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PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.3 導入運用手引書

1.1 機能概要

PRIMECLUSTER Wizard for Oracle は、PRIMECLUSTER 上で Oracle のクラスタ運用を行うためのソフトウェア製品です。PRIMECLUSTER 上で Oracle Real Application Clusters (以降 RAC、または、Oracle RAC と略) によるスケーラブル運用や、Oracle のスタンバイ運用 (コールドスタンバイ) 、シングルノードクラスタ運用を行うことができます。

モジュール構成

本製品は、以下のモジュールで構成されています。

環境設定ウィザード

PRIMECLUSTER 上で Oracle の運用を行うための環境設定ツール

ディテクタ

Oracle の状態を監視するモジュール

スクリプト

Oracle の起動・停止を制御する

設定/運用コマンド

運用時に使用するコマンド類

環境設定

PRIMECLUSTER RMS の環境設定において、userApplication を作成する環境設定ツールを提供します。

監視機能

Oracle インスタンス、リスナーの監視を行います。
Oracle インスタンスの監視は、Oracle の SYSTEM ユーザーにて Oracle へ接続して行います。SYSTEM ユーザーのデフォルト表領域上に監視用のテーブルを作成し、SQL コマンドにてテーブル上のデータを定期的に更新・削除します。そのため、Oracle インスタンスのプロセス生死だけでなく、論理的な異常も検出することが可能です。SQL コマンド実行の結果、Oracle のORA-XXXXX エラーを検出した場合、そのエラーの重度により Oracle インスタンスの再起動やフェイルオーバを自動的に行います。Oracle インスタンスがハングアップしSQL 操作が一定時間内に復帰しない場合も、異常と判断します。

Oracle リスナーの監視においては、リスナープロセスの監視および、Oracle の tnsping コマンドを使った監視を行うことができます。

Oracle RAC スケーラブル運用の場合も Oracle インスタンスおよびリスナーを監視しますが、異常発生時のリカバリや縮退は、Oracle Clusterware により行われます。

起動・停止制御

Oracle インスタンス、リスナーを userApplication の状態遷移に従って、自動的に起動・停止します。Oracle インスタンスの起動においては、Oracle インスタンスの状態をチェックし、リカバリ処理を実施しながら起動します。例えば Oracle インスタンスのオンラインバックアップ中に Oracle インスタンスがダウンした場合、“end backup” を自動的に実行し、Oracle インスタンスの再起動を行います (AutoRecover の設定が “yes” の場合)。Oracle インスタンスの停止においては、immediate モード (デフォルト) で停止を行い、正常に停止できない場合にも、abort モードで Oracle インスタンスを停止することにより、高速に切替えを行います。

Oracle RAC スケーラブル運用の場合は、Oracle Clusterware の起動・停止も行います。