■概要
irconfigファイルは、インタフェースリポジトリのバックアップやログ情報などの動作環境を設定するファイルです。
■ファイル名
C:\Interstage\ODWIN\etc\irconfig (インストールパスはデフォルト)
/etc/opt/FSUNod/irconfig (インストールパスはデフォルト)
/etc/opt/FJSVod/irconfig
■ファイル内情報
irconfigファイルは、以下の形式で値を設定します。
◆形式:
パラメタ名 = 設定値
半角のシャープ(#)を行の先頭に指定した場合は、その行はコメントとして扱われます。また、空行は解析時に無視されます。
# コメント
◆記述例:
auto backup = no(yes)
auto backup path =
auto recovery = no(yes)
logging = no(yes)
logging memory size = 512
logfile path =
sync = no
select cache obj =
◆パラメタ:
設定値を変更することのできるパラメタを下表に示します。なお、指定が必須となるパラメタはありません。
パラメタ名 | 初期値 | 意味 |
---|---|---|
指定範囲 | ||
auto backup | no | インタフェースリポジトリ起動時に自動的にバックアップを行うかを指定します。
注)バックアップは、インタフェースリポジトリ起動時に1回だけ行います。 |
yes, no | ||
auto backup path | - | バックアップデータの格納場所を指定します。auto backup=yesと指定した場合、必ずパスを指定する必要があります。パスを指定しないとバックアップは行われません。 |
- | ||
auto recovery | no | トランザクション処理中のシステムダウンなどによりデータベースの異常を検出した場合に、バックアップデータを元に自動的にリカバリを行うかを指定します。
注)本機能を使用する場合は“auto backup=yes”と指定し、auto backup pathを指定する必要があります。 |
yes, no | ||
ir_timeout | 1800(秒) | IDLコンパイル(IDLc)およびインタフェース情報移入(odimportir)において、インタフェースリポジトリへのリクエストの復帰までの待機時間を指定します。0を指定すると、リクエスト復帰までの待機時間は監視されません。 |
0~100000000(秒) | ||
| no | 資源保護機能の有効/無効を指定します。
“yes”を指定すると、インタフェースリポジトリはデータベース管理者(デフォルト:root)のみが運用可能となります。 |
yes, no | ||
logging | no | トラブル発生時にログ情報を採取するかを指定します。
採取したログは、irlogdumpコマンドによりファイルに出力できます。通常は、初期値(no)で運用します。 |
yes, no | ||
logging memory size | 512(KB) | ログ情報を格納する共用メモリのサイズを指定します。logging=noとした場合、この値は意味を持ちません。 |
1~4096(KB) | ||
logfile path | - | “logging=yes”とした場合、irlogdumpコマンドにより出力されるログ情報の格納ディレクトリをフルパスで指定します。パスを指定しない場合は、CORBAサービスの動作ディレクトリと同一のディレクトリに格納されます(“A.1 config”参照)。 |
- | ||
select cache obj | - | インタフェースリポジトリ起動時にキャッシュ対象とするオブジェクトを指定します。 |
- | ||
sync | no | 同期モードを指定します。 |
yes, no |
◆キャッシュ対象オブジェクトの指定方法
インタフェースリポジトリ起動時、キャッシュ対象オブジェクトを限定することにより、インタフェースリポジトリに大量のオブジェクトが登録されている場合の起動性能を改善することができます。
ただし、キャッシュ対象オブジェクトを指定した場合は、キャッシュ対象としないオブジェクトに対する参照性能は低下するため、運用に関しては注意が必要です。
また、キャッシュ対象オブジェクトを指定してインタフェースリポジトリを起動した場合は、以後、インタフェースリポジトリに対する登録/更新(IDLc, tdc, odimportir)を行うことができません。運用時(インタフェースリポジトリの登録/更新を行わない)に使用してください。
キャッシュ対象オブジェクトは、ユーザがテキストファイル内にキャッシュ対象オブジェクトのリポジトリIDを記述します。
リポジトリIDは、Repositoryオブジェクト(ルートオブジェクト)に直接包含されるModuleDefオブジェクトまたはInterfaceDefオブジェクトのみ指定可能で、指定されたオブジェクトに包含されるオブジェクトすべてがキャッシュ対象となります。
キャッシュ対象オブジェクトが継承またはスコープ参照で他のモジュールと関連付けられている場合は、そのモジュールもキャッシュ対象として指定する必要があります。
インタフェースリポジトリで管理するオブジェクトの種類、およびインタフェースリポジトリオブジェクトの包含/継承関係については“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”(Interstage Application Server Enterprise Editionで提供)の“インタフェースリポジトリサービスのプログラミング”を参照してください。
なお、インタフェースリポジトリに登録されているオブジェクトと包含関係については、odlistirコマンドで表示できます。
キャッシュ対象オブジェクトを指定するためのファイルの記述例を以下に示します。
IDL:testmodule1:1.0 IDL:testmodule2:1.0 IDL:testmodule3:1.0
注) 1行に、キャッシュ対象オブジェクトのリポジトリIDを1つだけ記述できます。
コメントは、使用できません。
変更した値は、次回のインタフェースリポジトリサービス起動時より有効となります。
ismodifyserviceで環境設定を行う際に“auto backup”が指定されていた場合は、データベースが空の状態でバックアップが行われます。この状態でバックアップされたデータベースは、使用できません。
auto backup機能はインタフェースリポジトリ起動時の状態でバックアップが行われます。起動後に更新されたインタフェース定義情報はバックアップに反映されません。起動後に更新された情報が必要な場合は、Interstage(インタフェースリポジトリ)を再起動するか、またはodbackupsysコマンドを使用してバックアップを行ってください。
odbackupsysコマンドでは、キャッシュ対象オブジェクトを指定したファイルをバックアップできません。ファイルのコピーコマンドなどでバックアップを行ってください。
インタフェースリポジトリのデータベース管理者がroot(デフォルト)以外であり、かつirconfigファイルに“iss_use=yes”を設定すると、ログ情報採取機能の有効化(irconfigファイルの“logging=yes”)を指定しても、インタフェースリポジトリ(データベースアクセス機能)のログ情報が採取されなくなります(キャッシュサーバのログ情報は採取されます)。
また、irconfigファイルに"iss_use=yes"を設定した場合は、irlogdumpコマンド(ログ情報の出力・制御)は管理者権限(root)で実行する必要があります。