ここでは拡張システムの定義について説明します。サービスごとの運用の詳細については、“4.3 サービスごとの運用”を参照してください。
■拡張システムの定義ファイルについて
拡張システムでは、各定義ファイルの雛型が、iscreatesysコマンド実行時に、システムごとのディレクトリ( /var/opt/FJSVisas/system/システム名)の配下に作成される、各サービスごとのディレクトリ配下に作成されます。
しかし、デフォルトシステムと定義値が重複すると誤動作する可能性がある定義項目についてはカストマイズが必要なため、デフォルト値は設定されていません。そのため、拡張システムでは定義のカストマイズが必要です。
また、各サービスの定義ファイルの位置が、デフォルトシステムと異なります。
定義のカストマイズを実施しない場合は、isinitコマンドなどのコマンドで定義値不当でエラーとなる場合があります。
拡張システムの各定義のパスについての詳細は、“付録A 各サービスのマルチシステム機能の定義について”を参照してください。
拡張システムを生成するコマンドであるiscreatesysコマンドでは、拡張システム用のディレクトリを生成します。ディレクトリはシステム名をキーとして生成し、その配下に各サービスの定義ファイルやログファイルを格納するためのディレクトリを生成します。以下の図は、システム名が、“system01”の場合のディレクトリ構成図です。
$ユーザ指定ディレクトリとは、iscreatesysコマンドの実行時に、-dオプションで指定したディレクトリです。-dオプションで指定したディレクトリ配下に、システム名のディレクトリ(システムディレクトリ)が生成されます。なお、iscreatesysコマンドを、-dオプションを指定しないで実行すると、/var/opt/FJSVisas/system ディレクトリ配下に、システム名のディレクトリが生成されます。
デフォルトシステムのディレクトリ構成は、マルチシステム機能を使用しない場合と同じです。
/var/opt/FJSVisas/system/system01ディレクトリ配下に作成されるパッケージ名のディレクトリは、iscreatesysコマンド実行時にインストールされていないパッケージに対しては作成されません。
拡張システムの運用操作を行う場合は、各コマンドの引数で、操作対象のシステム名を指定するオプションを入力する必要があります。
-Mオプションにてシステム名を指定します。
また、コマンドを投入する場合に、環境変数“IS_SYSTEM”にシステム名を設定しておくことで、-Mオプションを指定しなくても、拡張システムに対する操作を行うことができます。
拡張システムを操作対象とする2つのコマンドは同時実行できません。デフォルトシステムを操作対象とするコマンドとは同時に実行することが可能です。
■マルチシステムのメッセージ
デフォルトシステムでは従来とおりのメッセージが出力されますが、拡張システムでは、すべてのメッセージにシステム名が表示されます。以下に、拡張システムの名前が、“system01”の場合の例を示します。
IS: INFO: is20101: INTERSTAGE started normally SYSTEM=system01 |
■拡張システムの削除について
拡張システムの削除は、isdeletesysコマンドで実施します。
isdeletesysコマンドを実施すると、iscreatesysコマンドで生成されたディレクトリ資源配下の資源を削除します。isdeletesysコマンドの実施後は、islistsysコマンドを実施してもシステム名が表示されません。
isdeletesysコマンドを実施する前にInterstageを停止する必要があります。
この場合、起動済みの全サービスを停止する必要があります。
isdeletesysコマンドを実施すると登録済みのInterstageのシステム資源や、Interstageのセットアップで作成される資源も削除されます。