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Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)
FUJITSU Software

H.2 業務構成管理機能の環境設定(チューニング)

以下について説明します。

業務構成管理機能の環境設定(チューニング)について

通常は、業務構成管理機能の環境設定(チューニング)を行う必要はありません。以下のケースに該当する場合は、環境設定を行ってください。

環境設定を行う場合は、Interstage管理コンソールを利用して行います。スタンドアロンサーバの場合、Interstage管理コンソールから[システム]>[構成管理]を選択して画面を表示してください。

Enterprise Edition
マルチサーバ管理機能を使用している場合で、管理サーバの設定を変更する場合は、統合管理機能の画面から、[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [構成管理]を選択して画面を表示してください。
また、サイトに所属しているサーバグループ/サーバの環境設定を行う場合は、一括操作機能の画面から[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [サーバグループ/サーバ] > [構成管理]を選択して画面を表示してください。


設定画面のボタンについて説明します。

[適用]ボタン

設定した情報をシステムに適用します。この操作は、Interstage Application Serverのシステム構築には影響を与えません。業務構成管理機能の設定が変更されるのみで、Interstage Application Server上で動作するサービスおよびアプリケーションは変更されません。

[最新の情報に更新]ボタン

現在の画面の内容を最新の情報に更新します。このボタンを利用することで、Interstage管理コンソールを複数のユーザが同時に利用する場合に、他のユーザで操作した内容を取り込むことができます。通常は利用する必要ありません。


業務構成管理機能の環境設定(チューニング)項目について

業務構成管理の環境設定(チューニング)の対象となる定義項目は、以下の2つです。

チューニングを行う場合、これらの定義項目を修正し、[適用]ボタンを押してください。また、これらの作業は、運用負荷が低い状態で実施してください。運用負荷が高い時に実施すると運用が遅延する場合があります。

Enterprise Edition
管理サーバにおいて、リポジトリの格納先を変更した場合、すでにリポジトリに格納されている資源は自動的に移行されます。


リポジトリの格納先

業務構成管理機能が情報管理に利用するディレクトリのパスを指定します。ディレクトリのパスには、ファイルシステム上に存在するパスを指定してください。

ただし、以下のディレクトリは、指定できません。

  • 相対パス

  • カレントディレクトリ

  • 日本語などのマルチバイト文字を使用したディレクトリ


80バイト以内の制御文字(ShiftJISの0x00~0x1f,0x7f)を除く文字列を指定してください。ただし、英文字の大文字と小文字は区別されません。アクセス権に関しては、Interstage JMXサービスのログオンユーザであるローカルシステムアカウントが操作可能なディスクを指定してください。ローカルシステムアカウントは、ディスクがUNCまたはネットワークドライブを経由した他のマシンのディスクの場合、アクセスすることができません。初期値および値を省略した場合の設定値は以下です。

[Interstageインストールフォルダ]\var\repository

「/」で始まる80バイト以内の空白と半角カナ文字を除く文字列を指定してください。初期値および値を省略した場合の設定値は以下です。アクセス権に関しては、Interstage JMXサービスの起動ユーザが操作可能なディスクを指定してください。通常は、スーパユーザ(root)が起動ユーザになります。

/opt/FJSVisas/var/repository

ポイント

リポジトリの格納先」のチューニングのポイント

リポジトリの格納先を変更する場合は、後述する計算式で算出された値を確保できるパスを指定してください。ただし、計算値は最大で利用した場合の値であるため、初期状態で設定した領域を獲得することはありません。


Enterprise Edition管理サーバの場合
リポジトリの格納サイズ  =  1,048,576(byte)
                        +  [管理対象サーバの数]  ×16,384(byte)
                        +  [サーバグループの数]  ×12,288(byte)
                        +  [可変情報の総数]      × 8,192(byte)

Enterprise Edition管理対象サーバの場合
リポジトリの格納サイズ  =  1,048,576(byte)
                        +  [可変情報の総数]      × 8,192(byte)

スタンドアロンサーバの場合
リポジトリの格納サイズ  =  1,048,576(byte)
                        +  [可変情報の総数]      × 8,192(byte)

可変情報の総数は、以下に示す定義の合計数を対象とします。

  • IJServer定義

  • ワークユニット定義

  • リソース定義(JDBC, Connector, JMS, JavaMail, JTSリソース定義)

  • イベントサービス構成情報

注意

リポジトリの格納先は、セキュリティ対策として、管理者権限を持つユーザのみがディレクトリを参照・更新できるように、オペレーティングシステムの機能を利用して変更してください。セキュリティ対策が不要な場合は、省略することが可能です。操作例を以下に示します。

エクスプローラのファイルプロパティを利用して変更します。

  1. エクスプローラの起動

  2. リポジトリの格納先フォルダを選択して右クリックして設定メニューを表示

  3. 「プロパティ」を選択

  4. 「セキュリティ」タブを選択

  5. 「Administrators」グループにのみ「フルコントロール」を付与

スーパユーザを利用し下記の処理を行ってください。下記は、rootユーザのみに権限を与える場合です。

chown -R root /opt/data/repository
chmod -R 700 /opt/data/repository
リポジトリの最大サイズ

リポジトリとして利用する領域の最大サイズを指定します。リポジトリの格納先には、トラブルシューティング用のトレース情報も出力されますが、トレース情報のサイズは含まれません。
「0」から「1048576」までを指定することができます。単位はメガバイトです。「0」を指定した場合は、最大値は無制限になります。初期値および値を省略した場合の設定値は「0」です。

ポイント

リポジトリの最大サイズ」のチューニングのポイント

リポジトリの格納先が他製品もしくはアプリケーションと共有されるディスクであった場合、最大サイズを設定することで、ディスクの容量不足などの影響を抑止することができます。
ただし、リポジトリの最大サイズを「0」もしくは省略することで、若干の性能向上が図れるため、リポジトリの最大サイズは省略値を推奨します。