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Symfoware Server V12.1.0 クラスタ運用ガイド
FUJITSU Software

6.7.1 プライマリサーバのセットアップ

プライマリサーバのセットアップについて、説明します。

以下の手順で行います。

  1. プライマリサーバにログインします。

  2. データベース多重化機能で必要なファイルを格納するMirroring Controller管理ディレクトリを作成します。

    Mirroring Controller管理ディレクトリは、半角空白以外のASCII文字で指定してください。また、インスタンス管理者ユーザーに対する書き込み権限を付与してください。

  3. Mirroring Controllerのプロセス間で連携するネットワークの構成をnetwork.confファイルに定義します。

    サンプルファイルをもとにして、Mirroring Controller管理ディレクトリにnetwork.confファイルを作成します。network.confファイルには、インスタンス管理者ユーザーにのみ読み込み権限を設定してください。

    インスタンス管理者ユーザー以外にアクセス権限が与えられていた場合には、mc_ctlコマンドは動作しません。これにより、インスタンス管理者ユーザー以外がMirroring Controllerを操作することを防止します。

    サンプルファイルのパス
    /インストールディレクトリ/share/mc_network.conf.sample

    network.confファイルには、プライマリサーバとスタンバイサーバのホスト名(またはIPアドレス)、およびポート番号を指定して、Mirroring Controllerのプロセス同士が連携するためのネットワークの構成を定義します。

    詳細は、“B.3 ネットワーク定義ファイル”を参照ください。

    以下に定義例を示します。

    これは、Mirroring Controllerのポート番号に26540を指定している場合の例です。“server1”および“server2”は、任意のサーバ識別子です。

    例)
    server1 192.0.2.100 26540
    server2 192.0.2.110 26540

    ポート番号は、プライマリサーバ、スタンバイサーバのどちらにおいても、他のソフトウェアと重ならないように設定してください。

    WebAdminのように/etc/servicesファイルを用いて空きポート番号を検索して使用するプログラムが存在するため、プライマリサーバ側のポート番号を/etc/servicesファイルに登録しておいてください。

    なお、サービス名は、任意の名前で登録してください。

  4. Mirroring Controllerの監視および制御に関する情報をサーバ識別子.confファイルに定義します。

    サンプルファイルをもとにして、Mirroring Controller管理ディレクトリにサーバ識別子.confファイルを作成します。サーバ識別子.confファイルには、インスタンス管理者ユーザーにのみ読み込み権限を設定してください。インスタンス管理者ユーザー以外にアクセス権限が与えられていた場合には、mc_ctlコマンドは動作しません。

    サーバ識別子.confファイルのファイル名には、手順3でnetwork.confファイルに指定したサーバ識別子名を使用してください。

    サンプルファイルのパス
    /インストールディレクトリ/share/mc_server.conf.sample

    サーバ識別子.confファイルには、以下のパラメータを設定します。

    表6.5 設定するパラメータ

    パラメータ

    指定内容

    備考

    db_instance

    'データ格納先ディレクトリ'

    半角空白以外のASCII文字で指定してください。

    db_instance_password

    'インスタンス管理者のユーザーIDに対応するパスワード'

    Mirroring Controllerからデータベースのインスタンスへの接続設定において、パスワード認証を行う場合に指定してください。

    半角空白以外のASCII文字で指定してください。

    syslog_ident

    'プログラム名'

    システムログ内のMirroring Controllerメッセージを特定するために使用するプログラム名を指定してください。半角空白以外のASCII文字で指定してください。postgresql.confファイルのパラメータと同じプログラム名にすることで、Mirroring Controllerの出力内容を透過的に参照できるため、ログの参照が容易になります。

    heartbeat_interval

    800(ミリ秒数)

    応答がない状態を検知してからプライマリサーバを切り替えるなどの操作を行うまでの時間は、以下の式で計算します。

    heartbeat_timeout(秒数)×heartbeat_retry(回数)=1×2=2(秒)

    この設定では、800ミリ秒間隔で異常を監視して、1秒間の応答がない状態が2回続いた場合にはプライマリサーバを切り替えるか、またはスタンバイサーバをプライマリサーバから切り離すかの操作を行います。

    heartbeat_timeout

    1(秒数)

    heartbeat_retry

    2(回数)

  5. Mirroring Controllerのプロセスを起動します。

    Mirroring Controllerオプションを使用する場合

    インスタンス管理者ユーザーで、mc_ctlコマンドをstartモードでfオプションを指定して実行します。これにより、自動切り替え/切り離しの有効化を行います。

    なお、fオプションを指定せずに起動した場合、自動切り替え/切り離しは有効になりません。有効にするには、Mirroring Controllerを起動したあとにmc_ctlコマンドをenable-failoverモードで実行するか、fオプションを指定してMirroring Controllerを再起動してください。

    例)
    $ mc_ctl start -M /mcdir/inst1 -f
    Mirroring Controllerオプションを使用しない場合

    インスタンス管理者ユーザーで、mc_ctlコマンドをstartモードで実行します。

    例)
    $ mc_ctl start -M /mcdir/inst1