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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.0 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

3.8 評価と再配置の試行

本製品では、階層化ポリシーに基づいて、Tierプールに対するストレージ自動階層制御を実施します。

階層化ポリシーを以下に設定している場合、システムは、その階層化ポリシーを使用しているTierプールに対して、ボリューム内のデータの再配置基準を自動的に決定し、最適に再配置します。

ここでは、各サブプールのデータ範囲の最適値を見極めるために、[実行モード]を"Semi-Auto"または"Manual"にして、評価と再配置を試行するときの作業の流れを説明します。

実行モードが"Semi-Auto"の場合の作業手順

試行から運用開始までの作業手順の概要は、以下のとおりです。

  1. 試行対象のTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始します。

    操作手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプールに対するストレージ自動階層制御の開始/停止」を参照してください。

    Tierプールに対するストレージ自動階層制御を開始すると、ボリューム内のデータの再配置に必要な性能データの収集・評価が行われます。

  2. 評価結果を確認します。

    評価結果は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「再配置対象ボリュームの表示」に記載されている手順で確認できます。

    項目

    内容

    評価日時

    性能データを評価した日時です。

    プール名

    ボリュームが存在するTierプール名です。

    FTV番号

    ボリューム番号です。

    FTV名

    ボリューム名です。

    ポリシー名

    Tierプールに指定されている階層化ポリシー名です。

    実行モード

    階層化機能の実行モードです。

    Keep High

    移動しないHighのデータの割合(%)です。

    Highにup

    Low/MiddleからHighに移動するデータの割合(%)です。

    Middleにup

    LowからMiddleに移動するデータの割合(%)です。

    Keep Middle

    移動しないMiddleのデータの割合(%)です。

    Middleにdown

    HighからMiddleに移動するデータの割合(%)です。

    Lowにdown

    High/MiddleからLowに移動するデータの割合(%)です。

    Keep Low

    移動しないLowのデータの割合(%)です。

    状態

    再配置の実行状態です。

    • Evaluated: 実行モードが"Semi-Auto"で、再配置の対象となっているボリューム

    • Reallocating: 再配置を実行中のボリューム

    • Waiting: 再配置の対象で、再配置を実行待ちのボリューム

    • Suspended: 再配置を停止中のボリューム

    再配置が完了したボリュームは表示されません。完了結果は、再配置履歴から確認できます。

    進捗率

    実行中のボリュームの進捗状態です。

  3. 評価結果に応じて以下の作業を実施します。

    評価結果に問題がない場合

    ボリューム内のデータの再配置を実行します。
    実行方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「再配置の実行/停止」を参照してください。

    評価結果に問題がある場合

    試行対象のTierプールに関連付けられている階層化ポリシーを変更したあと、性能データの収集・評価を継続してください。
    階層化ポリシーの変更方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「階層化ポリシーの変更」を参照してください。

実行モードが"Manual"の場合の作業手順

試行から運用開始までの作業手順の概要は、以下のとおりです。

注意

[実行モード]が"Manual"の場合、以下の作業を行ってから1時間以内に評価を開始すると、正しい評価情報を取得できないことがあります。

  • ボリューム内のデータの再配置

  • Tierプールの作成

  • FTVの追加

  • FTVの削除

  1. 試行対象のTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始します。

    操作手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプールに対するストレージ自動階層制御の開始/停止」を参照してください。

    Tierプールに対するストレージ自動階層制御を開始すると、ボリューム内のデータの再配置に必要な性能データの収集が行われます。

  2. 収集した性能データを評価します。

    評価方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプールに対するアクセス状況の評価」を参照してください。

  3. 評価結果を確認します。

    評価結果は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「再配置対象ボリュームの表示」に記載されている手順で確認できます。表示情報の説明は、「実行モードが"Semi-Auto"の場合の作業手順」の手順2の表を参照してください。

  4. 評価結果に応じて以下の作業を実施します。

    評価結果に問題がない場合

    ボリューム内のデータの再配置を実行します。
    実行方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「再配置の実行/停止」を参照してください。

    評価結果に問題がある場合

    試行対象のTierプールに関連付けられている階層化ポリシーを変更したあと、性能データの収集・評価を継続してください。
    階層化ポリシーの変更方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「階層化ポリシーの変更」を参照してください。

ポイント

評価と再配置の試行で問題ないことを確認できた場合は、階層化ポリシーの[実行モード]を"Auto"に変更してストレージ自動階層制御を運用することをお勧めします。

注意

以下の条件で定義を行うと、ストレージ自動階層制御が、同一階層の同一ディスク種別に対して再配置することがあります。

  • Tierプールの各階層を同一のディスク種別で作成、かつ

  • FTVの作成において、[優先FTSP]を、"Auto"または同一のディスク種別であるサブプールを指定

同一階層の同一ディスク種別への再配置では階層の移動が発生しないため、再配置結果の表示において、[Keep Low]、[Keep Middle]、[Keep High]に値が表示され、[Highにup]、[Middleにup]、[Middleにdown]、[Lowにdown]には"0"が表示されることがあります。