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Interstage Application Server マルチシステム運用ガイド
FUJITSU Software

3.1.4 資源の見積もり

  マルチシステム機能を使用する場合の資源の見積もりについて説明します。
  デフォルトシステムに関してはマルチシステム機能を使用しない場合と同様です。“チューニングガイド”を参照してください。
  拡張システムについては以下の見積もりが必要です。

3.1.4.1 メモリ

  メモリの見積もりについては、構築するシステムのサービス構成や、システム規模、運用形態、クライアント数などを考慮して算出します。
  マルチシステム機能を使用する場合はデフォルトシステムと拡張システムでのメモリ見積もり値の合計を、1つのサーバ内でのInterstage全体の使用メモリ量として見積もりを行います。
  各サービスごとのメモリの見積もり方法はデフォルトシステムと拡張システムで違いはありません。
  各サービスごとの見積もり方法についての詳細は、“チューニングガイド”を参照してください。

3.1.4.2 ディスク

  ディスク容量の見積もりについては、構築するシステムのサービス構成により必要なディスク容量が異なるため、構築するサービス単位にディスク所要量を算出し、デフォルトシステムと拡張システムの見積もり値を加算してサーバ内で利用するディスク所要量の見積もりを行います。
  デフォルトシステムにおける各サービスごとのディスク所要量の見積もり方法についての詳細は、“チューニングガイド”を参照してください。

■拡張システムの資源格納ディレクトリについて

  拡張システムの運用を行う場合、デフォルトでは“/var/opt/FJSVisas”配下に、各サービスで使用する拡張システムの定義資源、ログファイルおよび異常が発生した場合のcoreが生成されます。よって、“/var/opt/FJSVisas”配下のディスク容量の見積もりについては十分な余裕をもって行う必要があります。
  本ディレクトリは、以下の方法により資源の格納先をカストマイズすることができます。

  iscreatesysコマンドの詳細については“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

■マルチシステム機能を使用する場合に必要とする静的ディスク資源

  マルチシステム機能を使用して運用を行う場合、利用するサービスにより以下のディスク容量が必要です。空き容量が足りない場合は、該当するファイルシステムのサイズを拡張してください。

項番

ファイルシステム

マウントポイント

ディスク容量
(単位:Mバイト)

備考

1

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVisas

0.9

  

2

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod

0.2

  

3

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNtd

0.04

  

4

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNextp

0.03

  

5

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVjs2su

0.1

  

6

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVes

0.09

  

7

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVjms

0.01

  

8

varファイルシステム

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVisgui

0.1

  

■マルチシステム機能を使用する場合に必要とする動的ディスク資源

  マルチシステム機能を使用して以下の運用で動作させるとき、各ディレクトリには拡張システムの生成に必要な“マルチシステム機能を使用する場合に必要とする静的ディスク資源”に加えて以下のディスク容量が必要です。空き容量が足りない場合は、該当するファイルシステムのサイズを拡張してください。

項番

ディレクトリ

ディスク所要量
(単位:Mバイト)

備考

1

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod

----- (注1)

CORBAサービス(プレインストール型Javaライブラリ以外)のログ情報。

2

$DIR1 (注2)

----- (注3)

CORBAサービス(プレインストール型Javaライブラリ)のログ情報

3

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod

4.1 以上 (注4)

CORBAサービスのネーミングサービス情報。

4

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod

4.0 以下 (注4)

CORBAサービスのネーミングサービスの実行トレース情報。(サービス動作時のみ)

5

$DIR2 (注5)

10.3 以上 (注6)

CORBAサービスのインタフェースリポジトリサービス情報。

6

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod

32.3 以下 (注6)

CORBAサービスのインタフェースリポジトリサービスのログ情報。(サービス動作時のみ)

7

$DIR5 (注7)

15.0 以上

コンポーネントトランザクションサービスの動作環境の作成。

8

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNtd

100.0 以上 (注8)

コンポーネントトランザクションサービスが異常終了した場合に採取されるcoreファイルの見積もり。

9

/tmp

1.0 以上 (注9)

CORBAサービスのIDLコンパイラ動作時。

10

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNod

ロードバランスグループ数 ×((1ロードバランスグループあたりのオブジェクトリファレンス数 ×オブジェクトリファレンス長)+ 0.0005)
(注10)

