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Interstage Mobile Application Server V1.1.0 導入ガイド
FUJITSU Software

第1章 インストール前の作業

Interstage Mobile Application Server(以降、IMAPSと記載する)をインストールする前に、以下の作業を行ってください。

  1. インストールの可否の確認
  2. 言語の設定
  3. 運用形態の決定
  4. サービスの停止
  5. チューニング
  6. ポート番号の確認
  7. 必要なソフトウェアのインストール
  8. hostsファイルの記載

インストールの可否の確認

言語の設定

言語を以下のように設定してください。
LANG="ja_JP.UTF-8"

運用形態の決定

本製品の運用形態を決定してください。運用形態については、"解説書""第3章 運用形態"を参照してください。

注意

  1. 負荷分散させる可能性がある場合は、機能分離構成またはマルチサーバ構成を選択してください。
    以下の構成を選択した場合、DBサーバにSymfoware Server Standard Edition (Open インタフェース)(64bit) V12.0.0(以上)をインストールしてください。
    • 機能分離構成で、2台以上のIMAPSサーバにインストールおよびセットアップする場合
    • マルチサーバ構成を選択する場合
  2. 本製品をインターネットから使用する場合、Interstage Web Server Express V11.0.0(以上)をインストールすることをしてください。(推奨)

サービスの停止

以下のディレクトリが存在する場合、IMAPS DB(製品同梱のデータベース)と同じバージョンのデータベースがインストールされています。
/opt/FJSVpgs91_64

本製品をインストールする前に、データベースを利用している製品のサービスをすべて停止してください。停止方法については、各製品のマニュアルを参照してください。

チューニング

本製品を運用する際に必要なシステム資源(IPC資源)を下表に示します。sysctlコマンドにより現在値を確認し、必要に応じてLinuxのカーネル資源に関するパラメーター値を変更してください。

表中に、[設定値]と記載されているパラメーターは、記載されている以上の値を設定してください。[加算値]と記載されているパラメーターは、設定されている値に対し、記載されている値を加算した値を設定してください。

すでに設定されている値が、下記の値より大きい場合は、変更は不要です。

編集するファイル
/etc/sysctl.conf
カーネルパラメーター IMAPSサーバ IMAPS業務サーバ
共用メモリ kernel.shmmax 設定値 2684354560 以上 13208308 以上
kernel.shmall 加算値 1310720 なし
kernel.shmmni 加算値 2 19
セマフォ kernel.sem para1 設定値 18 以上 12 以上
para2 加算値 4318 12
para3 設定値 3 以上 3 以上
para4 加算値 286 12
メッセージキュー kernel.msgmax 設定値 なし 528 以上
kernel.msgmnb 設定値 なし 13548 以上
kernel.msgmni 加算値 なし 12

IMAPS業務サーバについては、IMAPSが必要とする最小限の使用サービス・機能のシステム資源(標準インストール対象機能+Webサーバ)を見積もっています。運用構成に従って、Interstage Application Serverのマニュアルを参照し、見積もった値を加算してください。

パラメーター変更後は、以下のコマンドを実行するか、システムの再起動を行ってください。
sysctl -p /etc/sysctl.conf

ポート番号の確認

IMAPSが使用するポート番号を以下に示します。他のプログラムとポート番号が重複する場合は、IMAPSのセットアップに用いる定義ファイルに使用可能なポート番号の値を記述してください。
ポート番号 説明
8100 IMAPSサーバで使用するWebサーバのポート(※1)
8101 IMAPSサーバの運用管理用ポート
8104 IMAPSサーバが使用する内部ポート
8109 IMAPSサーバが使用するDBのポート(※2)
8110 IMAPSの運用管理コマンドが使用する内部ポート
8152 プッシュ通知機能が使用するDBのポート

(プッシュ通知機能を使用する場合のみ)

8153 プッシュ通知機能のWeb API(メッセージの送信などの機能)のポート(※3)

(プッシュ通知機能を使用する場合のみ)

8154 プッシュ通知機能が使用する内部ポート

(プッシュ通知機能を使用する場合のみ)

8102, 8103, 8105, 8106, 8107, 8108, 8112 IMAPSセットアップで使用するポート

IMAPSセットアップ後は使用されません

必要に応じて以下のように、ファイアーウォールなどの設定を行います。
  • (※1)のポート:クライアント(スマートデバイス)からアクセス可能にします。
  • (※2)のポート:機能分離構成時、IMAPS業務サーバからアクセス可能にします。
  • (※3)のポート:プッシュWeb APIを呼び出すサーバ(例:IMAPS業務サーバほか、プッシュ送信を行う業務のサーバ)からアクセス可能にします。

注意

  • エフェメラルポートについて

    エフェメラルポートとは、オペレーティングシステムが通信を行うために、一時的に割り当てるポートです。

    オペレーティングシステムのデフォルトの設定では、以下の範囲のポート番号が自動的に割り当てられます。

    エフェメラルポートの範囲:32768~65535

    エフェメラルポートの範囲でInterstage Mobile Application Serverのポート番号を設定している場合、以下のどちらかの対処を行ってください。
    • エフェメラルポートの範囲を、Interstage Mobile Application Serverが使用するポート番号の範囲外に変更します。

      エフェメラルポートの範囲の変更方法についは、オペレーティングシステムのエフェメラルポートに対する変更方法に従ってください。

    • Interstage Mobile Application Serverが使用するポート番号を、エフェメラルポートの範囲外に設定します。
  • Well Knownポート(0から1023)について

    IMAPSサーバにおいて、サー ビス運用ユーザーにシステム管理者(root)以外を設定した場合、IMAPSサーバが使用するポート番号にWell Knownポート(0から1023)の範囲を設定できません。

    設定した場合、ポートを使用できず、IMAPSサーバが正常に動作しません。

必要なソフトウェアのインストール

以下のソフトウェアがインストールされていない場合は、インストールしてください。

  • インターネットプロトコル(TCP/IP)
  • FUJITSU Symfoware Server Standard Edition (Open インタフェース)(64bit) V12.0.0以上(マルチサーバ構成の場合のみ)
  • FUJITSU Symfoware Interstage Web Server Express V11.1以上 (インターネット環境の場合)

注意

本製品はIPv6/IPv4デュアルスタック環境で動作します。IPv6環境で運用を行う場合でも、IPv4のインターネットプロトコル(TCP/IP)がインストールされ、有効である必要があります。

なお、IPv4のインターネットプロトコル(TCP/IP)がインストールされていない環境で本製品のインストールを実行すると、ポート番号が使用中である旨のメッセージが表示されます。この場合、IPv4のインターネットプロトコル(TCP/IP)をインストールしてから、本製品のインストールを実行してください。

hostsファイルの記載

hostsファイルにローカルホスト名を登録する場合、ローカルホスト名がホストの実アドレスとマップするよう、以下に注意してください。
  • 「127.0.0.1」にローカルホスト名を設定する場合、同じローカルホスト名をリモートから参照可能なIPアドレスに設定しないでください。または、「127.0.0.1」にローカルホスト名を設定しないでください。
以下に、IPアドレス「10.10.10.10」をもつ、「remote01」というホスト名を設定する例を示します。
10.10.10.10 remote01
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost