgent.dll(libtraceagent.so)”の格納先へのフルパスが正しく指定されていない
エージェント名“traceagent”という文字列で指定されていない
その場合に出力されるメッセージは、次のとおりです。(太字はユーザ入力部分)
>java -agentlib:traceagent TestApp |
または、
>java -agentpath: C:\Interstage\jdk7\tools\fjtrace\fjtrace\TraceAgent TestApp |
なお、エージェント名の指定を行わなかった場合、次のメッセージが標準出力(または、使用方法記載のログファイル)に出力され、プログラムが実行されません。(太字はユーザ入力部分)
>java -agentlib: TestApp |
または、
>java -agentpath: TestApp |
メソッドトレース機能へのクラスパスの設定が正しく行われなかった場合
メソッドトレース機能へのクラスパスの設定(“CLASSPATH”環境変数、または“-Xbootclasspath/p”オプションの指定)が正しく行われていない状態で、メソッドトレース機能を有効にするオプションを指定した場合、次のメッセージが標準出力(または、使用方法記載のログファイル)に出力され、プログラムが実行されません。SolarisおよびLinuxの場合、プログラムの応答がなくなる現象(ハングアップ)が起こる場合があります。
また、クラスパスを設定するとき、jarファイルの区切り文字を間違えて使用した場合も同様です。
FJPROF: Cannot found com/fujitsu/jvm/prof/FJProf2 class. |
または、
Exception in thread "main" java.lang.NoClassDefFoundError: com/fujitsu/jvm/mt/B2B |
メソッドトレース機能を指定することで、FJVMの長時間コンパイル処理の検出機能によりJavaプロセスが強制終了する場合があります。その場合は回避策として、-XX:CompileTimeoutオプションを指定してください。
-XX:CompileTimeoutオプションの指定方法は、“チューニングガイド”の“JDK/JREのチューニング”の“長時間コンパイル処理の検出機能”を参照してください。