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ETERNUS SF Express 16.0 運用ガイド
FUJITSU Storage

4.6.4 運用方法

本製品でETERNUS ディスクアレイのNAS運用を行う場合の運用手順を説明します。

共有フォルダへのアクセス方法は以下です。

CIFSプロトコルでのアクセス方法

Windowsのファイル共有やネットワークドライブを割り当てることで、アクセスできます。

アドレスバーまたはネットワークドライブ割当て時に以下を入力してください。

\\<NASインターフェースのIPアドレス>\<共有フォルダ名>

Active Directoryによる認証を行う場合、認証サーバの設定の有無によって操作方法が異なります。

参考

アドレスバーにNASインターフェースのIPアドレスを入力すると、共有可能なフォルダを確認できます。

NFSプロトコルでのアクセス方法

UNIXサーバ上から以下の手順でNFSマウントすることで、アクセスできます。

LDAPによる認証を行う場合、認証サーバの設定の有無による操作方法の違いはありません。UNIXサーバをLDAPのドメインに参加させてから、NFSマウントしてください。

  1. NASボリュームのボリューム番号を確認します。

    ボリューム番号の確認手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有フォルダの表示」を参照してください。
    共有フォルダ詳細情報の基本タブで表示される「ボリュームNo.」がボリューム番号です。

  2. 管理者権限でUNIXサーバにログインします。

  3. mountコマンドを実行し、共有フォルダをマウントします。

    mountコマンド実行時、以下を指定してください。

    Solarisの場合
    mount -F nfs <NASインターフェースのIPアドレス>:/mnt/nas/nv<NASボリューム番号>/data/<共有フォルダ名> <マウント先ディレクトリ>
    Linuxの場合
    mount -t nfs <NASインターフェースのIPアドレス>:/mnt/nas/nv<NASボリューム番号>/data/<共有フォルダ名> <マウント先ディレクトリ>

参考

UNIXサーバ上でshowmountコマンドを実行すると、NFSマウント可能な共有フォルダを確認できます。

showmount -e <NASインターフェースのIPアドレス>

NFSマウント後、LDAPに登録済みのユーザーでUNIXサーバにログインすると、共有フォルダに設定した所有者/グループの権限で、共有フォルダにアクセスできます。

LDAPによる認証を行わない場合は、UNIXサーバにログインすると、共有フォルダにアクセスできます。


運用中に実行できる機能は、以下のとおりです。

4.6.4.1 共有フォルダの変更

共有フォルダの値を変更します。変更できる値は、以下のとおりです。

注意

共有フォルダの設定を変更すると、一時的に共有が停止するため、共有フォルダにアクセスできなくなります。共有フォルダの変更が完了すると、自動的に共有が再開されます。

参照

Webコンソールによる設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有フォルダの変更」を参照してください。

4.6.4.2 NASインターフェースの変更

NASインターフェースの値を変更します。

変更できる値は、以下のとおりです。

参考

  • ポートの設定が変更できるのは、ポートの設定が行われていないNASインターフェースに対して新たなポートを設定する場合だけです。

  • 冗長化ポートの設定が変更できるのは、Single構成のNASインターフェースに対して新たな冗長化ポートを設定する場合だけです。冗長化ポートを変更する場合は、一度設定したNASインターフェースを削除し、NASインターフェースを再作成してください。

  • ポートは、ほかのNASインターフェースの割当て先ポートとして指定されていないポートだけ指定できます。

参照

Webコンソールによる設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「NASインターフェースの変更」を参照してください。

4.6.4.3 認証サーバの変更

認証サーバの設定を変更します。

変更手順および変更できる値は認証サーバの設定時と同じです。「4.6.3.3 認証サーバの設定」を参照してください。

ポイント

認証サーバのドメイン管理者名を変更する場合は、ドメイン管理者のパスワードの再入力が必要です。ドメイン管理者名以外を変更する場合は、ドメイン管理者のパスワードは不要です。

