Oracle のインストールおよび設定について説明します。
注意
ここでは、Oracle ソフトウェアのインストールだけを実施し、データベースは作成しないでください。データベースは「2.2.6 データベースの作成・設定」で作成します。
Oracle ソフトウェアを共用ディスクに配置する環境では、ASM は未サポートです。ASM を使用する場合は、Oracle ソフトウェアを各ノードのローカルディスクにインストールしてください。
1台のサーバーに複数の ORACLE_HOME を作成する場合 (複数の Oracle ソフトウェアをインストールする場合) は、それぞれ異なる Oracle ユーザーを準備してください。1つの Oracle ユーザーが複数の ORACLE_HOME を持つことはできません。
Oracle 11g R2でASMを使用するためにOracle Grid Infrastructureをインストールする場合は、OracleユーザーとGrid ユーザーを分割してインストールしてください。この構成でのインストール手順については“2.4.2 ASM(Automatic Storage Management)を使用する場合” を参照してください。
「第5章 留意事項」に関連情報を記載していますので、事前にご確認ください。
初期設定
カーネルパラメータの設定
PRIMECLUSTER で使用する値に、Oracle 自身が使用する値を加えて設定する必要があります。カーネルパラメータの設定は使用する Oracle のバージョンやデータベースの構成によって異なるため、Oracle のインストールガイドを参照してください。パラメータの設定は全てのノードで同一になることを推奨します。
注意
カーネルパラメータ semopm には、4以上の値を設定してください。
Oracle ユーザーの設定
Oracle のインストールおよび、起動・停止等の操作を行うための OSDBA グループに所属する OS ユーザーを作成します。ユーザーID、グループIDは全ノードで同一にする必要があります。
例
# groupadd -g <グループID> dba # groupadd -g <グループID> oinstall
# useradd -u <ユーザーID> -g oinstall -G dba -d /home/oracle -s /bin/sh -m oracle
# passwd oracle
※ グループを2つ作成し、一般的に、グループ名は「dba」、「oinstall」とします。
Oracle ユーザーの環境変数を設定する必要があります。
例
(.profile)
ORACLE_BASE=/opt/oracle; export ORACLE_BASE ORACLE_HOME=/opt/oracle/product/11.2.0; export ORACLE_HOME ORACLE_SID=ora; export ORACLE_SID LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib; export LD_LIBRARY_PATH PATH=$ORACLE_HOME/bin:/usr/bin:/usr/ccs/bin:/usr/ucb; export PATH
※PATH に/usr/ucb を含める場合は、/usr/ccs/bin の後に設定する必要があります。
参考
詳しくは Oracle のマニュアルを参照してください。
注意
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、Oracle の操作を OSDBA グループに所属する OS ユーザー (Oracle ユーザー) で行います。
Oracle ユーザーの PATH 環境変数に、$ORACLE_HOME/bin を必ず含めるようにしてください。
以下のように root ユーザーで su(1M) を実行し、Oracle ユーザーにスイッチできることを確認してください。
# su - <Oracle ユーザー>
Oracle ユーザーのプロファイルにおいて、対話型のコマンド (例 script) を実行しないでください。userApplication の起動・停止、Oracle リソースの監視が正常に動作しない場合があります。プロファイルは、/etc/profile, .bash_profile, .cshrc, .profile などを指します。
Oracle ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルを共用ディスクに配置した環境は、サポート対象外です。Oracle ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルは各ノードのローカルディスクに配置してください。
インストール
Oracle ソフトウェアをローカルディスクに配置する環境の場合は、Oracle のマニュアルに従ってインストールしてください。
Oracle ソフトウェアを共用ディスクに配置する環境の場合は、“付録D Oracle ソフトウェアを共用ディスク上で使用する場合”に従ってインストールしてください。
データベースは共用ディスク上に作成する必要があるので、インストール時には作成せず、共用ディスクのクラスタ設定が完了した後に作成してください。 (「2.2.6 データベースの作成・設定」で説明します)。