PRIMECLUSTER と連携して、NetWorker サーバのスタンバイ運用を実現します。
また、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker が提供する NetWorker 専用のプロセス監視機構 (以降ディテクタと省略します) が、NetWorker の異常を自動的に検出し、自動的に修復することにより、NetWorker を使用したバックアップ運用システムの可用性をさらに高めます。
NetWorker サーバのスタンバイ運用により、テープ装置の共有、NetWorker データベース (NetWorker の設定とどのような対象をいつバックアップしたか等の情報) の共有化によるバックアップの可用性を高めます。もし、バックアップ時に異常が発生しクラスタシステムのフェイルオーバが発生した場合でも、そのまま待機ノードでのバックアップの継続が可能です。
NetWorker 異常の自動検出・自動修復
PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker が提供する NetWorker 専用の RMS (Reliant Monitor Services) 構成スクリプト (以降スクリプトと省略します) とディテクタによって、NetWorker 異常の自動検出・自動修復を行います。
NetWorker 異常の自動検出・自動修復により、バックアップアプリケーションの停止時間の短縮を図ることができます。
ディテクタが NetWorker を常時監視し、異常を検出した場合には、RMS に異常を通知します。AutoRecover 属性が有効の場合は、異常通知を受け取った RMS は、スクリプトを起動して、NetWorker を再起動します。
バックアップの引継ぎ
PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker が提供するスクリプトとディテクタが PRIMECLUSTER と連携することで、バックアップの引継ぎを行います。
運用ノードでのバックアップ業務の続行が不可能になった場合、自動的に運用ノードから待機ノードへの切替えを行い、待機ノード (新運用ノード) において NetWorker サーバを自動的に起動し、バックアップを再開します。
新運用ノードでは、NetWorker の定義を変更することなくバックアップ業務を再開でき、また、旧運用ノードでバックアップしたデータを利用して、新運用ノードからリカバリすることも可能です。
仮想クライアントバックアップ
PRIMECLUSTER が管理する共用ディスク上のデータを仮想的なクライアント名 (論理ノード名) でバックアップできます。
論理ノード名は、PRIMECLUSTER の引継ぎIPアドレスに関連付けられた仮想的なノード名で、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker が仮想的な NetWorker サーバ/クライアントをサポートするために管理する名前です。
論理ノード名を利用することにより、NetWorker はクラスタシステムをシングルシステム同様に扱うことが可能となり、フェイルオーバが発生しても、共用ディスク上のデータを NetWorker の定義を変更することなく、待機ノード (新運用ノード) からバックアップすることができます。また、バックアップデータは、いずれのノードからでもリカバリできます。
論理ノード名は、クラスタアプリケーション単位に指定可能であるため、N:1 運用待機形態や相互待機形態など、複数のクラスタアプリケーションが存在する運用形態の場合でも、各クラスタアプリケーションを1シングルシステムとして扱うことにより、各共用ディスク上のデータを論理ノード名でバックアップ・リカバリすることが可能です。
クラスタ構成ノードのローカルバックアップ
クラスタを構成するノードの物理的なノード名を利用することにより、クラスタを構成する各ノードのローカルディスク上のデータをバックアップできます。
NetWorker クライアントはクラスタを構成する全ノードで動作しているため、待機ノードのローカルディスク上のデータもバックアップ可能です。また、フェイルオーバが発生しても、NetWorker の定義を変更することなくバックアップ業務を継続できます。
NetWorker クライアントのスタンバイ運用
PRIMECLUSTER と連携し、クラスタのフェイルオーバ時に必要な NetWorker クライアントを運用/待機ノードで起動することにより、NetWorker クライアントのスタンバイ運用を実現します。
注意
NetWorker サーバは、NetWorker クライアントでもあります。このため、サーバクラスタ運用は、クライアントクラスタ機能を含んでいます。