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Interstage AR Processing Server V1.0.1 リファレンスガイド
FUJITSU Software

2.1.1 データ管理の概要

本製品では、カメラに写ったARマーカーやカメラを操作している利用者の権限に応じて、適切なARのシナリオ/シーン/重畳表示定義、関連する業務情報などを、まとめて取り出せる必要があります。しかしこれらの情報は、それぞれデータ構造が異なっており、単一の構造体に収めて管理することは困難です。

Interstage AR Processing Serverでは、すべての情報を以下の値のセットで表現します。これにより、異なるデータ構造の情報を1つの構造体に収めて管理し、かつ、全管理情報を対象にした串刺し検索を可能にしています。

Interstage AR Processing Serverでは、上記のようなデータ管理/検索/編集フレームワークとして、「データ管理機能」を提供します。

2.1.1.1 データ管理のイメージ図

Interstage AR Processing Serverにおけるデータ管理のイメージについて説明します。

図2.1 データ管理のイメージ図

2.1.1.2 データの排他制御

同一データに対する複数の同時アクセス要求に備え、Interstage AR Processing Serverではデータに対してオプティミスティック同時実行制御を行います。そのため、各テーブルにversion(INTEGER型)を作成しています。

制御の基本的な流れは以下の通りです。

  1. データを変更する際、データ獲得後に別のユーザがそのデータを変更していないかversion情報を取得します。

  2. 現在のversion情報と比較します。

    1. 変更されていない場合、データを更新します。

    2. 変更されていた場合、違反と見做しエラーを返します。

Interstage AR Processing Serverではオプティミスティック同時実行制御をETagヘッダとIf-Matchヘッダによって実現しています。そのため、データの更新/削除の前には必ず、サーバから最新のデータを取得し、versionを最新にしておく必要があります。さらに、If-Matchヘッダにversionを設定する必要があります。

注意

変更のたびにversionが追加されるため、データをINTEGERの最大値(2147483647)まで更新するとエラーとなります。