4.6.4.4 共有の開始

共有フォルダの共有状態を開始します。

共有が開始されると、NASインターフェースを経由して共有フォルダへアクセスできます。

参照

Webコンソールによる設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有の開始/停止」を参照してください。

4.6.4.5 共有の停止

共有フォルダの共有状態を停止します。

共有が停止されると、共有フォルダへアクセスできなくなります。

参照

Webコンソールによる設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有の開始/停止」を参照してください。

4.6.4.6 NASバックアップボリュームの作成

NASボリュームのデータをバックアップするため、NASバックアップ設定を行います。

NASバックアップ設定では、NASバックアップボリュームの作成の他に、コピーグループおよびコピーペアを設定します。

本機能は、NASバックアップ設定が実施されていない場合に、NASボリュームのバックアップシステムを構築するために実施します。

NASバックアップボリュームに対しては、以下を設定します。

NASバックアップボリューム

NASボリュームのデータをバックアップするためのボリュームです。

NASバックアップボリュームが存在しない場合だけ新たに作成可能です。NASバックアップボリュームが存在する場合は、既存のNASバックアップボリュームが指定されます。

NASバックアップボリュームは、以下の内容で作成されます。

ボリューム名

[NASボリューム名]$bak[N](注)

容量

バックアップ元のNASボリュームと同じ

ボリューム種別

バックアップ元のNASボリュームと同じ

作成先のシン・プロビジョニングプール

ユーザー選択

注: [N]は0からの連番です。桁数は変動します。

ポイント

NASバックアップボリュームの作成先のシン・プロビジョニングプールは、障害発生時に復旧ができるように冗長性を考慮してNASボリュームとは別のシン・プロビジョニングプールにすることをお勧めします。

コピーグループ

NASボリュームとNASバックアップボリュームのコピーペアを定義するためのグループです。

バックアップ用のコピーグループ定義が存在しない場合は、以下の内容で自動的に作成されます。

コピーグループ名

NAS_QuickOPC_[N](注)

コピーグループタイプ

QuickOPC

注: [N]は0からの連番です。桁数は変動します。

コピーペア

コピー元のNASボリュームとコピー先のNASバックアップボリュームのコピーペアです。

コピーグループを作成する場合に作成されます。

参照

Webコンソールによる設定手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「NASバックアップボリュームの作成」を参照してください。

ポイント

Webコンソールから本機能を実行可能になっている場合は、NASバックアップ設定が実施されていない、またはNASバックアップ設定が不完全な状態です。NASボリュームのバックアップシステムを構築する場合は、本作業を実施してください。

4.6.4.7 NAS用ボリュームの性能管理

NAS用ボリュームに対する性能管理を、ブロックボリュームと同等レベルで実施します。

詳細は「4.2 性能管理」を参照してください。

参照

Webコンソールによる手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ストレージ装置の性能管理に関する操作」を参照してください。

参考

NASポートに対しては、性能監視および閾値監視機能を使用できません。

4.6.4.8 シン・プロビジョニングプールの容量管理

NAS用ボリュームの作成先のシン・プロビジョニングプールに対する容量管理を実施します。

詳細は「4.5 シン・プロビジョニング管理」を参照してください。

参照

Webコンソールによる手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「シン・プロビジョニングに関する操作」を参照してください。

4.6.4.9 NASファイルシステムの拡張

NASファイルシステムの拡張を実施します。

シン・プロビジョニングプールの拡張

NASボリュームの作成先のシン・プロビジョニングプールの拡張は、以下の手順で実施します。

  1. シン・プロビジョニングプールの容量を確認します。
    NASボリュームの作成先のシン・プロビジョニングプールの容量を確認します。
    4.6.4.8 シン・プロビジョニングプールの容量管理」を参照してください。
    シン・プロビジョニングプールの空き容量の大きさに応じて、次の手順でシン・プロビジョニングプールの容量拡張を行ってください。

