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PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.3 導入運用手引書

2.4.2 ASM(Automatic Storage Management)を使用する場合

ASM を PRIMECLUSTER 上で使用する場合は、スタンバイ運用、または、スケーラブル運用での使用が可能です。

スタンバイ運用の場合

ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録してください。

リソース登録された ASM インスタンスは、起動・停止制御のみが行われ監視は行われません。ASM インスタンスに異常が発生した場合でも、Oracle インスタンスリソースで異常を検出しますので、userApplication の切替えが発生し、業務を継続できます。

環境構築時の注意事項については、Oracle 10g R2/11g R1 の場合は “2.4.2.1 環境構築時の注意(Oracle 10g R2/11g R1の場合)”、Oracle 11g R2 の場合は “2.4.2.2 環境構築時の注意(Oracle 11g R2の場合)” を参照してください。

スケーラブル運用の場合

Oracle RAC で ASM を使用する場合は、ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録しないでください。ASM インスタンスの制御は Oracle Clusterware が行いますので、以降の注意事項は必要ありません。

2.4.2.1 環境構築時の注意(Oracle 10g R2/11g R1の場合)

Oracle 10g R2/11g R1のASMをスタンバイ運用で使用する場合の注意事項は以下の通りです。

ASM インスタンスとデータベースの作成・設定

ASM 初期化パラメータの確認

ASM インスタンスの初期化パラメータ “ASM_DISKGROUPS” に、Oracle データベースを作成したディスクグループ名が設定されていることを確認してください。

参照

ASM インスタンスの初期化パラメータについては、Oracle のマニュアルを参照してください。

  

userApplication の作成

userApplication 作成時は、Oracle インスタンスリソースと同様に ASM インスタンスリソースを作成してください。ASM インスタンスリソースと、その ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソースは、同じ Oracle リソースに登録してください。
次の画面は、ASM インスタンスリソース“+ASM”と、その ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソース“db10g”をOracle リソース“Oracle1”に登録した例です。

参考

  • ASM インスタンスをリソース登録する場合の手順については、「2.2.7.2 Oracle リソースの作成」の手順“3”を参照してください。

  • ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。

2.4.2.2 環境構築時の注意(Oracle 11g R2の場合)

Oracle 11g R2 の ASM をスタンバイ運用で使用する場合の注意事項は以下の通りです。

サポートする構成

Oracle 11g R2 で ASM を使用する場合は Oracle Grid Infrastructure をインストールする必要があります。Oracle Grid Infrastructure をインストールする場合は Oracle Database のインストールユーザーと Oracle Grid Infrastructure のインストールユーザーを分割する構成をサポートします。単一インストールユーザーの構成はサポートしません。
また、Oracle Database のインストールユーザーの ORACLE_BASE 環境変数と Oracle Grid Infrastructure のインストールユーザーの ORACLE_BASE 環境変数は、異なるディレクトリを指定してください。

Oracle Grid InfrastructureのインストールとASMインスタンス、データベースの作成

付録C Oracle Grid InfrastructureのインストールとASMインスタンス、データベースの作成”を参照してOracle Grid Infrastructure のインストールと ASM インスタンス、データベースの作成を行ってください。

注意

  • ASM インスタンス作成時、ASM インスタンス名の先頭に「+」がつくように設定してください。(デフォルトでは “+ASM” となります)

  • 1台のサーバーに複数の ORACLE_HOME を作成している場合 (複数の Oracle ソフトウェアをインストールしている場合) 、Oracle インスタンス名には異なる Oracle インスタンス名を設定してください。

  • 1つの userApplication 内で ASM インスタンスとデータベースの関係が 1:1 もしくは、1:n になるように、ASM インスタンスとデータベースを作成してください。

    • ASM インスタンス:データベース = 1:1

    • ASM インスタンス:データベース = 1:n
      下図は、ASM インスタンス:データベース = 1:2 の例です。

  • Oracle 11g R2 の ASM をスタンバイ運用で使用する場合は、以下の運用形態のみサポートします。

    • 1:1 運用待機

    Oracle 11g R2 の ASM をスタンバイ運用で使用する場合は、以下の運用形態は未サポートです。

    • カスケード

    • 相互待機

    • N:1 運用待機

    • 移動待機

    • N:M 運用待機

  • PRIMECLUSTER Wizard for Oracleで、Oracle 11g R2のASMをスタンバイ運用で使用する場合、Oracleのサービスリソースは使用できません。

参照

ASM インスタンス、データベースの作成は、Oracle のマニュアルを参照してください。

Oracle Restartの設定変更

各ノードにて、以下のコマンドを Grid ユーザーで実行し、OS 起動時に Oracle Restart および CSS(Cluster Services Synchronization)デーモンが起動するように設定してください。また、Oracle Restart による Oracle インスタンス、リスナー、ASM の自動起動を無効にしてください。

コンポーネント

コマンド

Oracle Restart

crsctl enable has

CSS

crsctl modify resource ora.cssd -attr "AUTO_START=always"

ASM

srvctl disable asm

Oracle リスナー

srvctl disable listener [-l <listener_name>]

Oracle インスタンス

srvctl disable database -d <db_unique_name>

userApplication の作成

userApplication 作成時は、Oracle インスタンスリソースと同様に ASM インスタンスリソースを作成してください。ASM インスタンスリソースと、その ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソースは、同じ Oracle リソースに登録してください。
次の画面は、ASM インスタンスリソース“+ASM”と、その ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソース“db11g”をOracle リソース“Oracle1”に登録した例です。

参考

  • ASM インスタンスをリソース登録する場合の手順については、「2.2.7.2 Oracle リソースの作成」の手順“3”を参照してください。

  • ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。

注意

  • ASM インスタンスリソースと Oracle リスナーリソースには Grid ユーザーを、Oracle インスタンスリソースには Oracle ユーザーを設定してください。

  • ASM の起動前に CSS の待ち合わせをするため、ASM インスタンスリソースの PreOnlineScript に以下のスクリプトを設定してください。

    /opt/FJSVclora/sbin/cloracsswait <Grid ユーザー名>

2.4.2.3 運用時の注意

ASM インスタンスで使用するディスクグループは、手動でマウント操作 (mount/umount) をしないでください。ディスクグループがマウントされている場合は、ASM リソース活性化時に以下のメッセージがコンソールに出力される場合がありますが、特に対処する必要はありません。