Java EE環境の性能情報の管理を行うための手順を説明します。
注意
Interstage Application ServerでのJava EE環境の性能監視は、Interstage Application Server V10.0以降でサポートします。
Interstage Application ServerのJava EE 6機能とは連携できません。
■環境
本製品のAgentをInterstage Application Server V10.0以降のアプリケーションサーバ機能がインストールされている、Java EE運用環境へ導入することで連携が可能です。
対応インストール種別の関係については、解説書「管理対象と対応インストール種別」を参照してください。
注意
Interstage Application Serverのマルチサーバ運用を行う場合、管理サーバのみが監視対象となります。
■Interstage Application Server側での作業
収集ポリシーの作成と適用を行う前に、Interstage Application Server側で以下の準備/確認が必要になります。
Interstageの各サービス/デーモンが起動していること。
JMXのサービス/デーモンが起動していること。
監視対象のIJServerクラスタごとに監視レベルが設定されていること。
asadminコマンドのsetサブコマンドを利用して、監視する性能情報の監視レベルを設定します。
IJServerクラスタ名が「IJServer001」のときの、監視レベルの設定方法を例示します。
デフォルトの性能情報を収集する場合(「■定義手順」参照)
asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.jvm=LOW asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.jdbc-connection-pool=HIGH asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.thread-pool=LOW asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.transaction-service=LOW
デフォルト以外の性能情報を収集する場合(「■監視項目の拡張手順」参照)
1.に加えて、以下を設定します。
asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.ejb-container=LOW asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.orb=LOW asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.http-service=LOW asadmin set IJServer001.monitoring-service.module-monitoring-levels.connector-connection-pool=HIGH
上記の設定は、監視するIJServerクラスタごとに行います。
asadminコマンドの詳細については、Interstage Application Server「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
IJServerクラスタの「トランザクション内訳分析」を行う場合は、「1.1.3 トランザクション内訳分析」に記載する設定を行っていること。
注意
JMXサービスへの接続プロトコルは、RMIプロトコル(JNDI形式)のみです。
■定義手順
本連携機能を使用した場合、デフォルトで収集される項目は以下です。
IS_JMX_JAVAEE_JVM
IS_JMX_JAVAEE_JDBC_POOL
IS_JMX_JAVAEE_THREAD_POOL
IS_JMX_JAVAEE_TRANSACTION
それぞれの項目は、IJServerクラスタ配下のサーバーインスタンスごとに収集されます。
JDK5を使用する場合は、デフォルトの性能情報のみを収集することができます。
収集テンプレート(template.dat)を修正します。
【Windows版】
<可変ファイル格納ディレクトリ>\control\template.dat |
【UNIX版】
/etc/opt/FJSVssqc/template.dat |
[ISJMXSNSR]セクションを修正します。
必要に応じて★印の行を修正します。
######################################### # Interstage Application Server JMX Sensor Information [ISJMXSNSR] DCAID="ISJMXSNSR" PORT="8686" ★接続するJMXサービスのポート番号を設定します。 USER="" ★JMXサービスに接続するユーザー名を設定します。 PASSWORD="" ★JMXサービスに接続するユーザーのパスワードを設定します。 JAVA_HOME="" ★JMXサービスへの接続に使用するJavaのbinディレクトリを設定します。 ######################################### |
キー | 必須/任意 | 形式 | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|---|---|
DCAID | 必須 | ISJMXSNSR | 「ISJMXSNSR」固定です。 | ISJMXSNSR |
PORT | 必須 | ポート番号 (1~65535) | JMXサービスにRMIプロトコル(JNDI形式のみ対応)で接続するためのポート番号を指定します。 | 8686 (Interstage DASサービスのデフォルトのポート番号) |
USER | 必須 | (注1) | JMXサービスに接続するためのユーザー名を指定します。 | なし |
PASSWORD | 必須 | genpwdで作成した文字列 (注1) (注2) | JMXサービスに接続するためのパスワードを暗号化して指定します。 | なし |
JAVA_HOME | 【Windows版】 任意 (注3) 【UNIX版】 必須 (注4) | Javaのbinディレクトリのフルパス | JMXサービスへの接続を行うために使用するJavaのパスを指定します。 | なし |
注1) Java EE運用環境で利用するユーザー名およびパスワードの詳細はInterstage Application Serverのマニュアルを参照してください。
注2) genpwd(パスワード暗号化コマンド)の使用方法は、「A.6 genpwd(パスワード暗号化コマンド)」を参照してください。
注3) システムの環境変数PATHの先頭に、以下のいずれかのパスが設定されている場合は不要です。設定されていない場合は、環境に合わせて以下のいずれかを指定します。