  2. シン・プロビジョニングプールの容量を拡張します。
    Webコンソールからシン・プロビジョニングプールの容量拡張を行います。

    参照

    容量の拡張手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「シン・プロビジョニングプールの容量拡張/フォーマット/閾値変更/削除」を参照してください。

    シン・プロビジョニングプールの容量拡張には、未使用のディスクが必要です。容量拡張を行う前に、必要に応じてディスクを増設してください。
    ディスクの増設手順はETERNUS ディスクアレイに付属のマニュアルを参照してください。

4.6.4.10 NAS環境の解体

NAS環境の解体手順を説明します。

以下の手順で削除します。

順番

項目

Webコンソール説明書の記載箇所

1

共有フォルダの削除

共有フォルダの削除

2

認証サーバの削除

認証サーバの設定

3

NASインターフェースの削除

NASインターフェースの削除

4

コピーペアの削除

コピーペアの追加/表示/削除

5

コピーグループの削除

コピーグループの作成/表示/削除

6

NAS用ボリュームの削除

ボリュームの削除

注意

本手順を実施してNAS環境を解体した場合、NASボリュームおよびNASバックアップボリュームに格納されたデータはすべて消去されます。本手順は、NAS環境を解体するとき以外は実施しないでください。

共有フォルダの削除

共有フォルダを削除します。

NAS環境を解体する場合は、すべての共有フォルダを削除してください。共有フォルダを個別に削除する場合は、任意の共有フォルダを指定して削除してください。

参照

削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「共有フォルダの削除」を参照してください。

注意

共有フォルダを削除した場合、共有フォルダ配下に作成したフォルダおよびファイルは、すべて消去されます。

認証サーバの削除

認証サーバの設定を削除します。

NAS環境を解体する場合は、ドメイン情報とすべての認証サーバ情報を削除してください。

参照

削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「認証サーバの設定」を参照してください。

NASインターフェースの削除

NASインターフェースを削除します。

NAS環境を解体する場合は、すべてのNASインターフェースを削除してください。NASインターフェースを個別に削除する場合は、任意のNASインターフェースを指定して削除してください。

参照

削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「NASインターフェースの削除」を参照してください。

ポイント

以下の2つの条件を満たす場合、ポートの冗長化は解除されます。

  • 割当て先ポートからすべてのNASインターフェースが削除される

  • 割当て先ポートに冗長化ポートが設定されている

コピーペアの削除

NASボリュームとNASバックアップボリュームで定義されたNAS用コピーペアを削除します。

参照

削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「コピーペアの追加/表示/削除」を参照してください。

参考

すべての共有フォルダを削除した場合でも、NAS用に自動的に作成されたコピーペアは削除されません。NASファイルシステムの再構築を行う場合など、NASバックアップ設定を削除する場合は、Webコンソールから個別に削除してください。

コピーグループの削除

NAS用コピーグループを削除します。

参照

削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「コピーグループの作成/表示/削除」を参照してください。

参考

すべての共有フォルダを削除した場合でも、NAS用に自動的に作成されたコピーグループは削除されません。NASファイルシステムの再構築を行う場合など、NASバックアップ設定を削除する場合は、Webコンソールから個別に削除してください。

NAS用ボリュームの削除

NAS用ボリュームを削除します。

参照

削除手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ボリュームの削除」を参照してください。

参考

すべての共有フォルダを削除した場合でも、NAS用ボリュームは削除されません。NAS用ボリュームを削除する場合は、Webコンソールから個別に削除してください。

ポイント

以下の場合、WebコンソールからNAS用ボリュームを削除できません。

  • NASボリュームに共有フォルダが存在する場合

  • NASバックアップボリュームがマウントされている場合

  • NASシステムボリュームの場合

NASシステムボリュームは、ETERNUS ディスクアレイから削除してください。削除手順は、ETERNUS ディスクアレイに付属のマニュアルを参照してください。