Oracle RAC においては、Oracle Clusterware により、Oracle インスタンス、リスナーの自動起動・監視・リカバリが行われます。
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、リソースの異常を検出した場合、リソースの状態を “Warning” として RMS に通知し、リカバリやフェイルオーバは Oracle Clusterware の制御に委ねます。(「復旧待ち時間(WFTime)」の設定に依存)
また、userApplication に対して、起動・停止の指示を行った場合は、それに従い リソースの起動・停止を行います。
Oracle RAC インスタンスの起動
Oracle RAC インスタンスの起動は、以下の手順で行われます。
su - <Oracle ユーザー>
srvctl start instance -d $DB_NAME -i $ORACLE_SID
Oracle RAC インスタンスの停止
Oracle RAC インスタンスの停止は、以下の手順で行われます。
su - <Oracle ユーザー>
srvctl stop instance -d $DB_NAME -i $ORACLE_SID
Oracle RAC インスタンスの監視
スタンバイ運用の場合と同じになります。ただし監視間隔 (Interval) についてはデフォルトが60秒である点がスタンバイ運用と異なります。詳しくは、“3.1.1 スタンバイ運用の場合” の “Oracle の監視” を参照してください。
リスナーの起動
リスナーの起動は Oracle Clusterware に委ねていますが、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle でも起動します。
リスナーの起動は、以下の手順で行われます。
su - <Grid ユーザー>
srvctl start listener -n $NODE_NAME -l $LSNR_NAME
リスナーの停止
リスナーの停止は Oracle Clusterware に委ねており、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では停止しません。
リスナーの監視
スタンバイ運用の場合と同じになります。ただし tnsping 監視を行わない点、および監視間隔 (Interval) についてはデフォルトが60秒である点がスタンバイ運用と異なります。詳しくは、“3.1.1 スタンバイ運用の場合” の “リスナーの監視” を参照してください。
Oracle Clusterware の起動
Oracle Clusterware の起動は、以下の手順で行われます。
crsctl start crs で Oracle Clusterware を起動。
crsctl status resource -t で Oracle Clusterware の起動が完了したことを確認。
Oracle Clusterware の停止
Oracle Clusterware の停止は、以下の手順で行われます。
crsctl stop crs で Oracle Clusterware を停止。
Oracle Clusterware の監視
Oracle Clusterware の監視は行いません。NullDetector フラグが自動的に有効になります。
注意
Oracle インスタンス、リスナーの起動・停止・切替えを行う場合は、RMS の userApplication に対して操作 (hvswitch, hvutil) してください。Oracle Clusterware の srvctl コマンドや 、Oracle インスタンスに対して shutdown コマンドを直接実行すると、PRIMECLUSTER 側で異常と判断してリカバリが実行される場合があります。上記コマンドを実行したい場合は、hvoradisable コマンドで Oracle インスタンスリソース、リスナーリソースの監視を中断して実行してください。
メンテナンスなどで OS のシャットダウンや再起動を行う場合、先に userApplication および RMS を停止してください。OS のシャットダウンや再起動に伴う Oracle Clusterware の停止に連動して Oracle インスタンスやリスナーが停止するため、userApplication が Online 状態の場合、Oracle インスタンスリソースやリスナーリソース異常と判断されます。