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Interstage Application Server マルチシステム運用ガイド
FUJITSU Software

6.1.1 CORBAサービスのSSLによる暗号化通信機能

  マルチシステム機能を使用した環境での、CORBAサービスのSSLによる暗号化通信機能の運用方法について、デフォルトシステムと拡張システムでの違いを説明します。

6.1.1.1 コマンドについて

  拡張システムの運用を行う場合は、SSL環境設定コマンドでは、以下の方法で対象のシステム名を指定する必要があります。システム名には、iscreatesysコマンドで指定したシステム名を入力して拡張システムへの操作を行います。

  なお、両方が指定されている場合には、コマンドの-Mオプションで指定したシステム名が有効になります。
  また、拡張システム名に指定する必要のあるコマンドを以下に示します。-Mオプションがないコマンドについては、拡張システムとして考慮する必要はありません。

SSL環境設定コマンド

  SSL環境設定コマンドで“-M 拡張システム名”を指定すると、拡張システムのSSL連携機能、およびその資源に対して、運用/操作を行います。
  SSL環境設定コマンドの詳細(-Mアプションの有無など)については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

6.1.1.2 SSL環境設定について

  ここでは、拡張システム上のサーバのSSL環境設定で、デフォルトシステムと違いのある操作について、説明します。
  クライアントのSSL環境設定では、サーバが拡張システムであっても、特に違いはありません。
  なお、サーバのSSL環境設定の詳細、およびクライアントのSSL環境設定については、“セキュリティシステム運用ガイド”を参照してください。

  CORBAサーバでSSLを利用する場合の環境設定は、以下の手順で行います。

  1. 証明書/鍵管理環境の作成

  2. 秘密鍵の作成と証明書の取得

  3. 証明書とCRLの登録

  4. CORBAサービスへの秘密鍵/証明書の設定

  5. configファイルの編集

  6. オブジェクトリファレンス作成時のSSL情報付加の指定

  7. イベントサービスの設定

  拡張システムでSSL環境設定を行う場合は、デフォルトシステムで設定した秘密鍵/証明書を共有することができるため、4以降の手順について説明します。1から3の手順については、“セキュリティシステム運用ガイド”を参照してください。

(4)CORBAサービスへの秘密鍵/証明書の設定

  CORBAアプリケーション連携でSSL通信を行うには、CORBAサービスに秘密鍵/証明書を設定しておく必要があります。

秘密鍵/証明書の設定

  CORBAサービスに秘密鍵/証明書を設定するため、odsetSSLコマンドで拡張システムを指定(-Mオプション)して実行します。コマンド実行時、トークンに設定したユーザPINを入力します。

  拡張システム(system1)のCORBAサービスに秘密鍵/証明書を設定(トークン:Token01、ニックネーム:Jiro、スロット情報ディレクトリ:/home/SSL/slot、運用管理ディレクトリ:/home/SSL/sslcert)

  odsetSSL -sd /home/SSL/slot -ed /home/SSL/sslcert -tl Token01 -nn Jiro -M system1
  UserPIN:
  Re-type UserPIN:

アクセス権限の設定

  一般ユーザ(システム管理者(root)以外)の権限でアプリケーションを動作させる場合は、秘密鍵/証明書に一般ユーザのアクセス権限を設定する必要があるため、odsetpathコマンドで拡張システムを指定(-Mオプション)して実行します。
  odsetpathコマンドはシステム管理者権限で実行してください。

  システム管理者権限でアプリケーションを動作させる場合、本操作は不要です。

  拡張システム(system1)のCORBAサービスで秘密鍵/証明書にアクセス権限を設定

  odsetpath /home/SSL/slot /home/SSL/sslcert -M system1

  環境変数“IS_SYSTEM”で拡張システム名を指定すると、-Mオプションを指定せずに、odsetSSL、odsetpathコマンドを実行することもできます。ただし、両方が指定されている場合は、-Mオプションが有効となります。

(5)configファイルの編集

  CORBAサービスにSSL通信処理を組み込むため、configファイルのUNO_IIOP_ssl_useにyesを指定します。
  また、UNO_IIOP_ssl_portには、SSL通信用のポート番号を指定します。なお、UNO_IIOP_ssl_portの初期値は4433ですが、デフォルトシステムのSSL通信用、または他のプログラムで使用されている場合は、1024から65535の間の未使用の番号を設定します。

  /var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod/etc/config
      UNO_IIOP_ssl_use = yes
      UNO_IIOP_ssl_port = 4434

(6)オブジェクトリファレンス作成時のSSL情報付加の指定

  SSL通信を行う場合は、以下のいずれかまたは両方を行い、サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスにSSL情報が付加されるようにします。

  OD_or_admコマンドとOD_impl_instコマンドでの指定情報と、SSL通信の有効/無効の関係については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“OD_impl_inst”を参照してください。

(7)イベントサービスの設定

  イベントサービスでSSL通信を行う場合のみ設定が必要です。以下のいずれかの方法でSSL通信の設定を行います。