・ <Interstage Application Serverのインストールパス>\JDK6\bin
・ <Interstage Application Serverのインストールパス>\JDK5\bin
注4) 環境に合わせて以下のいずれかを指定します。
・ /opt/FJSVawjbk/jdk6/bin
・ /opt/FJSVawjbk/jdk5/bin
: ######################################### # Interstage Application Server JMX Sensor Information [ISJMXSNSR] DCAID="ISJMXSNSR" PORT="8686" USER="isadmin" PASSWORD="xPtrcsgttd1325523sf" JAVA_HOME="/opt/FJSVawjbk/jdk6/bin" ######################################### : |
[ATTR::AP]セクションを修正します。
GROUPキーに、"ISJMXSNSR"を追加します。
【修正前】
[ATTR::AP] GROUP="XXXX,YYYY" |
【修正後】
[ATTR::AP] GROUP="XXXX,YYYY,ISJMXSNSR" |
■監視項目の拡張手順
監視項目の拡張手順を実施することにより、以下のレコードの収集が可能になります。
IS_JMX_JAVAEE_MSGDRIVEN_BEAN
IS_JMX_JAVAEE_ORB_CONNECTION
IS_JMX_JAVAEE_CONNECTION_QUEUE
IS_JMX_JAVAEE_CONNECTOR_POOL
IS_JMX_JAVAEE_HTTP_LISTENER
IS_JMX_JAVAEE_ENTITY_BEAN
IS_JMX_JAVAEE_STATEFUL_SESSION
IS_JMX_JAVAEE_STATELESS_SESSION
注意
IJServerクラスタ上で動作するアプリケーションによっては、収集ができないレコードがあります。
ポイント
デフォルトで収集される項目で要件を満たす場合は、以降の手順を実施する必要はありません。
上記「■定義手順」で説明したtemplate.datを修正します。
★印の行を追加します。
######################################### # Interstage Application Server JMX Sensor Information [ISJMXSNSR] DCAID="ISJMXSNSR" PORT="8686" USER="" PASSWORD="" JAVA_HOME="" LEVEL=2 ★ ######################################### |
キー | 必須/任意 | 形式 | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|---|---|
LEVEL | 任意 | 2 | デフォルト以外の性能情報を収集する場合に指定します。 | なし |
: ######################################### # Interstage Application Server JMX Sensor Information [ISJMXSNSR] DCAID="ISJMXSNSR" PORT="8686" USER="isadmin" PASSWORD="xPtrcsgttd1325523sf" JAVA_HOME="/opt/FJSVawjbk/jdk6/bin" LEVEL=2 ######################################### : |
「A.1 サーバ内リソース情報収集ポリシー作成コマンド」を参照して、sqcRPolicy、およびsqcSetPolicyを実行してください。
この後にIJServerクラスタの追加/削除など構成を変更した場合は、再度収集ポリシーの作成と適用を実施する必要があります。
また、収集ポリシーのセットアップを実施した場合は、コンソールに反映が必要です。使用手引書(コンソール編)「Agents」を参照して、Agent設定画面で構成情報の取得を行ってください。
Interstage Application ServerのJava EE環境の性能情報は、以下の方法で表示することができます。
サマリツリーの「Interstage(IJServerクラスタ)」ノード(Interstage(IJServerCluster)Monitor)を選択することで表示できます。
詳細ツリーの[Interstage(IJServerCluster)]ノード - [<IJServerクラスタ名>]ノード配下の、各詳細表示項目を選択することで表示できます。
詳細表示項目は、以下の表に示すとおりです。各詳細表示項目は、リソースごとに絞り込んで情報を表示することができます。
詳細表示項目 | 拡張 | リソースID |
---|---|---|
JVM | インスタンス名 | |
JDBCResource | インスタンス名:JDBC接続プール名 | |
ThreadPool | インスタンス名:スレッドプール名 | |
Transaction | インスタンス名 | |
MsgDrivenBean | ○ |
|
ORBConnection | ○ | インスタンス名:コネクションマネージャ名 |
ConnectionQueue | ○ | インスタンス名 |
ConnectorPool | ○ | インスタンス名:コネクタ接続プール名 |
HttpListener | ○ | インスタンス名: バーチャルサーバー名:HTTPリスナー名 |
EntityBean | ○ |
|
StflSessionBeans | ○ |
|
StlsSessionBeans | ○ |
|
備考1:インスタンス名は、「IJServerクラスタ名:サーバーインスタンス名」の形式で表示されます。
備考2:「拡張」欄に○がある項目は、「■監視項目の拡張手順」を実施した場合に表示されます。
リソースの指定方法については、使用手引書(コンソール編)「Resources」を参照してください。
Interstage Application Server(IJServerクラスタ)カテゴリーのレポート
汎用レポートカテゴリーのレポート
参考
Systemwalker Service Quality Coordinatorでは、「server」という名称のInterstage Java EE DASサービスのインスタンスも監視対象となります。
Interstage Java EE DASサービスについては、Interstage Application Server/Interstage Web Server「Java EE運用ガイド」を参照してください。