AdvancedCopy Managerでは、以下の単位でVxVM配下のボリュームをバックアップ/レプリケーションできます。
論理ボリュームが存在する物理スライス
ディスクグループを構成する物理ディスク
VxVM配下のボリュームに関して、バックアップ運用は「3.9 VxVMボリュームの運用」を、レプリケーション運用は「7.9 VxVMボリュームの運用」を参照してください。
AdvancedCopy Managerは、論理ボリュームのコピーをサブディスク単位でなく、sliced属性(専有領域と共有領域が分離)をもつVMディスク(物理ディスク)の共有領域全体をコピーすることによって行います。
AdvancedCopy Managerに指定するデバイス名は、VxVMの論理ボリューム名です。
図1.5 sliced属性(専有領域と共有領域が分離)をもつVMディスク(物理ディスク)
つまり、AdvancedCopy Managerは、VxVM論理ボリュームのコピーを、論理ボリューム単位でなく物理スライス(/dev/dsk/cXtXdXsX)単位で行います。
論理ボリューム単位で運用可能なVxVMボリュームは、以下の条件を満たす必要があります。
論理ボリュームを構成するすべてのサブディスクが1つのVMディスク上に存在しており、かつ、そのVMディスク上にほかの論理ボリュームのサブディスクが存在しない。
VMディスクがsliced属性をもつ(専有領域と共有領域が異なるスライスに配置されている)。
階層化ボリュームではない。
カプセル化された論理ボリュームではない。
図1.6 ボリューム、VMディスク、物理ディスクの関係(1)
また、下図に示すような、1つのVMディスク上に複数の論理ボリュームがある場合(すなわち、論理ボリュームとVMディスクがN:1(N>1)の関係にある場合)もサポートされますが、運用では以下の点に留意してください。
ファイルシステムが構築されている論理ボリュームの場合、アンマウント/マウントはバックアップの前後、レプリケーションの前後で実施する必要があります。
Oracleデータベースのバックアップ場合、VMディスク内のすべての論理ボリュームは表領域である必要があります。
図1.7 ボリューム、VMディスク、物理ディスクの関係(2)
図1.8 ボリュームとサブディスクの関係
以下のボリューム構成をもつ論理ボリュームは、AdvancedCopy Managerではサポートされません。
スパニングしたコンカチネーション(スパニングしない場合はサポートされます)
ストライピング(RAID-0)
ミラーリング(RAID-1)
RAID-5
ミラーリング アンド ストライピング(RAID-1 + RAID-0)
ストライピング アンド ミラーリング(RAID-0 + RAID-1)
注意
ディスクグループを作成する際、デフォルトではCDSディスクグループになります。論理ボリュームが存在する物理スライス単位でコピー運用を行う場合は、非CDSディスクグループを作成し、ディスクタイプもslicedタイプにしてください。
VxVMボリューム上に作成されたSymfowareデータベーススペースに対して、Symfowareと連携したバックアップ/リカバリーを行うことはできません。
論理ボリュームが使用しているサブディスクが存在するVMディスク(物理ディスク)を管理単位とします。
注意
クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成するすべてのサーバにおいて、ディスクグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)dsk/c#t#d#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。
なお、SunCluster環境下で運用する場合、クラスタを構成するすべてのサーバにおいて、VxVMのエンクロージャ名が同じであり、エンクロージャ名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。
noprivタイプのVMディスクだけ、物理スライスが管理単位となります。
図1.9 VxVMの構成例
AdvancedCopy Managerは、VMディスク全体をコピーするため、サブディスクとなる共有領域だけでなく、VxVMの内部構成情報が格納されている専有領域もコピーされます。したがって、バックアップやレプリケーションを行う際は、VxVMの構成情報の整合性を保ってコピーする必要があります。
AdvancedCopy Managerに指定するデバイス名は、以下の形式です。
/dev/vx/dmp/c#t#d#s#
/dev/vx/dmp/c#t#d#
/dev/vx/dmp/エンクロージャ名(SunCluster環境下での利用時だけ)
注意
SunCluster環境下での利用時を除き、VxVMにおけるエンクロージャに基づく命名規則の運用下での動作はサポートしていません。