ロードバランスのデータファイル。

11

$DIR6 (注11)

1.0以上

イベントサービスのチャネル情報。

12

$DIR7 (注12)

essetcnfコマンドの
-logsizeオプション
(-sオプションで指定)の指定値 × 2

イベントサービスのログ情報。

13

$DIR8 (注13)

運用の内容により、必要とするサイズを検討してください。

イベントサービスの不揮発化運用時

14

$DIR9 (注14)

porbeditenvコマンドで“ログ情報を採取”を指定した場合、設定した“ログファイルサイズ”×2×動作するアプリケーション/アプレット数

Portable-ORBのログ情報。

15

$DIR23 (注15)

運用の内容により、必要とするサイズを検討してください。

Interstage管理コンソール用Servletサービスのログ情報。

16

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FSUNtd

0.5

セション情報管理機能のログトレースファイル

18

$DIR20 (注16)

0.01+(durable Subscriber数×0.002)

Interstage JMSの運用時

19

$DIR21 (注17)

0.2以上

Interstage JMSのコンソールファイル

20

/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVisas

ispmakeenvで指定する共有メモリサイズ(MByte) ×

測定時間 ÷ インターバル時間))×測定日数(日)

性能ログファイル

21

$DIR22 (注18)

1つのワークユニット定義サイズ×ワークユニット定義数(注19)

ワークユニット定義登録時

22

$DIR22 (注18)

1つのワークユニット定義サイズ×ワークユニット起動数(注19)

ワークユニット運用時

注1)
  ログファイルのサイズの上限値は、CORBAサービスのconfigファイルのlog_file_sizeで設定することができます。ディスク容量は、バックアップファイルを1つ残すため“log_file_sizeで指定した値×2”となります。なお、ログファイルは、不要になった時点で、削除してください。
注2)  
  “$DIR1”はユーザの作業ディレクトリ(Java VMのシステムプロパティのuser.dirの指定する位置)です。
注3)
  ログファイルのサイズの上限値は、CORBAサービスのconfigファイルのlog_file_sizeで設定することができます。アプリケーションごとにJVxxxxxxxxxx.log/JVxxxxxxxxxx.old(xxxxxxxxxxは一意の数字)の名前で採取されます。なお、ログファイルは、不要になった時点で、削除してください。
注4)
  CORBAサービスのサーバマシンにネーミングサービスを構築する場合に、必要となるディスク容量について以下に示します。

用途

容量

ネーミングサービス情報

オブジェクトリポジトリ

(固定)16Kバイト

制御ファイル

(固定)2056Kバイト

データファイル

(可変)2048(Kバイト) ×コンテキスト数
+  (オブジェクトリファレンス長×オブジェクト数×2)

実行トレース情報

(最大)4096Kバイト

注5)  
  “$DIR2”はインタフェースリポジトリサービスを構築したファイルシステムです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名FSUNtd /var/IRDB”(Interstage統合コマンド使用時)です。
注6)
  インタフェースリポジトリを使用する場合のディスク容量について以下に示します。インタフェースリポジトリのデータベースのサイズは、以下の計算式に従って指定してください。

用途

容量

インタフェースリポジトリサービス情報

管理域

(固定)220Kバイト

利用者定義領域

(初期値:可変)10240Kバイト

実行トレース情報

(最大)33000Kバイト

  利用者定義領域(オブジェクトに要するディスク容量)の見積もり式を以下に示します。

  

IDL定義

計算式(単位:バイト)

1

モジュール宣言

1708+((a-1) / 32+1)×176

2

インタフェース宣言

1712+((a-1) / 32+1)×176+((b-1) / 32+1)×+512×b

3

オペレーション宣言

2304+((e-1) / 32+1)×176+((f-1) / 32+1)×17+((g-1) / 32+1)×176

4

属性宣言

2224

5

定数宣言

2160+c

6

例外宣言

1712+((d-1) / 32+1)×176+836×d

7

データ型宣言

2220

8

文字列型宣言
(ワイド文字列を含む)

