ジョブキューのジョブの多重度を制限することで、運用中のバッチ業務を停止せずにジョブの流量制限を実現します。
また、ジョブキューのジョブの多重度の制限を解除することで、制限された多重度をもとの多重度に戻すことができます。
注意
ジョブの多重度を制限することにより、単位時間あたりに処理を完了することができるジョブ数が減少します。このため、投入するジョブ数がジョブの多重度の制限数にあわせて減少しない場合、ジョブスプールおよびジョブキューに設定されている投入可能ジョブ数の上限値を超えて、ジョブの投入が失敗する可能性があります。ジョブの多重度の制限を行う運用を構築する場合は、以下を考慮して運用してください。
ジョブの投入数が少ない時期にジョブの多重度を制限する。
一時的にジョブキューのジョブの多重度を下げます。
ジョブキューのジョブの多重度を制限する
ジョブキューに定義されているジョブの多重度を一時的に制限するには、btfwaltqコマンドを利用します。
btfwaltqコマンドの形式を以下に示します。
btfwaltq -m ジョブの多重度 -q ジョブキュー名 |
ジョブキューのジョブの多重度の確認
btfwqinfoコマンドでジョブキューの稼動状態を確認します。
btfwqinfoコマンドの形式を以下に示します。
btfwqinfo -l ジョブキュー名 |
例
ジョブキューの稼働状態は、以下のように表示されます。
Jobqueue Name = queue1(default)
Jobqueue State = active
[Number of Jobs]
Exec = 0
Wait = 0
Hold = 0
[Max Job]
Definition = 1000
System = 99999
[Multiplicity]
Current = 5
Definition = 5
System = 10
[Time Limit]
Definition = 600
[Initiator]
Name = queue1(active) |
ジョブキューの稼働状態より、“[Multiplicity]”内の“Definition”に出力されている、ジョブキューに設定されているジョブの多重度が、btfwaltqコマンドで制限した値になっていることを確認してください。
なお、“[Multiplicity]”内の“Current”は現在有効となっているジョブの多重度であり、ジョブキューに設定されているジョブの多重度または“[Multiplicity]”内の“System”に表示されている現在のバッチワークユニットのプロセス数のいずれか小さい値が表示されます。
注意
制限するジョブの多重度以上のジョブが実行されている状態でbtfwaltqコマンドを実行した場合、すでに実行中のジョブについては処理を継続し、実行中ジョブが終了するごとに順次ジョブの多重度を縮退します。制限後のジョブの多重度をすぐに反映させたい場合は、実行中のジョブをキャンセルしてください。
btfwaltqコマンドで、制限前のジョブの多重度より大きい値を指定した場合、btfwaltqコマンドは正常終了しますが、実際のジョブの多重度はバッチワークユニットの現在のプロセス数以上大きくはなりません。
ジョブの多重度を拡大する場合には、ジョブキューの多重度の拡大だけでなく、ジョブの実行環境を再セットアップする必要があります。ジョブの多重度の変更方法については“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“ジョブの多重度の変更”を参照してください。
参照
btfwaltqコマンドおよびbtfwqinfoコマンドについては、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
一時的に下げていたジョブキューのジョブの多重度をもとの多重度に戻します。
ジョブキューに定義されているジョブの多重度の確認
ジョブキューに定義されているジョブの多重度は、btfwqdefコマンドで確認します。
btfwqdefコマンドの形式を以下に示します。
btfwqdef [ジョブキュー名] |
ジョブキューのジョブの多重度の制限を解除する
btfwaltqコマンドにジョブキューに定義されているジョブの多重度を指定して実行します。
btfwaltqコマンドの形式を以下に示します。
btfwaltq -m ジョブの多重度 -q ジョブキュー名 |
ジョブキューのジョブの多重度の確認
btfwqinfoコマンドでジョブキューの稼動状態を確認します。
確認方法は、“2.1.9.1 ジョブの多重度の制限”を参照してください。
参照
btfwaltqコマンドおよびbtfwqdefコマンドについては、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
ジョブキューのジョブの多重度は、以下の操作でももとの多重度に戻ります。
バッチ受付サービスを初期化モードで再起動する。
注意
バッチ受付サービスを継続モードで再起動した場合には、制限した多重度は継続して有効になります。