1716

9

列挙型宣言

1824+((j-1) / 32+1)×176+64×j

10

シーケンス型宣言

2228

11

構造体宣言

1712+((h-1) / 32+1)×176+836×h

12

共用体宣言

2436+((i-1) / 32+1)×176+972×I

13

固定小数点型宣言

1716

14

配列宣言

2228

記号

項目

意味

a

包含数

包含する型宣言数

b

継承数

インタフェース宣言が継承するインタフェース数

c

定数値長

定数宣言の値の長さ

d

例外構造体メンバ数

例外宣言の構造体のメンバ数

e

パラメタ数

オペレーション宣言でのパラメタ数

f

コンテキスト数

オペレーション宣言でのコンテキスト数

g

例外数

オペレーション宣言での例外数

h

構造体メンバ数

構造体宣言でのメンバ数

i

共用体メンバ数

共用体宣言でのメンバ数

j

列挙型メンバ数

列挙型でのメンバ数

注7)
  “$DIR5”は、Interstageの動作環境ディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名FSUNtd/etc/isreg”です。
注8)
  Interstageシステム定義を生成するために、isgendefコマンドで指定したシステム規模によりディスク容量が異なります。システム規模に従い以下のとおり見積もってください。
  なお、isgendefコマンドで指定したシステム規模は、コンポーネントトランザクションサービスでも同一のシステム規模となります。
  small    : 100Mバイト以上
  moderate : 150Mバイト以上
  large    : 200Mバイト以上
  super    : 300Mバイト以上

注9)  
  ディスク容量はIDL定義の量に依存します。
  C/C++コンパイラ動作時には、別途作業用のディスク容量が必要となります。
注10)  
  初期量として、8256Kバイトを、初回起動時に獲得します。
  これを超過した場合、1024Kバイト単位で拡張します。
注11)
  “$DIR6”はイベントサービスのチャネル情報を格納するディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVes”です。
注12)
  “$DIR7”はイベントサービスのログ情報を格納するディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVes”です。
注13)
  “$DIR8”はイベントサービスのユニット定義ファイルの“trandir”、“sysdir”および“userdir”で指定したディレクトリです。
  各ユニット定義ファイルの“syssize”および“usersize”が、各ユニット定義ファイルの“sysdir”および“userdir”で指定したディレクトリに必要です。
  各ユニット定義ファイルの“trandir”で指定したディレクトリに以下の容量が必要です。
  ((tranmax×4)+256+(tranunitmax×2))× 16 (Kバイト)
注14)
  “$DIR9”はPortable-ORBのログ情報を格納するディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt”です。アプレットとして動作する場合は、アプレットが動作するクライアントマシン上のローカルディスクに、porbeditenvコマンドで“ログ格納ディレクトリ”として指定したディレクトリとなります。
注15)
  “$DIR23”はInterstage管理コンソール用Servletサービスのログ情報を格納するディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVjs2su”です。
注16)
  “$DIR20”はInterstage JMSの定義情報を格納するディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVjms/etc”です。
注17)
  “$DIR21”はInterstage JMSのコンソールファイルを格納するディレクトリです。デフォルトディレクトリは、“/var/opt/FJSVisas/system/システム名/FJSVjms/var”です。
注18)
  “$DIR22”はInterstage動作環境定義の定義項目“TD path for system”で指定したディレクトリです。
19)
  1つのワークユニット定義サイズ=1000+(500ד[Application Program]セクション定義数”)+(500ד[Resource Manager]セクション定義数”)+(500ד[Nonresident Application Process]セクション定義数”)+(500ד[Multiresident Application Process]セクション定義数”)+ユーザ任意指定文字列データ長

3.1.4.3 システムチューニングパラメタ

  システムチューニングパラメタの見積もりについては、構築するシステムのサービス構成や、システム規模、運用形態、クライアント数を考慮して算出します。
  マルチシステム機能を使用する場合はデフォルトシステムと拡張システムでのシステムチューニングパラメタの合計を、1つのサーバ内でのInterstage全体のシステムチューニングパラメタとして見積もりを行いますが以下のようなパラメタもあるため注意が必要です。

  システム単位のシステムチューニングパラメタの見積もり方法についての詳細は、“チューニングガイド”を参照してください。